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第259話 (拓真)
叔父さんの会社に昼過ぎに行ったが、叔父さんは急な打合せで外出中と言われ、そのまま待ってようか迷ったが、仕事してる社員さんの邪魔になると思い、会社近くのカフェで1時間程時間を潰してから、また会社に向かった。
叔父さんは外回りから戻って居た。
これでバイト代貰って車借りて帰れる。
「叔父さん」
デスクでパソコンを操作してた叔父さんが俺に気が付いた。
「おっ、拓真。すまん.すまん。急に、打合せ入ってな。所で、土日に頼んだ事は終わったか?」
俺は土日での書類の整理作業を報告し「纏めておけ」と言われた資料をパソコンに打ち込んでおいた。
叔父さんのパソコンを操作し画面を見せた。
叔父さんは確認し、ニコニコ笑って「助かった」と嬉しそうだ。
それから叔父さんの雑談に付き合わされたが、バイト代と車を貸して貰うから我慢して聞いてた。
「すまん.すまん。話し過ぎた。ほら、バイト代だ。あと車の鍵な」
「ありがとうございます。車、木曜日か金曜日に返します。じゃあ、借りて行きます」
「ん、解った。またバイトしに来い。4月からは働くんだ。少しでも、仕事覚えてくれれば助かる」
「はい。じゃあ、また来ます」
「気を付けろよ」
夏休みの時などで、顔見知りの人に会釈し会社を出た
駐車場に置いてある叔父さんの車に乗り込み、やっとホッと息を吐いた。
「叔父さん、話し長過ぎ~。叔父さんも歳とったって事か」
歳の割にはカッコ良く、自分でも身なりに気を付け仕事もバリバリ熟す叔父さんは俺の憧れでもあった。
だから、叔父さんの元で働きたいと思ったのもあるしバイトしてるうちに仕事にも興味が出てきたのも本当だ。
4月から、ここで働くんだなぁ~。
社会人になったら、今までの学生気分では居られないって事をしみじみ感じた。
だからこそ、今度のクリスマスと今年いっぱいで、バイトを辞めるって約束してくれた和樹と名一杯残りの学生生活を楽しもうと思った。
「さて、思ったより時間掛かったし部屋に帰るか」
車を発進させ自分のアパートへ走らせた。
車を走らせながら、明日からの予定を考えてた。
和樹、明日何時に来るかなぁ~?
部屋に着いたらLineしてみよう。
昼過ぎにこっち出て、ドイツ村には渋滞も考えて夕方には着きたい。
閉園までゆっくり過ごして、帰りはどこかに泊まっても良いな。
どこも空いて無ければラブホでも良いし。
25日は昼頃に着くだろうし、部屋でゆっくり過ごして夜にプレゼント渡そうかな。
それともプレゼント持ってって、ドイツ村のイルミネ-ション見ながら渡すのもロマンチックか。
和樹なら、そっちの方が感激しそうだな。
うん、そうしよう。
明日からの事を考えたらワクワク…してきた。
楽しみだ♪
部屋近くのパ-キングに車を置いて、強くなった雨の中を自分の部屋に向かい走った。
思ったより早く着いたなぁ~。
途中の渋滞もあり、もっと遅くなると思ったが…。
確か、和樹。バイトは休みって言ってたよな。
午後からちょっと用事あるって言ってたけど、部屋着いたらLineして、今日の夜でも来れるなら来いって連絡してみるか。
明日まで待つ事もねえ~し。
アパート前で見上げると、2階の俺の部屋の前に人影が見えた。
和樹?
用事終わって、そのまま来たのか?
部屋に入って待ってれば良いのに?
合鍵を忘れたのか?
和樹も2人で過ごすクリスマスを待ち切れないと早く来たのか?
可愛い~な。
和樹が待ってると思い、急いでアパートの階段を駆け上がった。
「か……莉久?」
和樹と言おうとして、スマホから顔を上げたのは莉久だった。
はあ?何で、莉久がここに居るんだ?
部屋に入る為にも、部屋の前に居る莉久に近づいた。
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