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第346話 番外編~和樹ver.~

「本日から約1カ月だがバイトに来てくれる。皆んな、宜しく頼む」 「じゃあ、2人から簡単に自己紹介して貰うから」 社長である海が朝礼で昨日聞いてたバイトの件を話し、その後に並木さんが背後に居る2人に声を掛けた。 2人は前に進み、俺達の前に佇み自己紹介した。 「今日から1カ月程の短い期間ですが、お世話になります。oo大学情報メディア学部.3年の柏原岳斗(かしわばら.がくと)です。システムエンジニアかプログラマーなどの道を考えてます。宜しくお願いします」 見た目は背が高く眼鏡を掛け少し暗い印象だけど堂々と話す柏原君は今時の子にしてはしっかりしてると思った。 「oo大学情報メディア学部.3年の神谷響(かみや.ひびき)です。将来はwebデザイナーかクリエイターを考えてます。短期間ですが、宜しくお願いします」 にこにこと笑って可愛い印象のある子だった。 神谷君は今時の子っぽくお洒落に気を使い明るい感じだった。 神谷君って、何か親近感が湧くなぁ~。 俺と同じ位の身長で、隣に居る柏原君と並ぶと大人と子供みたいだった。 同じ大学で同じ学部なんだ~。 知り合い?それとも友達なのかも。 そして簡単に並木さんが俺達を紹介して朝礼は終了した。 「並木、後は頼む」 そう言って、海は珍しく社長室に向かった。 並木さんの指示で、2人は今日は書類整理等の雑用から始めた。 神谷君の方が社交的らしく楽しそうに話し掛けてるが、柏原君は口数は少ない方らしく相槌を打ってる感じだったけど、それもいつもの事なのか?神谷君は気にしないで和かに話してる。 オフィスの片隅で仲良く話しながら雑用する姿はやはり学生と言う感じで微笑ましい。 俺も何年か前には、あ~だったのか?と考えたが学生の時の俺よりもしっかりしてると思い ‘頑張らないと‘ と気合いが入った。 今は、凄く会社が忙しい。 パソコン班では大手の会社から通販販売の新規事業を開始するにあたって、ネットショップの開業から販売までの下準備とプログラム作成を依頼された。 ネットショップの内装.商品写真の掲載.商品説明とアピール.広告やSEOやSNS(口コミ).ショッピングカートシステムと支払いまで。 新規参入と言う事でやる事はたくさんある。 (決済システム.受注管理システム.メールシステム.顧客管理システム.商品と在庫システムetc) それを期限までに全て終わらせ依頼された会社に引渡した後にも半年事にメンテナンスをし、うちの会社も利益を得る事になってる。 携帯班でも同社のネットショップを掲載する事と他にも会社独自で新しいアプリを開発をしてる所だった。 数ヶ月前から進めてるが今月末が期限と言う事もあり、今は猫の手も借りたい時期で短期のバイトか派遣を並木さんにお願いしてた。 情報メディア学部と言う2人にはうってつけのバイトだし、会社として大いに助かる。 俺はパソコン班にも携帯班にも属さずに、その時その時に忙しい方に入り、他にも並木さんの補助的な仕事もしてた。 今はパソコン班に入り、沢山の商品の掲載と説明文やアピールポイントなどを入力してる。 これがまた大変で……終わりが見えない。 たぶん2人のうちのどっちかは、俺と一緒にこの作業をする事になるんだろうな。 情報メディア学部の学生か。 俺も先輩として頑張らないと……まだまだここでは下っ端だけど…頼りになる先輩として頑張ろう! 次の日から、パソコン班には柏原君が携帯班には神谷君が配属された。 無口な柏原君と上手くやっていけるか少し不安だった。

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