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月の腕(かいな)に抱(いだ)かれた星12※

自分を包み込む樹の熱が心地よい。 薫はそのままいったん腰の動きを止めて、樹の小さな身体を抱きすくめた。 倒れたシートを抱え込んで、尻だけ上に掲げた樹を、潰さないように気をつけながら、後ろから身体を密着させる。 間を隔てるガウンと自分の服が邪魔だった。 肌と肌を直に重ねて、もっと樹を感じたい。 薫は不自由な体勢のまま、上着を脱いで、ネクタイをゆるめた。ほとんど引きちぎるようにしてシャツのボタンを外し、前を肌蹴ると、もう1度、樹の背中に身体を重ねてみる。 ……ああ……気持ちいい……。 夜気に晒され一瞬ひんやり感じた樹の肌は、こちらの熱をしっとりと受け止めて、徐々に熱を帯びていく。混じり合う体温の独特の優しさが嬉しい。それは、暗い嫉妬に熱くなり過ぎて拗れた心を、穏やかにときほぐしていく。 薫は樹の耳元に唇を寄せた。 「樹……。動いて、いいか?」 囁く声にぴくんっと震えた樹は、無言でこくこくと頷いた。 いったん身体を起こし、樹の折れそうな腰を両手で鷲掴みにする。樹はもじもじと尻を揺らし、動きやすいように突き出してくれる。 「いくぞ」 薫はゆっくりと腰を使い始めた。まだ浅い場所の秘肉を己の熱でじわじわと擦り、樹がどうしようもなく乱れるポイントを、探っていく。 こそげるようにしながら小刻みに揺らしていくと、樹の背中がきゅっと動いた。 「んっぁああ……っん」 仰け反る樹の口から、仔猫のような甘えた声が溢れ出る。その場所を、切っ先が探り当てたのだ。 「っいい、か?樹、ここ、だな?」 「んあ……っぁ、ああん……っに、さ、ぁうっ」 樹は髪を振り乱して、喘ぎながら首を振った。 薫は、見つけたその場所をゆるゆると刺激し続ける。あうあうと鳴きながら、身をよじる樹の身体は、夜目にもわかるほど薄紅色に染まって、酷くなやましい。 樹の醸し出す艶に煽られて、自分のペニスがドクドクと脈打つのを感じた。 捻れながらきゅうきゅうと締め付ける樹の中は、火傷しそうに熱い。 ……ああ、いい。すごい……っ おそろしく狭いのに、柔らかく包み込み、吸い込むような動きや押し戻すような動きをして、こちらを翻弄する。 薫は余裕を失って、はあはあと荒い息を吐きながら、樹の奥へとぐいぐい突き入れていった。 頭の中が、さっきとは違う熱で沸騰しそうだ。 気持ちよすぎて、内腿が引き攣れた。 込み上げてくる目眩のしそうな悦楽に、突き動かされていく。 薫はぎゅっと目を瞑ると、息を詰め、腰を一気に前に突き出した。 「あぁっあぁぁぁーっ」

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