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第103話 初詣(和希)

駅から神社までゾロゾロと歩く人並みに一緒に流されて歩く。神社の入口からは人が多かった。拓真が無言で手をこっそり繋いできた、振り解きも出来ずそのままでいた。時間は掛かったがお賽銭箱の前にきて神頼みをした。 一番にお願いしたのは亮介の事。 どうか俺の事は忘れて早く亮介に素敵な人が現れて幸せになりますように 次は拓真の事。 どうか拓真が幸せになりますように。 俺が神頼みを終えて拓真の方を向いたら、拓真がジっと俺の事を見ていた。 初詣を終えて帰る為神社の道歩いていると神社に来て拓真が初めて口を開いた。 「和希、何祈った?」 「……言ったら叶わなくなるから言わない」 手を合わす為に離した手をまた繋がれて 「そんなの迷信だ。自分で叶うように努力すればいいだけだ。……俺は和希が早く俺の者になるように頼んだが神頼みだけじゃなく自分で必ず手に入れる」強い眼差しで言われ 「拓真……」名前を呼んだだけで何も言えなかった。でも心の中ではまだそう思ってくれる事が嬉しかった俺は拓真のちょっと強引だけど自信のある所が好きな所だから。 「和希、明日からバイト休みだろ。今日このまま朝迄やってる喫茶店に行って話をしよう。そして歩いて日の出を一緒に見よう。今年は一緒に年を越して一番に顔を見たいんだ」断られると不安そうな顔で言うから 「うん。分かった。俺も拓真とは話さ無いといけないと思っていたけど勇気が無くってごめん今迄」連絡しなかったことを謝った。 「寒いから喫茶店行こ。話はそれからでいい」と繋いでいた手を握り締めて歩いて行くから俺も引っ張られて付いて行く。 拓真が言ってた喫茶店には俺達と同じように日の出を見る人なのか何人か居た。 拓真は中を見回して奥に座って「温かい飲み物と後なんか食うか。まだ時間はあるからな」ってメニューを渡された。 「拓真は何食べるの?」 「ドリアかグラタンかな、体あったまるし」 俺は決められ無いから「じゃあ両方頼んで半分こしよう」いい案だと思って言ったら「そうするか。……和希。…半分こって言い方可愛いな」て頭撫でられ「子供ぽかった」恥ずかしい。 拓真は店員を呼んで注文した。注文したコ-ヒ-とココア.グラタンとドリアが運ばれて食べ始めながら話をした。 当たり障りの無い話から段々と確信に触れてきた。 「和希……聞くか迷ったけどやっぱ聞く。クリスマスあいつと過ごしたんだろ。やっぱあいつと付き合うのか?俺じゃ無くあいつを選ぶのか?」拓真も会わない間不安があったようだ。 俺も迷ったが拓真の不安と真剣な表情に今の気持ちを正直に話す事にした。

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