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第339話 番外編~嫉妬と幸せ②~
順調に過ごしてた同居の日々。
陽向を取り合うような煌との毎日の日々にいつも笑い楽しく過ごし、煌が寝静まった夜はやっと俺が陽向を独占できる時間だ。
そんな時間が1日の中で1番癒された。
そんな日々を過ごし、同居して数ヶ月後のある日にそれは起こった。
その日の昼に陽向からLINEがあり
“今日、専門の友達に誘われて、ご飯食べて来ます煌君のお迎えお願いできますか?”
朝、家を出る前にはそんな事は一言も言って無かったと思ったが、友達に急に誘われたんだなっと学生には良くある事だし陽向は極力誘われても断ってたのは知ってたから、偶には友達と過ごす時間もあって良いと思った。
“了解‼︎ 煌の迎えには、俺が行くから大丈夫だ。夕飯も適当に食べるか.外食するから気にするな。偶には楽しんで来い”
大人の対応を見せLINEの返事をした。
“ありがとうございます。急に、誘われて断れなくってすみません。じゃあお願いします”
直ぐにLINEが来た。
ま、いつも頑張ってる陽向だからな。
ベビーシッターとしてじゃなく恋人として同居してからには、俺も極力家事や陽向の都合の悪い時(実習などで)は、煌の幼稚園のお迎えも行くようにしお互い協力する事にした。
俺も陽向も都合が悪い時は、エステを数店舗経営してる叔母さんに頼む事もあった。
エステ経営し女社長と言う事もあり、比較的時間に自由が効くからだ。
煌を迎えに行くと、大体は本店の社長室で煌を遊ばせて自分は仕事をしてる。
いざっと言う時は叔母さんに頼るが、なるべく自分達でやれる事は協力すると陽向と話してた。
叔父さんも叔母さんも煌を孫のように可愛いがってくれて助かるし嬉しいが……甘やかし過ぎるのも困る。
良し! 煌のお迎えに行かなきゃな。
陽向じゃないと煌は寂しそうな顔をするからな~本当に、陽向の事が大好きなんだよなぁ~。
煌も陽向にべったりだし、陽向もそんな煌を猫可愛がりしてるし……。
一番のライバルは煌かも知れない。
夕飯を友達と食べて来ると言う陽向は少し帰りが遅くなるかも知れない。
久々の親子2人っきりだ。
良し! 仕事早く終わらせて、煌を迎えに行こう‼︎
そう思い、午後の仕事を捗らせる事にした。
煌の幼稚園にギリギリ間に合いお迎えを無事終えそのままファミレスで食事し、煌からは幼稚園での出来事を聞きながら夕飯を食べた。
そして2人で家に帰り風呂に入り、その後は煌が嵌ってるレゴで2人で遊びながら陽向が帰って来るまで待ってた。
21時近いが、まだ帰って来ない。
何かあったのか?
それとも久し振りに友達と夕飯を食べて盛り上がってるのかも知れない……電話やLINEするのも邪魔だよなぁ~。
あまり友達と遊ぶ事もしない陽向だからなぁ~、偶には…ゆっくりと友達と過ごすのも良いか。
でも、一応連絡入ってないか?スマホを確認した
「……ない…か」
21時前なら、まだ学生には子供の時間だし……。
もう少しで帰って来るだろう。
連絡無かった事に落胆しながらも煌を寝かしつける事にした。
「煌、もう寝る時間だ。片付けて、ねん寝するぞ」
「パパ~、ひな帰って来ないね?」
陽向の事が心配なのか?
それとも寂しいのか?
片付けをしながら俺に聞いてくる。
俺もずっと陽向の事は気になってたが、煌の前では表面上は気にしてないように振る舞ってた。
「友達とご飯食べてくるって言ってたからな。楽しく食べてるんだろ?ま、もう少ししたら帰って来るから大丈夫だ。明日、休みだからって、煌が遅くまで起きてる方が陽向が心配するぞ。朝、起きた時には陽向も居るから」
「うん。僕も友達のたっちゃんやとし君と遊ぶと楽しくなる。ひなも?」
「そうだよ。陽向はあまり友達と遊んだりしないから、今頃は笑って話でもしてるよ。おっ! 上手に片付けたな。えらい! えらい! さてと、煌が寝るまで絵本読むかな?」
「うん! 僕ね~、からすのパン屋さんが良い~」
「良し! からすのパン屋さんだな。じゃあ、それ読もう!」
「うん!」
いつも煌を挟んで3人で寝てるベッドに煌と2人横になり、俺は煌のリクエストに応えてからすのパン屋さんを読み聞かせた。
静かになったなぁ~と思ったら10分も経たずに煌からスースー……寝息が聞こえた。
起こさないように静かにベッドから降り足音を立てないようにし寝室を出た。
「ふう~」
リビングのソファに座り一息つき、スマホを手に取った。
「連絡……ないか」
あと30分位で帰って来るだろう。
TVを点け、インテリア雑誌を見て過ごす。
いつもなら陽向とTVを見たりたわいない話をし笑って過ごす時間だが……俺1人だとTVの声だけ響き何だか寂しい。
陽向が居るか.居ないかで、こんなに違うもんなんだな。
いつもにこにこ笑って、そこに居るのが当たり前だと思ってた。
改めて、俺にとって陽向の存在が大きいと思い知った。
時計を見ないようにしようとしても、ついつい気がつくと時計を見てしまう。
まだか?まだか?と待ってると時間が遅く感じる
22時を過ぎても連絡も無いし帰っても来ない。
こっちから連絡するべきか?
でも、友達と盛り上がってるなら…悪いし。
こんな遅くなる事は、同居して以来初めてだ。
今までも多くはないが、友達とご飯食べて来る事もあったが、煌が寝る時間には帰って来てた。
もしかして……帰る途中で事故?具合悪くなったとか?心配になりTVのニュースを見たりスマホも確認した。
心配で悪い事を妄想したり玄関の外を見たり部屋の中をウロウロ…してた。
ガチャッ!
鍵が開く音が聞こえ、静かにドアを閉める音も聞こえた。
帰って来た…か。
23時は過ぎてた。
こんなに遅くなるのも珍しいが、無事に帰って来た事に安堵した。
たぶん、久し振りに友達と盛り上がって、ご飯の後にカラオケでも行ったかもな。
自分の学生時代もそうだったしな、学生の時はそんなもんだ。
帰って来た事に安堵し散々心配してた俺はそんな素振りも見せずにTVを見てる振りをして、リビングに入って来た陽向に声を掛けた。
「お帰り~」
「遅くなりました。すみません」
俺の側に寄り頭を下げた。
「……いや、久し振りに友達とご飯食べて盛り上がったんだろ?……偶には良い」
頭を上げた陽向の顔は薄らと赤い。
ソファの所で立ってる陽向の側に行き頭を撫でた……やはり……酒の匂いがする。
それと……酒に混じり、化粧の匂いなのか?香水なのか?……匂う。
友達とご飯じゃなかったのか?
女?……友達って、女友達か?
確かに、幼稚園.保育の専門学校だし、その可能性はある。
聞くべきか?聞かない方が良いのか?……迷う。
「疲れただろ?風呂入って来いよ」
「煌君は?」
「ああ、とっくに寝た」
「そうですか。じゃあ、お風呂入って来ます」
そう言って、陽向用の部屋に行き5分程で浴室に向かう陽向をジッと見てた。
煌の事を聞いたり話す内容や声もしっかりしてると思う、ちょっと顔が赤い位だ。
酒は飲んだが飲み過ぎてはいないようだ。
遅い帰宅…連絡無し……酒……化粧や香水の匂い……女?……浮気(?)
まさか‼︎
浮気はない! ない!
でも……陽向は良く見ると美形だし性格も良い……小柄なのが損をしてるが…見てる奴は良く見てるし……女はあざといからな。
陽向のシャワーを浴びてる音を聞いて…頭の中で色々考えグルグル……妄想してた。
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