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第119話 別荘・独占欲(拓真)

別荘のドアを開け車から買い込んだ食材やらを運び自分達の荷物を運ぶとソファにぐったり座った。 「拓真、大丈夫?疲れたでしょ?」 持ってきてくれた缶コーヒーを一気にゴクゴクと飲み干し 「流石に疲れた、少し休憩してから軽く掃除しようぜ。和希も疲れただろう、ほらこっちに来てゆっくりしろ」 手招きすると素直に隣に座って部屋の中をグルっと見渡して 「ログハウス風なんだね。可愛い」 「まあな、年に1〜2回しか使わないから勿体無い」 「ほんと勿体無いね」 「ふあぁ、和希、少し昼寝しようぜ」 和希を上に乗せソファに横になり抱きしめる。 「うわっ、拓真重いよ。休むなら1人の方がゆっくりできるんじゃ無い?」 「いや、この方が安心して休める。少し寝る、和希も寝ろ」 和希を抱きしめたまま限界で目を閉じたら直ぐに眠気がきて意識が遠のいた。 「ん…ふあぁ」 大きく伸びをすると上に乗って寝ていた和希が「わっ、落ちちゃうよぉ」とギュっと抱き着くこれから1週間2人きりなんだと実感が湧いてきた。 「あっ、悪い悪い。あんまり軽いから解らなかった」 揶揄うよう話す。 「どうせ俺はちっちゃいですよぉだ」 プクッと膨れる頬を突っつき 「膨れるなよ。まだこれから伸びるかも知れないだろう」 くっくっくと笑う。 「もう拓真のバカァ、大学3年生にもなって伸びるわけ無いじゃん」 ポカポカ叩いてくる。 「解んねぇだろう。実際、俺、毎年少しずつだけど伸びてるしぃ」 「嘘、拓真もう充分じゃん」 「まあな、でも和希はその位が可愛い。バランス取れてるよ」 「…拓真…慰めると辛くなるぅ」 「はいはい、もうバカな話しは終わり、掃除軽くして夕飯作ろうぜ」 「はいはい、解りました。空気の入れ替えからするね」 「よし、動くか」 2人で手分けして軽く掃除し夕飯にとり掛かった。 「定番のカレーにするね、多めに作って冷蔵庫入れておけばいつでも食べられるから」 「そうだな、俺はサラダ作るって言っても適当にレタスちぎってツナ入れれば終わりだ」 「拓真、楽してるぅ。じゃあ、野菜の皮剥きお願い」 両手を合わせて身長差のせいか上目遣いになってお願いされ 「全く、可愛くお願いされたらダメって言えねぇじゃん」 この顔に弱いんだよなぁ。 俺も和希の指示に従い協力して夕飯を作った。 「カレーめちゃめちゃ美味いじゃん」 夕飯作りから1時間経ってカレーもいい感じに煮込まれていた。 「そう、拓真のサラダも美味しいよ」 「それ美味いとかマズイ関係無いから千切ってツナと混ぜただけ」 「そう、でも美味しいよ」 「明日もカレーでいいな、美味い」 話しながら食べて片付けも2人でやると早く終わってテレビを見ながらビール飲んで笑って和希を揶揄ったり楽しく過ごした。 誰にも邪魔されず俺だけを見て俺の為に色々してくれ和希を独り占めできる。 そうだ、俺は和希を独り占めしたかったんだ改めてそう思った。

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