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袋小路の愛12※

シャツの襟を左右に開いて、首筋に顔を埋める。 乾いた唇で、つーっと肌を撫でてみた。 樹がほ…っと小さく吐息を漏らす。 そのまま唇を滑らせ、なだらかな起伏を辿って胸の尖りに向かう。筋肉もまだついていない樹のそこは、ツンっと小さく突き出した乳首だけが、薄いピンク色でほのかに存在を主張している。 自分のソレとはだいぶ印象の違う綺麗な尖りは、妙にそそられて、誘われている気分になる。 「もう勃ってるぞ、ここが」 唇をそこに寄せて囁き、目だけあげて樹の表情を窺う。樹はきゅっと眉を寄せて自分を見下ろしていた。目が合うと途端に、恥ずかしそうにそっぽを向く。 「舐めるぞ?」 舌を突き出してギリギリまで近づけてみる。 樹はうろうろと視線を泳がせて、こちらの肩をぎゅっと掴み締めた。 「や…だ…に、さん…ダメ……」 「イヤじゃないよな?ここ、感じるだろ?樹は」 薫は舌先を伸ばして、尖端をつんつんっとつついてみた。樹は「ぁ、ぁ」っと掠れた声をあげてピクンピクンと震える。 「可愛いな……樹」 囁く自分の声も掠れている。樹の身体から醸し出される独特の甘い香りは、いっそう強さを増していた。それに煽られて下腹に重い熱が集まってくる。 唇を窄め、ちゅっと吸い付いた。 舌でちろちろと固い蕾の先端を舐る。 「あ……ぁ、や、…ん、ん、」 樹の愛らしい鳴き声が、耳から忍び込んでくる。 ダメだ。腰の辺りがゾクゾクする。 薫は弾力のある小さな突起を舌でねっとりと絡め取り、少し強くちゅっちゅと吸ってみた。 「ぁあん…んぅ…っ」 樹は息を弾ませながら、首を左右に大きく振った。 感じやすい子だ。反応が素直すぎて、もっといじってみたくなる。 薫は、まだ触れてもいないのに同じようにツンっと飛び出してきたもう一方の乳首を、指先できゅっと摘みあげた。 樹の身体がくんっと震え、胸を前に突き出してくる。まるでおねだりのポーズのようだ。 薫は我慢出来なくなってきて、樹の身体をシーツに押し倒した。 はあはあと荒い自分の息遣いに混じって、仔猫が甘えるような樹の鳴き声が部屋に満ちていく。 薫は夢中で彼の尖りを舐め、甘噛みし、吸っていた。薄い肩に纏わりついていたシャツを腕から抜き取り、覆いかぶさって彼の下腹をまさぐる。 探り当てたパンツのホックを外しファスナーをおろすと、少し乱暴にパンツを下着毎ずり下ろす。 手に掠った彼の男の子の象徴は、既に緩く勃ちあがっていた。周りの薄い茂みをさわさわと撫でながら、中央のシンボルにじわりじわりと近づいていく。 「や……ぁ、っあ、や…っ」 樹は両脚をもじもじと擦り合わせながら、さっきより甲高い声をあげた。 嫌だと言っても、もう止められない。 薫は乳首に吸い付いたまま、樹の愛らしい勃起をぎゅっと握り締めた。 「ああ、んっ」 樹の身体がビクンっと大きく跳ねた。急所を握られて、くねらせていた脚の動きがぴたっと止まる。 「ここ、大きくなっちゃったな、樹。にいさんが気持ちよくしてやるよ」 乳首から口を離し顔を見上げると、樹は真っ赤になってこちらを恨めしげに睨んでいた。 「ほら……どうだ?これ、気持ちいいか?」 ゆっくりと握った手を上下に動かしてみる。 樹は細い眉をきつく寄せて、唇をうっすらと開いた。 その表情が、幼いのにせつなげですごく官能的で、不思議な妖しさを醸し出していた。

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