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第97話 イルミネーション①(拓真)
今日は和希とイルミネーションを見に行く日だ
俺はこの日を楽しみにしていた。結局、散々悩んでドイツ村のイルミネーションに決めた。
虹のトンネル、光と音のショ-や広大な土地に散りばめたLEDを見ながら手を繋いで歩くのもいいと思ったからだ。どうせ皆んなイルミネーションを見て他人の事は見てないんだから絶好のチャンスだ。
待ち合わせは3時にした。行きながら途中で電車降りて晩飯食べて、そこでも駅前にはツリ-が大きく飾ってあるからだ。
和希に見せたいと思った。
それから、また電車乗ってドイツ村に行って、開催は8時迄だから5〜6時に着けばゆっくり見られるなって和希を待ちながら今日の予定を立てていた。
考え事していた所に
「拓真、早いね。ごめん。待たせた?」って
和希が声掛けられて振り向いたら、真っ白なダッフルコ-トにブルーのマフラーを巻いた和希が居た。
可愛い。すっげえ似合ってる。マジ可愛い。
真っ白なダッフルコ-トが似合っていて一瞬女の子かと思うだろうな。これなら、手繋いでも誰も男とは思わないだろう。顔が緩む。
「いや、そんな待って無いから。和希、電車に乗って途中で降りて晩飯でいい?降りたり乗ったりで悪いが」今日の予定を言うと
「うん。今日は拓真に任せる」
言う事が可愛い。
「じゃあ、行くか」
電車の中で、和希もイルミネーションを検索していたらしく沢山あってびっくりしたとか
どこも綺麗だったから今日も楽しみとか、俺だけが楽しみにしてた訳じゃ無い事に嬉しくなった。楽しみだって言った顔も可愛いかった。
途中で降りてまだ晩飯には早いとからと言って駅前のツリ-を見た。
3m位のツリ-が白と青に装飾されてて5分置きに赤、ピンク、青とLEDが一色になって色が変わる度にツリ-の雰囲気が変わってとても綺麗だった
「わ-色によって雰囲気が変わって綺麗だねー」って言って目を輝かせて暫く見ていた。
ここは、有名じゃ無いがこんなに喜ぶなら連れて来て良かった。
ツリ-を写メして、折角だからって自撮りしたり他の人に頼んで2人で写メを撮った。
それから、晩飯を食べる所を探しながら、小さいイルミネーションや装飾されてる店を見てその度に写メを撮ったりして晩飯にした。
街がクリスマス仕様になっているから歩いているだけでも楽しかった。
晩飯は結局ファミレスになった。本当はお洒落なレストランで食事したかったが友達同士で食べるなら妥当だと思い、和希が変に警戒して欲しくなかったから。
でも、その方が良かった。
和希がリラックスしてさっき撮った写メを2人で見て話しが盛り上がった。晩飯は残念だが。
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