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第241話 (和樹)

拓真と久し振りに、1日一緒に過ごして楽しかった日から数日が経った時だ。 朝倉さんとも相変わらずLineの遣り取りは続いていた 武史とも詳しい内容は書かずに、久し振りにLineした "お世話になってる人が居るから、武史にも会って欲しいんだ。だから、ご飯に行かない?いつ空いてる?” "大学無い日は殆どバイトしてるけど。12時~18時までだから、その後なら空いてるけど……俺が行っても良いの?” "大丈夫だよ~、3人で食事しようって。じゃあ、俺のシフトに合わせて貰うけど…。今週の木曜日どう?” “了解” “待合せ場所と時間確認して連絡するね。バイト頑張って” “和樹もな。連絡待ってる” その日の夜に、朝倉さんにLineして木曜日で良いって事になって待合せと時間を決めた。 何だか3人で会うのって変な感じだけど…。 親友の武史には、朝倉さんを紹介した方が良いと思い始めても居た。 2人共、俺にとっては心の支えだと思ってる。 こうして、武史と朝倉さんと木曜日に会う事が決まった。 その日は、武史がバイトしてる最寄り駅で待ち合わせして、それから2人で移動する事にした。 「武史~」 武史を見つけ手を振ったら、軽く手を上げ応えた。 相変わらず無愛想だなぁ~と、久し振りに見た武史は変わって無いのが、何だか笑えて嬉しかった。 武史の側まで駆け寄って、俺の顔を見て少し驚いた顔を一瞬見せたけど、直ぐにいつもの無愛想な顔に戻った。 ん、どうしたのか?と思ったけど、直ぐに話出した。 「ごめんね。何だか変な事になっちゃって~。話しの流れで武史が親友って話したら会ってみたいって言われて~。武史、人見知りだからこんなの嫌だよね?ごめん、今日だけ付き合って」 「良いよ。和樹がお世話になってる人なら、俺も1度会いたい」 「ありがと。さあ、行こう」 また、電車に乗って、朝倉さんとの待合せ場所に武史と一緒に向かう。 電車の中で、ヒソヒソ…と朝倉さんとの事を全て話した。 武史は何も言わずに黙って聞いてくれた。 朝倉さんも武史もこう言う所が似てる。 だから、信用出来るんだと話しながら思った。 拓真の事は余り話さなかったけど、武史には大体の予想がついてるみたいな顔をしてた。 「それでね……言い辛いんだけど……どうしても辛くって1度だけ朝倉さんと……でも1度だけって約束で……それからは無いよ。今も変わらずにLineや会う事もしてるけど、本当に話しを聞いてくれるだけ……それに武史には話すけど……朝倉さん、何人かそう言う友達居るって……だから俺の事は、本当に可哀想だって思って辛い事を忘れさせようとしてくれただけ……」 武史どう思ったかな? 「和樹、話しは解ったよ。話し辛い事も話してくれてありがとう。でも、何で、俺に相談やら愚痴を言わなかったんだ?それが、俺には寂しい」 武史にしては良く話すなぁ~と思ったけど、それくらい武史も思う事があるんだろう。 「ん、ごめん。本当なら、親友の武史に話すべきだと思ってた……けど、辛い事って……拓真の事だったんだ。俺が就活する様になって、少しずつすれ違うって言うか……武史、拓真の事を良く思って無いでしょ?俺、2人とも仲良くって訳にはいかないかも知れないけど…サ-クルの仲間だし仲違いはして欲しく無かったから、ごめん、言えなかった」 「そうか、和樹の気持ちは解った。なあ和樹、そんなに辛い思いするなら、別れちゃえば良かったんじゃないか?我慢する事無い」 表情が解り難い武史だけど、腹が立ってるのは俺には解る。 「別れるか悩んだ時もあった。けど……武史もそうだけど、拓真も本当は優しいのに誤解され易いんだよ。こう言ったら痴(おこ)がましいんだけど…俺だけが解ってあげられるって思ってる。それに……好きなんだ」 「そうか」 それだけ言って武史は無言になった。 武史は俺には怒ったりしないけど……無言の圧力が……俺も無言になった。 それから直ぐに電車は朝倉さんとの待合せ駅に到着した。

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