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第59話 お試し期間?(和希)

温かいぬくもりを感じて、目が覚めた。 あったかいと思ったら、亮介の腕の中だったんだ。あったかいなぁと思い、そういえば、シャワーも浴びず、あのまま寝ちゃったんだ。 今、何時かなぁと時計を見ようと、身動いだら 「ん、和希、目覚めたのか?」 「あっ、ごめん。起こした?時計見ようと思って」時計みたら、6時だった。 「いや。それより体、大丈夫か?そのまま寝たから、体拭いたけど、シャワー浴びる?」 「うん。寝たから楽になってる。ありがとう。体、拭いてくれて。でも、ちょっと、浴びてくるね」ベットから出て、そろりと歩いてみると、多少、フラつくが大丈夫みたいだ。 シャワー浴びて、部屋に戻ると、亮介がベットに座って、なんか考え事をしていた。 「あーさっぱりした。 亮介、どうしたの?」 「和希、ちょっと話があるんだけど……。」 「ん、何?」 言いにくいそうに、真剣な表情で 「和希……。俺、和希とこれっきりってヤダ。 和希、付き合ってる人いる?」 「……。付き合ってる人は、居ない。居るなら、あーゆー店行ってない」 「会ったばかりだけど。和希、可愛いし一緒にいて楽しいしタイプだし、もっと和希の事、知りたいと思ってる。俺達、付き合わないか?」 「ありがとう。……亮介、優しいし楽しいんだけど……俺、好きな人いるんだ。けど、相手、ノンケだし、すんげぇ女の子にもてるし、俺、男だし全然、見込みないんだけどね」 「じゃあ、そんな奴辞めて、俺にしろよ」 「好きな人いるのに、いくら見込み無いからって、亮介と付き合うのズルくない?」 「俺がいいって言ってる。和希は、正直だな。 もっと、賢く生きなきゃ。和希は、ズルい自分が許せない?」 「や、そんな中途半端な気持ちで、亮介と付き合ったら、亮介に悪いと思って………。」 「俺に悪いなんて、考え無くっていい。もし、付き合うのが重いなら、……お試し期間で、付き合わないか?」 「お試し期間って?」 「だって、会ったばかりで、まだお互いの事は、知らないだろう。和希の事を知りたいし会う口実もほしいんだ。お試しでいいから、チャンスくれ」 「友達じゃあ、ダメなの?」 「友達だと絆が弱いし、セックスも出来ない。俺、セフレとかやだし虚しい。俺、大学違うし友達だと自然消滅する。お試しでもいいから、付き合ってるって形が欲しい。な、チャンスくれ。和希、ここで会ったのも、一期一会だぞ。俺に流されろよ……な」 亮介の必死な姿を見て、暫く考えて、 「亮介は、いいの?お試しで、付き合ってもダメかもしれないよ」 「いいか悪いかは、付き合ってみないと分かんねーよ。もしかして、俺が無理って思うかも知んねーし。」にや 「ん……。わかった。期間限定で付き合おう。もし、無理なら、その時点でお互い言う事で」 「わー、マジ。マジ嬉しいー。絶対、好きな奴忘れさせて、俺の事、好きにさせる。お試しでも大事にする」 「亮介、お試し期間って、いつまで?」 「そうだなぁ。今年いっぱい。年末に、このまま、限定無しで付き合うか確認しよう。でも、それまでに、無理って思った時には、年末関係無く言う。で、どう?」 「年末か、じゃあ3カ月位かー。……亮介、これから、お試し期間でも、よろしくね」

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