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第64話(和希)
武史と、今、飲みながら、亮介との経緯、今のお試し期間中である事を話した。だから、夜遊びは、辞める事も。
武史、そんな中途半端な関係、辞めろって言われるかもなぁ。そしたら、どうしよう。
暫く、無言で考えて、武史が口を開いた。
「夜遊びの件は、了解。相手いるのに、そんな事、出来るタイプじゃねーしな。和希は」
やっぱ、俺の性格分かってる。
「うん。俺、器用じゃないから、無理」
「相手いると一途だしな。フリーだと割り切って、見境い無いけどな」あはははって笑いながら、言われる。
「ちょっと、武史、見境い無いなんて、酷くない」冗談だって分かってるが、プクって膨れる
「あー冗談。冗談だよ」はははって笑って、指で、頬を突っつかれた。
「もう。一応、武史には、報告な。……武史、中途半端な事してるって思ってる」
「まぁな。でも、考えよーに寄っては、良かったとも思ってる」
「えっ、武史なら、相手の事を考えて、中途半端は、辞めてどっちかにしろって言われると思ってたのに」
「だな。いつもなら言ってる。和希も分かってて、やってるんだから。だろ」
「マジかー。やっぱ、伊達に長い付き合いじゃ無いな」俺の気持ちバレてると思ってたけど。
「まぁな。いい奴なんだろう?好きに慣れそうか?出来れば、アイツの事は、忘れて、そいつと付き合った方が良い」誰とは、言わないが和希なら分かるだろう。
「一緒に居て楽しい。これから、もっと知って好きになりたいと思ってる。だから、アイツとは、少しずつ距離を置いていくつもり」
「そっか。いい方向だな」片方だけ口角上げてにっと笑う。
「うん。お試しでも、彼氏だから、亮介優先する。武史、寂しくって泣かないでね」ふふふ
「泣くかー。まぁ良かったな。もし、亮介とダメになっても、俺が慰めてやるからな」二ッ。
「そん時は、胸貸してね」ふふ。
「和希………。アイツだけは、辞めて置け」
今までとは、違う雰囲気で、真剣に言われた。
「うん、でも、最初から相手にされてないよ。俺、男だしね」
場の雰囲気を変えようと武史が
「まぁ、上手くいくように、飲もうぜ」って言ってくれたから、それからは、楽しく飲んだ。
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