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第257話 プレゼント(和樹)
昨日もバイト終わりに、朝倉さんと少しだけドライブしながら送って貰った。
朝倉さんと話してると心が安らぐ。
たぶん、1番辛い時に側に居てくれて、俺の愚痴を全て聞いて知ってくれてる事もあって、何もかも隠さずに話せる唯一の人だ。
武史も親友だけど、拓真の事を嫌ってるからなぁ~。
武史にも話せない事も朝倉さんには話してる。
朝倉さんにも、いつもお世話になってるお礼をした方が良いかなぁ~。
今日は昼過ぎに起きて、午後から拓真へのクリスマスプレゼントのビジネスバックを購入する為に、あの店の街に来ていた。
「拓真の鞄買ったら、朝倉さんへのプレゼントも見ようかな」
会社で使える物が良いかなぁ~。
でも、朝倉さん何でも持ってそうだけど…。
そんな事を考えながら店の前に着いて居た。
「いらっしゃいませ」
「あのぉ~、この間予約してた明石ですけど」
店員さんに予約の紙を渡す。
「はい。受け承っております。ネ-ムもサ-ビスで入れてます」
奥から予約したビジネスバックを持ってきた。
「こちらですね。ネ-ムはここに入れてますから。ご確認下さい」
鞄の中の内側に TAKUMA•H とネ-ムが刻印されてた
凄~く良い~♪
「はい。大丈夫です」
「プレゼント用に梱包しますね。カ-ドも付けて置きますから」
「はい」
箱に入れ綺麗にラッピングされ、リボンも付けてくれ袋に入って渡された。
「雨降りそうですから、ビニ-ル袋被せて置きました」
「ありがとうございます」
袋の取手を持ち会計を済ませて店を出た。
大きめの袋を片手に持ち意気揚々と、雲行きの怪しい街を少し見て行こうと思った。
拓真、喜んでくれるかなぁ~。
ずっと使える物だし、拓真がス-ツ着てこれを持って仕事してる姿を見たいなぁ~。
駅近くのデパートに寄り紳士服売場を目指した。
今度、武史と朝倉さんと食事する時に、朝倉さんにお礼のプレゼントの目星だけつけようと思った。
売場をフラフラ見て回り色々あって迷う。
朝倉さんとは、歳も離れてるから何を贈ったら良いかなぁ~。
やっぱ無難にネクタイ?
ネクタイがたくさん売ってる場所に行ってみた。
「うわぁ~、色々あって目移りする~」
色も様々だし模様も派手なのから地味めのものまであって、ブランドものから値段も幅広い。
朝倉さんのイメージを思い浮かべる。
う~ん、社長.大人.頼り甲斐がある.男らしい。
「社長だから、それなりのネクタイが良いかなぁ~。どんなス-ツの色にも合うネクタイが良いよね」
何種類か手に取り自分の首元に当て鏡を見た。
これはイメージじゃないな。
これは派手かなぁ~。
散々悩んだけど……無難に、ストライプ柄が良いと思った。
まだ時間もあるし、他の店も見ようと今日は目星だけつけて買うのは止めた。
それも明日から拓真とドイツ村に行ったりと、お金を使うから今度にしようと決めた。
紳士服売場を出て他の店もフラフラ見て、デパ地下に行きショ-トケ-キ2個と白ワインを1本買ってデパ-トを出た。
駅に行き電車に乗ろうと思ったけど、旅行のパンフレットが並んでたのが目に止まった。
並んでるパンフレットをザッと流し見て、数冊手にし近くのカフェに入りココアを頼み席に座り、飲みながらパンフレットを見る。
台湾.韓国.サイパン.大阪(USJ).北海道.金沢を選んだ。
国内はサ-クルの皆んなと、海外は拓真と行こうと勝手に考えてパンフレットを見ていた。
2月.3月でも高いんだなぁ~。
卒業旅行に行く人が多いからか~。
早めに予約取れば埋まらないだろうし、海外は出発時間を早い便とかにすれば安く行けそうだな。
他の旅行会社のパンフレットも見比べよう。
パンフレットをプレゼントの入ってる袋に入れた時にカ-ドを思い出した。
あっ、今のうちに書いちゃおうかな。
カ-ドを取り出し何て書こうか悩む。
いざ、改まって書こうと思うと……恥ずかしいなぁ~。
散々、悩んだ末にペンを走らせた。
☆………………………………☆☆
| |
| Merry Christmas! |
| |
| ずっと側に居させて |
| 好き! |
| 和樹 |
☆☆………………………………☆
俺の1番思ってる気持ちを書いた。
カ-ドを見て恥ずかしくなって、プレゼントが入ってる袋に仕舞った。
ココアを飲んでスマホを見るけど、拓真からのLineは無かった。
たぶん、夜にはこっちに着くはず。
結構な時間になっちゃった。
16時になろうとしてた。
もう行かなきゃ。
ココアを飲み干しカフェを出た。
電車で拓真のアパートに向かった。
本当は、明日の午前中に行こうと思ってたけど、プレゼントを今日の12時に渡したいと思って、このままアパートに行ってプレゼントを隠して置こうと思った。
俺がアパートに居たら、拓真、驚くだろうなぁ~。
たぶん、叔父さんの会社に寄ってバイト代貰って車借りて来るって言ってたから、夜には戻ると思う。
ワインとケ-キは冷蔵庫に仕舞って置こう。
電車の中で、今からやる事を考えていた。
今日の夜に前祝いして、明日の昼過ぎには車でドイツ村に向かって夕方過ぎには着くと思う。
楽しみ~♪
明日のドイツ村のイルミネ-ションも、今日の夜に拓真へのプレゼントを渡した時の拓真の反応も楽しみだなぁ~♪
拓真のアパートまでの道をウキウキ.ワクワクした気持ちで足取りも軽く浮き足だってた。
拓真のアパートが見えてきた。
どこにプレゼント隠そうかなぁ~♪
クロ-ゼット?
着替える時に開けちゃうかぁ~。
キッチンの棚?
ん~良いかも。
夜12時になったらケ-キとワインを出す時に、一緒に持って来れるし……まさか、キッチンに隠してるとは思わないよね。
うん、そうしよう♪
アパートの階段をウキウキ…と上がった。
ん?……拓真のアパートのドアに凭れ掛かり、スマホを弄ってる人が居た。
大学の子かな?
見た事無いけど……学部が違うから、俺の知らない人も居ると思うし。
俺は拓真の部屋の前まで歩き声を掛けた。
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