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第69話 疑惑(拓真)

また、和希のバイト先に、晩御飯を食べに来るようになった。大学では、2人に慣れないなら、バイト先に行こうと思ったからだ。 ちょこまかと、小動物のように、一生懸命に働いて居るのが、ハムスターか、リスみたいだ。そう言えば、どっちも頬を膨らませるなぁと思ったら、笑ってしまう。くっくっく。 和希に言ったら、頬を膨らませて怒るんだろうなぁと思ったら、また笑えた。 ホント、見てて飽きない。 微妙に避けられて居るんじゃないか?って事も聞きたいが、忙しいそうだから、機会があれば聞こうと思うが、今は、和希の姿を見てるだけで、十分だ。 2人に慣れるチャンスは、いつでもある。 ゆっくり、和希との距離を縮める。絶対、和希を俺の者にすると考えていた。 その時は、和希に男の影がチラつくとは、思ってなかった。 その疑惑のキッカケは、サークルの後だった。 「和希、スマホが鳴ってるぞ」 「ホント?誰だろう?」っと、スマホの画面を見て、話をする為に部室を出て行った。 その時、俺は、ドア付近で荷物を、整理してたから、和希の小さい声が聞こえた。 「亮介?」って。 誰だ。和希の周りに、そんな名前の奴見当たらない。大学以外か? 話が終わったらしく、スマホを持って戻ってきたが 「急に、用事出来たから、先帰る。お先ー」 って言って出て行った。俺は、気になって、直ぐに後を追った。 どこ行くんだ。正門じゃなく、裏門に向かっているからだ。 裏門を出たら、少し先に、車が停まっていて、その車に乗り込んで、シートベルトをした。運転席から、シートベルトを直す為か、和希に覆い被さる。ん、キスか??遠目だから、分からなかったが、運転席の奴が、男だというのは、シルエットでわかった。 和希が男と?? 電話の亮介って奴か? いつの間に? どんな関係だ? さっきのは、キスか? 頭が、色んな疑惑で、パニックになっていた。 2人を乗せた車が、発車するのをボー然と、見送った。 車が走って行った方向を暫くみていた。

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