「煌君は、大丈夫でしたか？」 「ああ、叔父さん達は大喜びで煌が来るのを今か.今かと朝から待ってたらしい。今日は水族館に連れて行くって言ってたな。それを聞いて煌も喜んでた」 「煌君は動物とか生き物が大好きですよね。あとはアンパンマンも」 「子供って、そんなもんだ」 「本郷さんも煌君位の時は、やっぱり生き物やアンパンマンに興味あったんですか？」 「忘れた。 でも、記憶あるのは仮面ライダーとかウルトラマンとか、後は……車かな？」 「本郷さんの子供の頃って想像つかなかったけど、結構、普通なんで安心しました」 「おい.おい。俺にだって子供時代はあるって」 クスクスクス…… 「そうですよね~」 煌を叔父さん夫婦に預けて、目的地の大きな複合商業施設のある最寄り駅で待合せし、世間話しながら複合商業施設まで歩いてた。 今なら聞ける…か⁉︎ この世間話の流れで聞こうと思ったが、森本の方が先に話し出した。 「煌君のクリスマスプレゼントの件ですが、この間煌君にさり気なく聞いて、動物図鑑かアンパンマンのDVDが欲しいなって言ってたとお話したじゃないですか？どっちを買うつもりですか？」 「あ~大した金額じゃないから両方買うかな」 「それは……止めた方が良いですよ？どっちか1つの方が大切にします。もし本郷さんがもっと買ってあげたいとか思うんでしたら……煌君が欲しい物を1つと後は本郷さんが煌君にプレゼントしたい物を1つにしては？」 「どう言う事だ？」 「1つは煌君の希望の動物図鑑かDVDのどちらかにして、後はサンタさんからと言う事で、本郷さんが煌君にあげたい物にするんです。煌君のまだ狭い世界に違う物にも興味を持たせて視野を広げさせるのも良いかと」 「そうか、それも良いな。でも、煌の世界を広げさせる物……か。今は、余り興味が無いけどベタに車とか電車か？」 流石、幼稚園の先生になろうとするだけあって、子供の事を考えてると感心した。 「ん~それって、いずれ男の子は興味持ちますよね。僕なら……レゴとか？指先を使うし想像力も鍛えられますし。たくさん買わずに初心者用の物を買って、興味あるようなら少しずつ買って増やしていくって言うのはどうですか？それにレゴなら一緒に出来ますし結構色々作れて楽しいと思いますよ」 レゴか⁉︎ 全然頭に無かったな。 確かに森本の話す通りだ。 指先を使うし想像力も豊かになりそうだ。 「良いな。俺からのプレゼントはレゴにしよう。そしてサンタからは動物図鑑にして枕元に置く事にする‼︎ 森本のお陰で良い案が出た。ありがと。煌も絶対に喜ぶ‼︎」 クスクスクス…… 「何だか、煌君より本郷さんの方がクリスマス楽しみにしてるみたいですね」 「そうかも。煌と森本と3人のクリスマスは楽しそうだ」 俺は本心をこの際少しだけ言ってみた。 森本は驚いた顔をしたが直ぐに破顔し笑った。 この笑顔に癒される。 「じゃあ、先に本屋さんに行きますか？」 「そうだな」 複合商業施設の中にある本屋に向かった。 幼児用の本棚でたくさんある動物図鑑の中から、森本が選び抜いた結構分厚い本にした。 「この動物図鑑は沢山の種類の動物や絶滅危惧種と珍しい動物など載ってますし、特徴や種類別になって見応えあると思います。あまり字が多くても難しく見る気も無くなっちゃうし、写真が多いのも直ぐに飽きちゃいますからね。これ位の方が煌君と一緒に見るのに丁度良いと思いますよ」 成る程な。 今日は森本に勉強させられてるな。 「それにしよう。ついでに森本君も何か欲しい本はないか？」 「僕は大丈夫です」 「そうか。じゃあ、レジで買ってくる」 「あっ、プレゼント用にして貰って下さいね」 「そうだな。了解‼︎」 俺がレジで待ってると、森本は幼児用の本を手に取りパラパラ…見ては、また新しいのを手に取って見てた 勉強熱心なんだな。 プレゼント用にして貰った動物図鑑を紙袋に入れて貰い持ち歩き、次は玩具売場に向かう。 大きな複合商業施設だけあって、玩具売場まで向かう最中も色々な店がある。 「見たい所、見ても良いぞ」 「はい。じゃあ、そこの雑貨屋さん寄って良いですか？」 「ああ」 2人で雑貨屋に入り店内を見て回った。 森本は雑貨を見るのが好きらしく、色々と手に取って見て居た。 俺も仕事柄雑貨も興味が無い訳じゃないし、たまにどんな物があるのか？とリサーチはしている。 その店のセンスやこだわりなどで、店によっては置いてある物も全然違う。 ここの雑貨屋は小物が多く変わった物や独特のセンスの物で、俺はあまり惹かれる商品はなかった。 「何だか、変わってる商品が多いな。これなんか買う奴居るのか？」 俺が良く解らない置物を手に取り話すと 「他の店に無い物とか1点物とか結構そう言うの好きな人居ますよ。あとは集客で引き寄せる為にお店に置いてるとか？」 森本に言わせると新しい発見があってワクワクして面白いと言う事らしい。 それから手頃な値段でカジュアルな洋服が多くある店に入り見て回り、あとは靴屋にも寄り道した。 広い複合商業施設は歩いて見て回るだけでも1日では足りない程だ。 今度はデートで来たいもんだ。 楽しそうに笑う森本を見て心の中で本音が出た。