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第83話 優しさ(和希)

晩御飯を食べて、いつもやってるオンラインゲームを、協力プレイで、ボスを倒すまで、あーだこ-だ言いながらも倒した。 「はぁ。結構手強かったなぁ。あー疲れた」亮介が肩の凝りを解している。 「時間かかった-。目疲れた-」と目を擦る。 「あっ、和希、あんま、目、強く擦ると眼球傷付くからな、今、蒸しタオル持ってくるから、待ってろ」洗面所に行く。 「いいよ。別に」と言ってる間に温めたタオルが、両目を覆った。 「あー、気持ちい-。ありがとう亮介」 こんな事をさり気なくする所も好きだなぁ。 やっぱ、黙ってるのは、良くない。どうするかは、亮介が決める事だから。俺は、亮介に言おうと 「和希、もう大丈夫?」とタオルを目から外し、俺の右目の瞼、左目の瞼と順に、チュッチュと可愛いキスをしてくる。今度は、おでこ。 あー、このまま流されちゃったら、話せなくなると思って。 「亮介、待って。話がある」その間も、チュッ チュッとしながら「何?なんか、恐いなぁ」 「きちんと話したいから」と言ったら。ようやっと、キスを辞めてくれた。 「分かった。何?」 俺は、亮介と向き合う為、拓真と距離を置こうとした事、それが原因で、拓真から逆に誘われてる事、映画を観に行って「避けてない」って言ってしまったから、今も誘われてる事を順に話した。亮介は、黙って聞いてる。 「亮介、ごめん。お試しでも付き合ってるのに他の人とも誘われて遊びにも行った。"2股"って 責められても何も言えない。ごめん。亮介が嫌なら、お試し辞めてもいい。亮介、決めて」 「………。和希は、辞めたいの?」 「俺は………亮介は、面白いし、一緒に居るとなんか気持ちが楽になるし、楽しい。多分、ホッとする。今も、もっと色々知りたい共思ってるけど、拓真は、大学もサ-クルも友達も一緒だから、切り離せ無いのも現実。それだと、亮介嫌でしょ?亮介に嫌な思いさせたく無い」 「……それは、拓真って奴が切り離せ無いから、俺とは、辞めるって事か?」 「言い方が悪かった。ごめん。違うんだ。俺の中では、拓真は友達、亮介は付き合ってる彼氏と思ってるけど。友達と会うって言っても、亮介、納得出来る?やっぱ、ヤでしょ?今は、亮介の気持ちを優先したいんだ」 「俺の事より、和希の気持ちは?」 「俺は……亮介の事、知れば知るほど、こんな所好きだなぁとか思う事が多くなってきているけど……。まだ、中途半端なんだ、気持ちが。友達以上恋人未満みたいな感じ。だから、もっと知って、好きになりたいと思ってる」 「……和希、はっきり言ってなかったけど、 俺は、和希が好きだ。きちんと恋人になりたいと思ってる。和希の気持ちが、少しずつでも俺に向いてるんなら、まだ、年末まで時間ある。それまでに、好きにさせればいいんだろう。だったら、俺は、和希とこのまま付き合って行きたい」 「でも、拓真の事いいの?やっぱ友達だから、誘われたら遊びにも行くよ?」 「……正直、そいつがどういうつもりか分かんねーけど、和希に言い寄ってるのは、気分良くねー。でも、和希の中では友達と認識してるなら、俺は、何にも言わない。但し、週末は、俺の為に空けといてくれ。大学が違うし、一緒に居る時間が欲しい」 「週末は、亮介の為に、いつも空けてるよ。亮介って本当に優しい。ありがとう」 「そんな事ねぇよ。和希だって、黙ってたら、分かんないのに、正直に言ってくれて、ありがとう。俺、和希のそう言う所、好きだ」 「違うよ。罪悪感があって、亮介と向き合えないと思って。それに、自分が楽になりたいからかも。ごめん」 「謝るな。和希が俺とちゃんと向き合うとする気持ちが嬉しいんだ」 今の正直な気持ちを伝えた。 改めて、亮介の優しさを知った。

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