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第117話 飲み会禁止令(拓真)

バタン! 「先輩達、女に飢えてるんですか?聞こえましたよ」わざとニタニタ顔で話す。 「聞いてたのかよ」 「和希を女代りにしようなんて、可愛い後輩が聞いたら泣きますよ」 「冗談だよ、冗談」 焦る先輩達。 「もし宜しければ他の先輩も合コンしろって煩いんで先輩達も参加しますか?」 顔を見合わせて 「い、いいのか?」 「もちろんです、先輩達のタイプは?」 「俺は可愛い系が良い」 「俺も可愛系」 「解りました。夏休みは忙しいのでまたこちらから連絡しますね」にっこり話すと 「本郷っていい奴だったんだな」 「本郷の合コンならレベル高そうだな」 全然態度違う、今度は媚び売ってくる先輩達に呆れながらも顔に出さず 「ぜひ、先輩達には彼女作って欲しいですから」 和希には今後一切関わらせたく無い。 「じゃ、合コン頼むな」 トイレを出て行く先輩達を見て和希にLINEする。 "和希から抜けろ" "OK" 早く飲み会から抜けて欲しい、もう誰にも触らせたく無いし笑い掛けて欲しく無かった。 俺も時間を潰し中嶋達の席に行き後輩に適当な理由をつけ順番に抜けて行った。 待ち合わせのマックに向かう道で段々とあの先輩達に頭にきていた、そして何も知らない和希にも、和希は悪く無いとは解ってはいるがあんな先輩達と仲良く呑気に飲んでいた事が腹が立つ、少しは危機感を持って欲しい。 そんな事を考えてるとマックに着き中嶋、山瀬の手前普段のままの状態で暫く時間を潰した。 中嶋と山瀬と別れ俺と和希は俺のアパートにいる。 「サ-クルの飲み会結構人来たね」 俺の機嫌が悪いのを知ってか知らずか屈託無い笑顔で話す和希。 「……」 無言になる、今話すと和希に八つ当たりしそうだからだ。 「拓真?飲み過ぎた?」 「いや」 「何か機嫌良く無い?先輩達に嫌な事言われた?」 俺を心配するのは嬉しいが……, 「和希……飲み会とか合コンとか行くの禁止な」 冷静に話したつもりだ。 「えっどうして、合コンは解るけど飲み会は良くない?」 意味わかんないって顔だ。 「俺がいない飲み会もダメ、サ-クルの飲み会もダメ」 「………。」 今度は和希が黙って考えてるようだ。 「和希が他の奴に触られてるの嫌なんだよ、酒の席だと皆んな弾けるから何があるか解らない」 「……拓真が俺を思って言ってくれたのは解った……合コンも飲み会も行かない。でも中嶋や内田.山瀬とかいつものメンツの時は許して」 「……あいつらなら俺もいるし仕方ないから許す」 急に和希が来なくなるのも変だ仕方ない。 俺の軽い嫉妬と束縛から始まり、こうして和希の飲み会禁止令が出された。

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