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第67話 認めた日(拓真)

ぼんやり考えて事してたら、いつの間にか、俺の話になってた。 「拓真は、また、最近、来始めたらよな。いっつも、女の子、取っ替え引っ換えして、羨ましい〜。俺達にも、回してよー」 「はっ。俺は、別に取っ替え引っ換えしてない。勝手に寄ってくるし、俺からは、誘った事ないしな。煩いし、うぜぇ。勝手に持ってけ」 「お前ねー。そんな酷い事言ってると、その内、刺されるぞー」 「マジ、気をつけろよ。お前、キツイから。もっと、優しく言えよなぁ。相手、女の子なんだからさ」 「………。」別に、コイツらに、何言ってもわかんねーだろうから。いいやと思って、無言。 皆んな、俺の事、好き勝手に言ってると、 和希が 「まぁ、確かに、拓真、酷い事言ったりするけど、あんまり、思わせ振りな事言って、相手に勘違いさせるより、ハッキリ無理って言ってあげるのも、優しさじゃないのかな。いい方が問題ありだけど。女の子の扱いっていうか、態度も問題だけど、セフレ持つよりいいんじゃないかな」 和希が珍しく、熱く語ったからか、武史以外は、目を丸くして、驚いた。俺もだ。 「和希の口から、セフレなんて言葉が出るなんて」 「俺は、ショックだー」 「あの可愛い和希ちゃんが」 「お父さんは、そんな子に育てた覚えはない」 って、また、騒ぎだして、盛り上がってたが 俺は、別の意味で、びっくりした。 俺が女に、酷い態度といい方するのは、勘違いさせ無い為、それも一種の優しさだと自分では思ってるからだ。誰も分かってくれる奴は、居ないと思ってた。でも、和希は、ちゃんと分かってくれていた。 すんげぇ、嬉しい。 心の中で喜んで居たら、近くで「和希は、人の悪口は、言わない」とボソっと、俺にだけ聞こえるように、武史が小声で話す。 お前だけが特別じゃないって言いたいのか?分かってるよ。そんな事。 でも、和希だけだ。他の奴らは、俺の外見だけで寄ってくるが、和希だけは内面を見てくれているそんな奴、他に居なかった。 この時、俺の者にしたいと思った。 和希を目で追うのも、触らせたく無いのも、一緒に居たいのも、和希だけだ。 そっか、俺から誰かを誘うのも初めてだった、あの花火大会から、好きだったのかもしれない 俺は、絶対、和希を誰にも渡さない。俺の者にする。俺は、和希が好きだ。 モヤモヤしてた気持ちが、和希が好きだと認めたら、晴々した。

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