50 / 379

第50話 花火大会

屋台をハシゴして、階段の所で、屋台やさんに貰った、新聞紙を広げて座る事にした。 たこ焼き、焼きそば、唐揚げ、ポテト、飲み物と、結構、買った。 「お腹空いてなかったと思ってたのに、屋台見たら、美味しそうに見えて、沢山、買っちゃったーなー」 「これ位は、食べられるよ。冷めない内に、食べよう」 (屋台見てた時、子どもみたいだったなぁ。あっちへこっちへ行って、それ見てたら、こっちまで楽しくなってくるよ) 「じゃあ、たこ焼きー。アッチチ。でも、美味しいー」 拓真がそんな俺を見てたから、拓真も食べたいのかと思って。 「拓真、食べる?ハイ、あ〜ん」 たこ焼きは、1つだけ買ったから、串も1つだけ。だから、何にも考えず出た行動だったが、 拓真は、目を丸くして、ちょっとびっくりした顔したから 「あっ。ごめん。男同士で変だよねー」(ヤバ、なんも考え無しで、やってた-。引かれたかな?あー、俺のばか) 「いや。貰う。ハイ、あ〜ん」(まさか、和希から、あ〜んなんて、マジ嬉しい。他の女がやると目障りで媚びうってる感じだから、絶対断る。けど、和希がやるとなんかナチュラルで可愛いー、天然かー) 1個食べて「美味いな。もう1個頂戴。ハイ、あ〜ん」 「じゃあ、熱いからねー。気をつけて」(拓真、可愛いー。なんかヒナドリに餌あげてる感じ) 焼きそばと唐揚げは、拓真が殆ど食べたが、少し分けて貰ったり、ポテトは、2人で食べた。 今日の花火は、どこが良かったとか変わり花火は、アレは、花だとか星だったとか、川に移った花火も綺麗だったとか話は、尽きなかった。 「そろそろ、帰ろうか?」 「うん。拓真、今日は、ありがとう。凄く楽しかった〜。ホント、ありがとう。夏休みの思い出になったよ」 「俺も、楽しかったから。気にするな。和希、ちゃんと絵日記に今日の事、書いておけよー(笑)」 「もう、小学生の宿題じゃないんだからなぁー」(でも、絶対、今日の事、忘れない。心の絵日記には、書いておこう) ハハハって笑って、拓真は、俺の頭を撫でながら、 「来年も、来ような」って。 「うん、また、来よう」って言って、帰り道を歩いた。 ホントに、楽しかった。夏の思い出になった。

ともだちにシェアしよう!