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第124話 勝負(和希)

「後少し、えい。この必殺技でどうだ」 「そんなんじゃあ効かないって、こっちも行くぞ、ほら」 「くっ、えい。回し蹴り3連発、裏拳でどうだ」 「まだまだ、足払いにかかと落としでどうだ」 「拓真、降参しなよ。波動拳!」 「まだだって、和希こそもうやばいじゃん。昇龍裂破!、大外回し蹴り!」 「ああ、エネルギーが無くなるぅ……負けた」 落ち込む俺に 「まあ、和希。落ち込むな。さて何言う事聞いて貰おうかな?」 ♪♪♪♪鼻歌まで出ている。 俺は3回戦勝負で最初は俺の勝ちで後2戦は拓真が勝った、1勝2敗。 「拓真、お願い。もう1回だけ、ね」 猫撫で声でお願いする。 「…仕方ねぇなあ」 「わぁい、じゃあ次はマリオカ-トで3回戦ね。次は自信ある」 「やる前に和希、俺にキスしろよ、濃厚なやつ。和希のお願い聞いてやったんだから」 ニヤニヤと楽しそうに笑う。 「……解りました。拓真、口開いて」 頬に両手を添え開いた口に俺の舌を入れ拓真の舌と絡ませ巻き付けて何度も絡ませクチュクチュと音がする。 最後にちゅっちゅっとキスし唇を離す。 「やばぁ、和希のキス、エロい」 拓真の言葉を無視して 「これでマリオカ-トね」 次の勝負を催促する。 「はい、はい。和希って案外負けず嫌いだよな」 くっくっくと笑う顔を見て 「これに勝ってパンツを履くんだから」 「和希のお願いはそれか。ま、勝てたらな」 「何?拓真、余裕振っこいてるの、なんかムカつくぅ絶対勝つ」 「はいはい、頑張れぇ。ほら、やるぞ。3回戦勝負な」 「OK」 3・2・1・スタート ブ-ンと勢い良くスタートダッシュを掛けて俺は走り出した。 結局、また1勝2敗で俺は負けてしまった。 「何で、あの時スピンしたんだろう、マジ、悔しい。スピンしなかったら勝てたのに」 最後は僅差で負けたから尚更、悔しい。 悔しがる俺を見て 「ま、運も実力のうちだしぃ」 自慢する拓真に上目遣いで 「拓真君、もう1回ね。お願い」 両手を合わせて頼む。 「だめ、だめ。さっきもお願い聞いただろう。それにお願いの仕方が可愛い過ぎてヤバい」 拓真が自分の下半身を見るのにつられ見ると拓真もパンツ履いてないから反応しているのが解った。 「和希君、何お願いしようかな?」 考えてる拓真に 「変なお願いやだよぉ」 「……そうだなぉ。和希にしか出来ない事して貰おうかな?」 「何?」 嫌な予感しかしないんだけど。 ニヤリと笑ってとんでも無い事を言い出した。

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