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第49話 花火大会

花火大会開催場所は、川沿いの土手から見れる所だった。川の向こうから、打ち上げるらしい。大会としては、中ぐらいの規模、観に来てる人もほどほどでいい感じだ。 7時にアナウンスあり。 ワクワクする。顔に出てたみたいで、 「楽しみって、顔に出てるぞ」(子供みてー) 顔、摩りながら 「マジ?だって、思ったより近いし、どんなのか楽しみー」 「だな。もう始まるぞ」(顔に出てるって言ったら、顔、摩ったりして、素直。可愛い) ドー ー ーン………バーン 始まった。花火を見て、思わず 「綺麗ー」と呟いた。 拓真には、聞こえらしく 「ほんと、綺麗だな」って返ってきて、聞こえたのかって思って、顔見合って、口元が綻んだ。 それからは、2人無言で、花火を見た。時々、変わり花火の時には、なんの形か?当てっこした。最後は、次々、花火が上がって、圧巻だった。終わった時は、拓真に声掛けられるまで、ボーーとしてた。 「ずき…………。おい、和希ってば」 「えっ、なんかあんまり綺麗で、ボーとしてた」 「最後、凄かったしな」 「うん、次から次へと、凄かった。……だから、終わっちゃうと、夏も終わりかと思って、寂しく感じる」 寂しそうだから、頭を撫でながら、 「そうだな………。来年も来よう。そう考えると楽しみになるだろう」 俺は、拓真がそう言ってくれた事に、目を丸くしてた。 「うん。そう思えば来年の楽しみが増えるね」 って、微笑んで答えたが、多分、来年は、拓真は、女の子と来るんだろうと思ったら、胸がチクっとしたが、拓真が嘘でも、そう言ってくれた事が、とても嬉しいかった。 「お腹、空いてる?」 「なんか胸がいっぱいで、あんまり、空いてない」 「じゃあ、屋台でなんか買って、あそこの階段の所で、食べよう」 「たこ焼き食べたい」 「じゃあ、たこ焼きとお好み焼きは、買おうな。綿あめは、いらない?(笑)」 「だ、か、ら、小さい子じゃないってばー(笑)」 「わかった、わかった(笑)。でも、欲しくなったら、言えよ(笑笑)、閉まる前に、買いに行こう」 (和希といると、楽しいなぁ) 俺達は、屋台の方に向かった。

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