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第36話 バイト(和希)
夏休みも終盤に入った。
拓真が変な行動するキッカケになった日。
俺は、前の日もバイトだったから、その日は、サークルに行かないで、家でレポートの最終確認なんかして、バイトが夕方からだと思い、体を休めながら、ゆっくり過ごしていた。
その日は、俺と武史以外がサークルに来ていたらしい。なんでそうなったかは、知らないが、拓真、中嶋、山瀬、内田の4人が6時過ぎに、バイト先の居酒屋に来た。
「いらっしゃいませ」 ビックリだー。今まで拓真も中嶋も山瀬も来た事ないのに、どうしたんだろう、と思いながら、席に案内する。
「どうしたの?」
「や、サークル後、話ししてたら、和希と武史の働いてる姿が見たいって、3人が言うから、連れて来たー」
「そうなんだ。俺は、見えるけど、武史は、キッチンだから、見えないよ」
「まぁ、武史は、いいんだよ。和希がヘマしてないか心配で、様子観に来ただけだしー」
「全く、子供じゃないんだからなぁー。とりあえず、生でいいの?」
「後で、適当に注文するから、生4つ持って来て」 「OK」
久しぶりの拓真見て、ドキドキした。態度とか変じゃなかったかなぁ。だから、会いたかったけど、会いたくなかったんだ。
生4つ持って行って、料理の注文取って、戻ったら、明日香ちゃんが「和希君の友達?」
「そ、サークルの仲間、内田が連れて来たみたい」
「あの人、カッコイイねー。モテるでしょ?」やっぱ、拓真の事だよなぁ。はぁ、どこ行ってもモテるなぁ。
「うん、すんげぇモテるよー」
「やっぱねー」
「どうせ、俺はモテませんよー、いいんだ、いいんだ。俺は1人、手に職つけて、強く生きていくー」拗ねてみる。
「和希君、拗ねないのー、大丈夫。誰にも、生きている内に、3回モテ期があるんだって」
「ね。 いい子、いい子」って、頭を撫でて慰めてくれた。
「俺、すでに3回使い切ってるかもー」
「早すぎー(笑)」
いつものノリで、話していたのを4人が見ていたのを知らなかった。拓真は、にらむように見ていたのも。
それからは、店も混んで来たので、他の席に呼ばれたり、注文、片付けたりとしながらも、ちょこちょこ、拓真達の席にも、顔だしたりて、忙しく働いていた。
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