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第98話 イルミネーション②(拓真)

ドイツ村の中に入った瞬間から別世界に迷い込んだかと思った。和希もそう感じたみたいだ。 「うわ-。凄いね。何処までもキラキラしてて、別世界に入った感じ。なんか夢の世界にいるようだね。すんごい。綺麗」 「本当だな。幻想的だな」和希の見ている瞳の中も反射してキラキラしてた。 「まだ、入口だぞ。広いから散歩がてら歩いて見て周ろう」と言って入口にあるショ-開催時間を確認する。 「入口でこれだけ綺麗ならもっと凄いのかな? えっショ-もあるの?うわ-楽しみ」興奮して子供みたいだ。 「ほら、行くぞ。迷子になるなよ」揶揄うと 「もう、また-子供扱いする。バカな事言って無いで行くよ」先に歩きだした。 広い公園に様々な趣向のイルミネーション。 見る度に「綺麗。キラキラしてる」興奮してはしゃいで、沢山写メも撮った。さり気なく肩に手を回したり顔をワザと近くしたり少しずつスキンシップを多くした。 和希もいつもと違う雰囲気の世界にふわふわしてるから思考が回ってないようだ。 最初は寒かったがかなり見て歩いたから体は、暖かったが、「一休みしよう」と、コ-ヒ-とココアを買ってベンチに座った。 「かなり歩いたね。でも、何処行っても本当綺麗だったね」 「そうだな。ここまでとは思わなかったが。そんなに和希が喜んでくれて俺も嬉しい」 「………。拓真、写メ見よう」 話変えたな。良い雰囲気になるとそうなら無いように話を変えられる。まぁ、まだ時間あるから、ここは乗って置くか。 沢山の写メを見て「こんなに撮ったんだ」って言って暫く写メ見て休憩した。 ショ-の時間になったから見に行くとそこには人がいっぱい居た。 立ち見しながら、光と音のショ-を見ていて綺麗だなぁと思って隣を見たら、真っ直ぐショ-を見ていた和希の顔その横顔がキラキラしてショ-より綺麗だった。 音が凄いから近づいて話さないと聞こえないからそれを良い事にわざと耳元で何度も話しかけた。キスする位に近く話しかける。 ショ-が終わり一斉に歩き出すから和希の手を取って歩き出した。 「拓真、手」って言われたがそのまま黙って手を繋いで歩いた。和希も黙ってる、俺に何も言わなくなった はぁ、やっと手を繋げた。小さい手だなぁと思った。 それからメインの1つでもある虹のトンネルに向けて歩いた。 虹のトンネルには人が沢山いた。トンネルの中は圧巻だった。 和希も「わ-凄い。綺麗」と言ってトンネルの真ん中で2人手を繋いだまま立って居た。グルっと見回して、俺の顔を見て 「拓真、ありがとう。こんな綺麗な所連れて来てくれて」って言われて、もう我慢できなかった。 顔近づけて、和希の唇に軽くチュっとした。 和希は目を見開いてた。 そのまま今度は、後頭部に手を回してやり濃厚なキスをした。 「ん……んん…たく…」軽くまたチュっとして唇を離した。 和希の顔を見て「好きだ。和希が好きなんだ」我慢出来ず言った。 今 言わなきゃいけ無いと何故か突然思った。 多分 クリスマスにはあの男と過ごす事も俺に焦らせる原因になってる。クリスマスを過ぎてから告白しても駄目だと俺は思ったからだ。 それから場所を移動して、キラキラ輝く幻想的な風景を眺ながらベンチに座り、俺は今まで押さえてた想いを和希にぶちまけた。 黙って聞いて居た和希の瞳から涙が出て頬を伝うのを見て綺麗だと思った。

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