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第365話 番外編~和樹ver.~

柏原君達のバイト終了から、何事も無くまた平穏な日々が続き2カ月程経った時だった。 海が土曜日の朝に突然「ドライブに行こう!」と言い出した。 いつもなら、ある程度予定は前もって言ってくれるのに?と思ったけど、ドライブも久し振りだし海と出掛けるのも嬉しかったから、俺は直ぐに「良いよ~♪」と返事をし出掛ける準備をした。 パーカーにスキニーパンツの普通の格好の俺に対して、海はスーツを着ていた。 「海、何でスーツ?」 「ドライブはドライブなんだが……ちょっと人と会う約束もしてて」 「別に、俺は構わないよ」 ……そうか! 仕事関係の人と会うついでにドライブ? 直ぐに終わるのかな? 車で待ってれば良いんだろう。 単純にそう思い、仕事のついででもドライブはドライブだ‼︎と、天気の良い日でお出掛け日和にテンションも上がってた。 車に乗り2時間程スマホで音楽流し歌ったり、街の景色を見てたわいのない話しをするのも楽しかった。 天気も良く程良い暖かさに、俺はその内うとうと…し始め、ガクっと頭が下がりハッとし寝ちゃいけないと、また海に話し掛け海の話しに相槌打ってると、またうとうと……した。  「和樹、後3時間ぐらいは掛かる。寝て良いぞ。着いたら起こすから」 海は運転しながら、眠そうな俺を見て笑って頭を撫でてくれた。 「う…ん………ごめ…」 昨日の海とのセックスの疲れと車の心地良い揺れとで殆ど眠りの世界に入って居た。 途中で、昼ご飯を食べて車に乗り暫くすると今度はお腹がいっぱいで、また寝落ちして居た。 「和樹…和樹…そろそろ着くから」 海に言われ目が覚めた時にドライブと言いながら暖かい日差しと車の心地良い揺れで、殆ど寝て居た事に気づき海に申し訳無く思った。 「海……ごめんなさい。俺、殆ど寝てた。隣で寝てたら海も眠くなっちゃうよね。ごめんね」 隣に居るのに1人でのドライブと余り変わらない状況に俺は謝った。 「大丈夫だよ。音楽とかラジオとか聞いてたし、何より可愛い寝顔が見れたしな。それに疲れさせたのは俺だし、少しはゆっくり寝られたか?」 遠回しに、昨夜のセックスの事を言ってる海に昨夜の事を思い出して恥ずかしくなった。 「昨夜の事は関係ないよ。良いお天気と車の揺れで……」 「そうなのか?じゃあ、俺の頑張りが足りなかったかな?もう1回ぐらいは大丈夫だったか?和樹も体力付いたし、これからは遠慮無く頑張っちゃおうかな?」 海は運転しながらニヤニヤ…厭らしく笑う。 昨夜はベットで2回と浴室で1回……3回だよ! 俺はヘロヘロ…で、体を動かすのも億劫で海にベットに運ばれて抱きしめられ海の腕の中で直ぐに疲れ果て眠りに着いた。 それなのに…もう1回されたら……死んじゃう。 「もう1回されたら俺死んじゃうよ~。ただでさえ海は激しいし俺の弱い所をしつこく攻めてさ、何度も ‘逝きたい’ って言っても逝かせてくれなくてもうおかしくなりそうだったし……」 自分で言っててハッとした。 海に乗せられベラベラ……昨夜の事を思い出し、自分の気持ちを話してた……運転してる海をチラッと見ると頬が緩みニヤニヤ……笑いながら運転してた。 「そうか.そうか。おかしくなる程良かったって事か⁉︎ 激しくなるのもしつこくなるのも和樹を気持ち良くさせたい一心だし愛してるからだ」 「海‼︎ 昼から話す事じゃないよ~!」 恥ずかしがって照れる和樹が可愛くついつい揶揄ってしまう……本音も交えてな。 さて、本当に目的地が近い。 気を引き締めて行かないと‼︎ 「和樹、楽しい話しはそろそろ終わりだ。もう、目的地に着くからな。目は覚めてるか?」 目的地? 起きて直ぐに海と話してたから、回りの景色はまだ見てなかった。 キョロキョロ……車窓から見る景色は……。 ………えっ‼︎ 嘘……ここは……。 俺は何度も回りをキョロキョロ…見て、海の顔を見た。 海はキョロキョロ…回りを見てた俺を見てたらしく、目が合うと笑顔を見せた。 ……どう言う事? 海の笑顔は何を意味するのか?解らない。 「海……ここ……」 不安な気持ちと複雑な気持ちが混ざり合い……小さな声しか出なかった。

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