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第81話 罪悪感(和希)

2人で、映画を観た日から、拓真は、他の人には 分からないように、誘ってくるようになった。夕飯、CD屋、ゲ-セン、ボ-リングと。 平日は、別に構わないが、金、土は、亮介と会うから、やんわり断っているが「拓真を避けて無い」と言った手前、中々、断り辛く、1〜2回、金曜日も出掛けたりした。 こんな事になるなら、拓真と距離を置こうと考え無きゃ良かった。拓真も避けて無いか確かめてるのかも知れない。 俺自身もヤバイ。 拓真と一緒に居て楽しんでる自分が居る。 大学やサ-クルと共通の話題もあるし、元々 好きな人だから、一緒に居て皆んなには、 見せない色々な一面を見れて嬉しいと思っている。でも、拓真は友達、亮介はお試し期間中だが 付き合っている彼氏だ。 俺は、亮介ときちんと向き合うと決めたんだ。 拓真と楽しい時間を過ごしたりすると、亮介に罪悪感が生まれる。今の状況は、他の人から見たら、2股掛けて居ると思うんだろう、自分でもどうにかしなきゃと思っているが、どうしたらいいか分からない日々が続く。 拓真とのそんな状況の中、今週末、亮介の所に泊まりに行く事になっている。 亮介には、色んな意味で救われている。一緒に居ると亮介の優しさがホントに分かる。俺には 勿体無い人だ、そんな人を2股掛けるような事 良くない。 散々、悩んだ末に、亮介に、今の状況を正直に 話す事にした。それで、亮介が呆れて年末まで待たないで、お試し期間での付き合いも辞めようと言われても、仕方ないと思った。亮介は、全然悪くない、優柔不断な俺が悪い。

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