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第111話 お互いの想い(和希)

玄関ドアを開けて直ぐに抱きしめられキスされる。 拓真も興奮しているのか始めから濃厚なキスで俺は唇を離した時にはゼイセイと息が上がる。 「はぁはぁ…拓真…はぁはぁ」 「はぁ…和希…まだ玄関だったな…」 部屋に入って直ぐに「……和希…」舌を絡めるようなキスをして何度も角度を変え舌を絡め唇の周りは唾液でいっぱいだった、それを手で拭ってくれ「和希、ベット行こう」手を引っ張られるが俺は動かなかった。 また、手かフェラならと思うと……。 「ん…どうした?」 「………。」 「何だよ、言えよ」 「拓真、……また今日も挿れ無いの?」 「………。」 今度は拓真が黙ってしまった、やっぱりと思うと気持ちが沈む。 「…拓真、やっぱり男には挿れられ無いんだ、あの時は勢いだったんだね。今まで女の子だけだったんだから仕方ないよ、解ってるけど、はっきり言ってほしい。挿れる事は出来ないけどそれ以外は大丈夫?そういうカップルもいるし俺、それでも拓真と付き合っていきたいから」 「和希!」 大きな声で呼ばれ 「違うんだ和希」 「大丈夫、拓真が無理なら別にセックスだけとは思って無いしただはっきり言ってほしいだけ俺は拓真と体も心も1つになりたいけど生理的なものはどうしようもないから」 「和希!待ってくれよ勝手に決めるな。俺も和希に挿れたい最後までしたいんだよ。我慢してるんだ」 「えっ何で?」 「セックスも女とやるより良いかもと思ってる。でも和希以外の男は考えられない。俺、和希も知ってるように女とは本当に性欲処理って感じでやってたから自分からは誘わないが誘われてレベルとウザく無ければ良いか位でやってた、だから和希にはセックスだけと思われたく無かったんだ、暫く何もしないつもりだったのに我慢出来なくって手やフェラで誤魔化してたんだ。俺、和希を大事にしたいから本気を見せたかったんだ」 「拓真…」 「俺にとっては今までセックスは山みたいなもんだったんだ」 意味わかん無い「?」 「登山家が何で山に登るのか聞かれるとそこに山があるからって答えるだろう。それと同じで俺には今までセックスはそこに穴があるからって感じだった。今考えると最低だよな」 「……本当、最低。自己中で我儘で」 「……そこまで言う事無いだろう」 「でも……好き。解り辛い優しさとか一緒にいると楽しい所とか」涙が出る。 「和希、俺も好きだ。セックスも和希として初めて精神的にも気持ちいいと思えた。もう我慢しない。今日は我慢した分やってやってやりまくるからな」俺の涙を拭いて話す。 俺は嬉しくって泣き笑いで「望む所だよ」って言って今度こそ2人でベットに向かう。

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