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第235話 反省?(拓真)
和樹がバイトに出て行って俺は気を緩めた。
「ヤバッかった~」
まさか、浮気相手を送って直ぐに、和樹と会うとは思わなかった。
部屋の前で待ってた和樹を見た時には、心臓がドキドキ…し、焦った。
何食わぬ顔で平常心を保つように表向きはしていたが……いつ浮気がバレるのか?気掛かりだった。
和樹を部屋に入れてキッチンに行った隙に、部屋の換気をして寝室に行き乱れたベットの布団を直した。
匂いが篭ってるかも……と思ったからだ。
和樹が夕飯の用意をすると言ったのをチャンスだと思い、御託を並べシャワーを浴びに行った。
セックスの痕跡が無いか?
女の匂いが残ってるかも知れない。
部屋着も新しいのに着替え「大丈夫だ」と、和樹の居る部屋に行った。
いつも通りの和樹にバレて無いと確信し、俺も安心した。
やはり浮気したばっかりで罪悪感があったんだと思うその日は優しく接してしまうのは、後ろめたさがあったからだ。
和樹も体調が悪かったらしく心細いのか?俺に甘えてきて可愛いかった。
何となく良い雰囲気になった。
いつもの俺なら、そのままセックスに持ち込む所だが昨日の疲れと性欲はそれ程無かった。
いつも通りにしないと不審がられてしまう。
そう考えてると、和樹の方からフェラをし始めた。
突然の事で一瞬驚いたが、和樹からの積極的な行動が嬉しかった。
性欲がそれ程無かったが、刺激され俺の気持ち良い所を解ってる和樹の行為に反応し勃ち上がった。
一生懸命に、俺に奉仕する和樹が愛しい。
和樹を抱きたいと思ったが ‘体調が良くない.次はいっぱいしてね’ って言われ、可愛さと体調が良くないのに俺だけに快感を与えようと言う健気な気持ちが愛おしかった。
和樹がバイト行く時間まで、ゲ-ムをして楽しい時間を過ごした。
和樹が居なくなった部屋は静かになり、楽しかった分寂しく感じた。
やはり和樹は特別だ。
和樹と居ると癒される。
和樹を大切だと思う気持ちが強過ぎて…他の誰かを代わりにしてるのは解ってるし、そんな事をしても何もならないのも解ってる。
和樹の穴を埋めるように.面影を探して……抱いてしまう。
だったら、和樹に寂しい.ずっと側にいて欲しいって正直に言れば……それは俺のプライドが許さなかった。
和樹に弱い所を見せたく無い!
いつも和樹の前では毅然とした男で居たかった。
和樹の前では平然としそう見せたかった。
バカな事をしてると、自分でも思うが寂しさを埋める為に……ちっぽけなプライドの為に。
次の日には反省と浮気の痕跡を残さないようにシ-ツを変え洗濯し部屋の掃除もした。
それから2~3日は和樹からの連絡が無く、具合が悪化したのか?と、俺からLineした。
"卒論が終盤に差し掛かってた。ごめんね”
取り敢えず、体の具合は大丈夫そうだと安心したが……和樹が忙しくなると反省してたのも束の間で、また暫くすると俺はあの店に行ったり女とも誘われ遊び始めた。
体調が良くないと言うのは卒論とバイトで忙しく寝不足だと言う和樹の話を鵜呑みにし、軽く考えていた。
和樹が病んでいたとは知らずに……。
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