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第79話 対戦(拓真)
映画が始まって、初めは、平気な振りをしていた、和希もストーリーが進んでいくとホラ-度も増していくので、和希の肩がピクっと動いたり、「ひっ」と声が出始めた。隣に座ってる俺は、暗闇の中で、そんな和希の可愛い姿を見て、微笑んでいた。なんて、可愛い反応するんだろう。
残忍な殺害とかの場面は、目を手で覆っては、また、気になるから、隙間からみたりして、
「あっ」「危ない」とか小さく声が出てるのが可愛い。あー、キスしてぇ。我慢、我慢。
後半の方では、主人公の背後にゾンビが居たり、急に出てきたりする場面が多くなり、無意識に俺の腕を握り締めていたのに、気づかないようだ。俺は、わざとそのままにしていた。
クライマックスのシーンは、怒涛の如く、ゾンビがアッチコッチ出てきて、主人公を襲う場面では、握り締めてる手に力が入っていた。
俺は、我慢出来ず、和希の手を取り恋人繋ぎにし、俺の腿に乗せて、和希の腕を大丈夫という意味で摩ってやる。和希は、画面に夢中。
映画が終わりエンドロ-ルの時も、手は、恋人繋ぎのまま、和希は、ぼんやり画面を観ている
室内の照明が点灯されると、ハッと気づき
和希が「ごめん」って言って、手を離した。
なんだ気づいたのか、残念。もう少し、繋いでいたかったが、「和希、怖かったのか」わざと聞けば、「全然、平気」全く、可愛いなぁ。
映画館を出て、歩きながら、服をみたりスポーツショップに行った。雑貨屋に入って和希は、コップや文房具類を見て、俺も店内を見渡すとリスが頬を膨らませて、向日葵の種を食べてるキ-フォルダ-があった。和希に似てる。
迷わず手に取り、レジに行く。
雑貨屋を出て、ゲ-センでは、カ-レ-ス、卓上ホッケー、対戦格闘ゲームで対戦する。3戦して、2勝した方が勝ち。負けたら晩御飯を奢る事にした。和希は、見た目より負けず嫌いだから
乗ってくる。
カ-レ-スは、俺の勝ち。格闘ゲームは、和希の勝ち。最後のホッケーは、2人共真剣にやって、力が入って何度も飛んでったりしたが、10-8で、俺の勝ち。
「和希、俺の勝ちね-。何、奢って貰おうかな?」
「拓真、もう1回。ねーお願い。」
「仕方ねーな。但し、また、俺が勝ったら、何か考えないとなぁ。まぁ、和希が勝てばいいんだけど、どうする?」ニヤ。
「………。格闘ゲームで、もう一度お願いします」
格闘ゲームで勝ったからな。自信あるやつで
きたな。何となく、さっきので、要領分かったからやるかー。勝ったら、儲けもんだし。
「いいよ」
結果。俺がギリギリ勝った。どっちが勝っても可笑しく無い位、接戦だった。最後、技出すのが、俺が早かったからだ。危なかった。
「拓真、さっきより上手くなってる」ぷくっと膨れるから、指で押して。
「俺って、学習能力有りまくりだから」
「何、それ-」って言って2人で、笑う。
あー楽しい。時間止まらないかなぁ。マジ、ずっと一緒に居たい。
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