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月の腕(かいな)に抱(いだ)かれた星3※
近づく薫の足音を感じながら、月城は樹の後ろから覆いかぶさり、指先を柔らかくほぐれた入り口に突き入れた。3本まとめて挿入しても、樹のそこは待ち焦がれたようにわななきながら、難なく飲み込んでいく。焦らされ続け、入れて欲しくてもうどうしようもないのだ。
浅い位置にある敏感な芽はぷっくり膨れて、指3本で掻き回してやると、樹は発情期の獣のような声で鳴きながら、狂ったように身悶えた。
「欲しい?」
「あっんあん、あ、ほし…あ、っぃれ、あっあっ」
小さな尻を振り立てて、淫らに腰を揺らす。発散できない熱が溜まりに溜まった樹の身体は、火傷しそうに熱かった。
「わかった。楽にしてあげる」
その時、玄関のブザーが鳴った。
月城は悶える樹の耳を咄嗟に両手で塞ぎ、己の切っ先をぐずぐずになったそこに押し当てた。
「あ……っんんんぁ……」
樹は自らお尻を突き出し、ようやく与えられた楔を貪欲に飲み込もうとする。
何度も何度も鳴り続けるブザーの音は、樹の耳には届かない。痺れを切らしたように、今度はドアを乱暴に叩く音が響く。それに気づいた樹が、一瞬動きを止めた。月城は樹の耳から手を離し、少し角度を変えて先端を飲み込ませながら囁いた。
「お兄さんが、来たよ」
「っ」
「君を、助けに来てくれたね」
はっと息を飲み、思わず身体を弛緩させた樹のそこに、ずぶずぶと突き入れていく。
「んっは……っんあぁぁぁ……っ」
樹が仰け反りながら、堪えきれずに大きな鳴き声をあげた。感じきったそこをずずずっと擦りあげられては、今更抗いようがないだろう。
「樹!」
バタンっとドアを乱暴に開けて、薫が飛び込んできたのと同時だった。
月城は、樹の細い腰を掴んで、一気に根元まで突き入れると、足音荒く駆け寄る薫に背を向けたまま、腰を大きく使い始めた。いったん奥まで沈めた熱を、ギリギリまで引き抜き、間髪を入れず、また奥をえぐる。樹は、あうっあうっと溢れる喘ぎを止めることも出来ずに、救いを求めるように手を前に伸ばしながら、哀れに乱れ悶えた。
「樹!ああっくそっ……月城ッ貴様ぁっっっ」
薫の怒号が、背後から降ってくる。構わず腰を使う月城の肩を、大きな腕がむんずと掴んだ。
「やめろ!きさまっよくも、樹をっっ」
ものすごい力で後ろに引っ張られた。月城は抵抗せずに、そのまま身を任せる。樹から引き剥がされ、床に引きずり降ろされた。顔を上げると、血走った目で自分に馬乗りになる薫の、鬼のような形相が見えた。
……さあ、樹くん。君のナイトは来てくれたよ。君はこの後、どうする?
怒りに震える薫の目を、月城は静かに見つめた。
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