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第344話 番外編~嫉妬と幸せ⑦~R18~ <完>
「陽向~、逝くぅ…うう…ぐっ…んぐ」
「んあああ……ああ…ぁ……」
あれから2回めの行為に、半端強引に持ち込んだ
バックで突き上げ激しく穿ち、顔を見て逝きたいと正常位に体勢を変え、何度も陽向の体がガクガク…揺れる程激しいセックスで一緒に逝ったと思ったが……陽向はそのまま意識が飛んだ。
「陽向?…陽向汰、大丈夫か?……飛んだか」
陽向の名前を呼ぶが返事が無い。
自分でも久々に激しくなってしまった。
言葉でも体でも俺の全てで、陽向への愛情を表した……その結果が、意識が無くなる程激しくなった。
少しだけそのままにしておこうと、俺はその間に軽くシャワーを浴び着替え、温かいタオルを持ち陽向の元に向かった。
まだ、意識が無い陽向の体を温めたタオルで拭き始めた。
胸元や脇腹.背中.太腿の内側に、幾つかのキスマークが散らばってた。
俺が付けたんだ‼︎
俺の者だ‼︎
赤い鬱血の跡をなぞり笑みが出た。
最後に、後孔から大量の白濁を掻き出す。
意識はなくとも後孔はヒクヒク…反応してた。
「すっげぇ~、出したな」
掻き出しても掻き出しても出てくる白濁に失笑した。
「良し! これで大丈夫だろう」
拭き終わったタオルを脱衣所の籠に入れ戻ると、陽向が身動きし目を覚ます所だった。
ベットの側に行き、陽向に声を掛けた。
「覚めたか?」
「ん…えっ! 僕…寝てました?」
「いや、寝てたわけじゃない。意識が飛んだって言うか.意識が無くなったって言う方が正しいか⁉︎」
「全然、記憶…ない」
「そりゃそうだろ。ま、覚めたら良いさ。体は綺麗に拭いたが…シャワー浴びたかったら、連れて行くぞ」
自分の腕や腹を触り確認し、頭を横に振った。
「いい。さっぱりしてるし…動きたくない」
「じゃあ、このまま寝るか?」
またまた頭を横に振り
「寝室に行って、眠る」
「このまま寝た方が楽だろ?」
「煌君が明日の朝に目が覚めた時に、側に居たい今日、遅くなっちゃったから、不安になってると思うから」
煌の事を考える陽向の優しさと思いやりに、愛しさが湧き起こる。
そんな陽向の前髪を撫で上げ、額に唇を落とした
チュッ!
「ありがとう。そうだな、煌も心配してた。明日の朝に陽向が隣に居れば煌も喜ぶ。どうせ、明日の午前中はベットから起きられないだろうし、ゆっくりしよう。じゃあ、連れて行くから、俺に捕まれ」
俺の首に腕を回し抱き上げ、煌が寝てる寝室に向かう最中もキスを何度もした。
ぐっすり眠る煌の隣に陽向をそぉっと横にならせ名残惜しいが、俺も煌を挟んで反対側に横になった。
煌を挟んで、俺は向き合うような体勢になり腕を伸ばし煌と陽向を腕枕し、もう片方の手で2人を抱きしめるように腕を伸ばすと陽向も向き合う体勢をとり片方の手で煌を抱きしめ煌の腹の上で俺達の手が交差してた。
「煌君、ぐっすりですね」
「ああ、1度寝たら起きないからな」
「遅くなって、ごめんね。明日は一緒に遊ぼうね」
寝てる煌に話し掛け、まるで陽向の子のようだ。
そう思ってくれる陽向の気持ちが嬉しいのと煌ばっかりと……少し嫉妬する。
やはり……1番のライバルは煌だな‼︎
「陽向~、煌だけじゃあなく、俺にも話し掛けて構ってくれよ~」
少し、拗ねた口調になった。
クスクスクス……
「何が、可笑しい?」
「だって~、煌君に妬きもち焼くなんて~。それにさっき散々たっ君の事は構ったでしょ?」
「陽向の1番は俺‼︎ で、2番が煌! 」
「はい.はい。たっ君が1番で、煌君が2番ね⁉︎ 解ってますよ。愛してるのはたっ君で、大好きなのは煌君です」
「解ってるなら良い‼︎ そうか、俺は愛してるで煌は大好き…か。良いな、それ」
「でしょ⁉︎ 愛情表現としては、それが1番合ってるかなって」
「俺は陽向の事は大好きだし愛してる‼︎ 俺の方が愛情深い」
「そんなの屁理屈~。それに愛情なんて比べるもんじゃないでしょ?」
俺達が言い合いのようなイチャイチャしてると、間に挟まれて寝てた煌が身動(みじろ)いだ。
「ん……ん…」
「「…………」」
俺達は煌を起こしてはいけないと黙り込むと、煌はまたスヤスヤ…眠った。
「はあ~、もう止めましょ。煌君が起きちゃう。話なら、明日も明後日もこれから先たくさんできるんだから、今日はもう遅いから寝ましょう」
「そうだな。おやすみ」
「うん…おやすみなさい。………たっ君……大好き、そして…愛してる」
「俺も愛してる」
お互い目を見つめ話してた、そして陽向は安心するように目を閉じた。
陽向と煌がスヤスヤ…眠る姿を眺め、本当の幸せって、こう言う事なんだろうと感慨深く思った。
陽向が居て煌が居て…そして俺が居る。
以前は、煌が居れば充分だと思ってたが、陽向と出会い愛してしまった今となっては、煌だけでも陽向だけでもだめだ……2人が居て初めて俺の幸せなんだ。
愛してた人も幸せに出来ず辛い想いをさせた俺がこんなに幸せになって……和樹、俺……今…幸せなんだ。
ごめんな。
本当は、和樹本人に謝りたかった。
今の俺は……心から和樹の幸せを願ってる。
たぶん、優しい和樹だから ‘もう良いよ。拓真も幸せになって’ と言うだろうな。
俺の願望かも知れないが……和樹なら。
俺は和樹を幸せに出来なかった分、陽向と一緒に煌の成長を見届け生きて行く。
学生の頃の俺は傲慢で自分勝手で、そんな俺を何とか理解しようとしてくれたのは和樹だけだった
でも、俺がそんな奴だったから、和樹は言いたい事や思ってる事の半分も言えずに耐えて俺の目の前から消えた……それが後悔とトラウマになってた。
でもな、陽向は優しいが言いたい事も思ってる事も正直にはっきり言う奴だ。
だから、この先喧嘩や言い争う事もあるだろう。
でも、俺は陽向がいつも言う ‘何でも言い合える関係’ って、どっちかが我慢したり耐えたりせずお互いが喧嘩してでも思ってる事を話し合って、そして仲直りすれば良いと思ってる。
たぶん陽向も同じ考えだと思う。
そして陽向のにこにこした笑い顔に癒され、煌と陽向を取り合う、そんな賑やかな生活をしていく
もう、俺は大丈夫だ‼︎
2度と間違えを犯したりしない。
陽向を……あんな辛い想いをさせたくない……だから和樹……安心してくれ、そして……俺が初めて本気で人を好きになる事を教えてくれたのは和樹だ……ありがとう。
こんな想いに、やっとなれたのは陽向のお陰だ。
辛い思いをするなら…別れがあるなら…もう2度と愛する人を作らない・資格もないと決めてた俺の心の闇を溶かしてくれたのは陽向だ‼︎
もう1度愛する人ができた…愛してしまった。
陽向のこの顔から、いつも人を幸せにする笑顔が消えないように俺はしていく…守っていく‼︎
愛してる…からな。
諦めてた俺の人生を変えてくれた煌と陽向。
大切な2人をこの先守っていくのは俺の役目だ。
俺は陽向と煌という掛け替えの無い2人ができた幸せに感謝して目を閉じた。
明日の朝、目が覚めたら笑ってる陽向と甘える煌の2人の顔が目の裏に浮かぶ。
こんな日が……こんな幸せが来るとは…な。
2人を離さないと抱きしめ、幸せに浸り眠った。
~ fin ~
------------ 追申 ------------
この数ヶ月後に、叔父さんから聡美が結婚しお腹に子供が居るらしいと聞いた。
俺は心の底から祝福した。
そして聡美の連絡先をスマホから消した。
もし……聡美に何かあって頼って来た時には、守り協力するつもりで残してたが……もう俺には必要は無いだろう。
これからは本当に愛する人とやっと結ばれたんだ……お互い掛け替えの無い人と歩んでいくんだ!
もう会う事も無いだろう。
幸せになれ!
心の底から、聡美の幸せを祈った。
そんな俺に叔父さんは「聡美さんも幸せになったんだ。そろそろお前も良い人を見つけて良いんじゃないか?」と言われた。
俺は黙って笑ってやり過ごした。
本当の親と同じ位に、俺を自分の子供のように思ってる叔父さん達に陽向をその内紹介しようと思った。
驚くと思うが、俺の真剣さが解れば叔父さん達も「お前が幸せなら、それで良い」と言ってくれるはずだ。
世間的には認めて貰う事が出来なくっても、自分の信頼してる人達には認めて欲しい。
そして煌と陽向と3人で、叔父さんの家に遊びに行こう、叔父さん達も陽向の人柄に必ず納得するはずだ。
そんな明るい未来が想像つく。
~ END ~
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