「ああっっあああっ」 自分の口から獣じみた声が溢れ出す。 巧の長大なペニスが、まだ充分にはほぐれていない自分の後ろに、唐突に突き立てられていた。 あまりの苦しさに、視界が歪む。 月城は逃れたい一心で、腰を大きく前に突き出した。 「ああんっあー……っ」 自分の楔が、今度は樹の奥深くを抉る。樹は全身を震わせ、まるで溺れかけて縋りつくように、両手でシーツをぎゅーっと手繰り寄せた。 「…っく、どう、だ……っ？ ん？ 颯士」 興奮しきった巧の声が荒々しい息と共に、耳に直接吹き込まれる。 苦しい。痛い。でも……気持ちいい。 ぎちぎちのソコに埋め込まれた熱が小刻みに揺れ始め、浅い位置にある弱点を絶妙な加減で刺激していく。身体の奥からうねるように次々と込み上げてくる激しい快感に、颯士は救いを求めて、樹の両手を上から握り締めた。 「あっあっあん、あ、あぁっん」 「あっはぁ……っあ、あうっああうっ」 後ろで、巧がずっずっと腰を打ちつける度に、自分と樹の身体が、同じリズムを刻みながら揺れていた。 どちらの鳴き声も、もう自分では止められない。甘苦しい淫靡な獣たちの喘ぎが、部屋中に満ちていく。 「ああ、いいぞ、颯士っ。っく。もっと、腰を、使えっ」 巧の声が、珍しく余裕をなくしていた。 はあはあと荒い呼吸を繰り返し、容赦なく自分の身体を貪り続ける。 捩じ込まれた欲望は、今まで感じたことのないほど深い領域を食い散らしていた。狂い悶え、のたうち回りたくなるような恐ろしい快感が、限界を超えて襲いかかってくる。 自分の口からとめどなく溢れる声は、まるでケダモノそのものだ。 巧の激しい動きに煽られて、膨れ上がる自分の熱が、樹を汚し犯していく。前も後ろもキツすぎる刺激に塗れて、もう何をどう感じていいのか分からない。 …ああっ死ぬ死ぬっ助け……っ きつく絡みつき、まるで搾り取ろうとするように淫らに収縮する樹の蜜の壺。 その淫靡な誘惑に狂い乱れ、どんなに腰を振りたくっても、際限なく溜まり続ける熱は吐き出せないのだ。巧がつけたリングが、熱の開放を阻み続けている。膨れ上がる強烈な快感は、もはや拷問と同じだった。 「あっは……っあ、も、イきた」 「まだだっ、もっと狂えっ」 樹の中が、ぎゅっと窄まり、痙攣を起こしたようにわななき始めた。 目の前に赤い火花が散る。下から突き上げられるようにして、身体がぶわっと宙に浮いた気がした。 「……っ」 もう悲鳴すら出せない。 ぐらぐらと視界が回る。 全身の毛穴が一気に開いて、浮遊感が増していく。弓なりに反り返った樹の細い肩が目に入った。月城はそこにがぶりと噛みつき、思いっきり歯をたてた。