286 / 448
袋小路の愛22※
深く絡み合う舌の感触と、樹の鼻から漏れる愛らしい声に、薫の身体は一気に熱くなった。
嫌がらずに応えてくれる、樹の反応が嬉しい。
この子の全ては、今、自分の腕(かいな)の中にある。
「んくぅ…んぅ、んっふぅ…っ」
しがみつき、夢中で舌をちゅうちゅう吸ってくる樹の、折れそうに細い腰を両手で掴んだ。
ぐいっと引き寄せると、自分の腹に樹の既に勃ちあがってきたペニスがあたる。
キスで堪らなくなってくれているのだ。
嬉しくなって、薫は手を滑らせ、小さな尻の丸みをなぞった。
少年らしく肉の薄い、だが滑らかな質感の肌。
まだ幼さの残る柔らかい丸みを、両手でぎゅっと掴み締める。
樹が大きく喘いで、仰け反った。
口づけがほどけて、白い首筋が目の前で綺麗な弧を描く。
あどけなさの殻を破って官能を纏い始めた樹の、その白い首に、薫はむしゃぶりついた。
妖しい甘い香りが強くなる。
その柔らかい首に、歯を立てたい衝動を必死に堪えて、薫は優しく舌を這わせた。
「んっ、……ぁ、あぁ……っ」
掠れた樹の声は、甘い艶を帯びている。
掴んだ尻の肉を指でぐにぐにしながら、樹の雄の証を自分の腹に押し付けた。
小さな切っ先はぐんと硬度を増して、腹の間で身悶えていた。
「ああ…っんぅっ、あ、あ、」
樹が髪を振り乱しながら、大きく首を横に振る。
薄目を開けてみると、月光を浴びた柔らかい髪の毛が、自ら光を放っているように見える。
……樹…っ
なんて妖しい生き物だろう。
なんて愛らしくて美しいのだろう。
仰け反り過ぎて後ろに倒れそうな樹を、ぐいっと抱き締める。目が合った小さな獣は、塗れた瞳からとろりとした色気を放って、こちらの視線を釘付けにする。
キスだけじゃ、足りない。
触れるだけでは、もどかしい。
この子の全てが今すぐ欲しい。
薫は大きく息を吐き出すと
「樹……抱いても、いいか?」
樹は少しだけ首を傾げ、唇を薄く開けた。
「抱いて……にいさん」
吐息混じりのその答えに誘われて、下腹にじわっと熱が溜まる。
薫は樹からいったん離れて、浴槽脇にあるラックに手を伸ばした。
「ああん…っあ、んあん…あぁん」
指を蠢かす度に、樹はせつなく鳴きながら尻を揺らす。小さなその狭間はヒクヒクと収縮しながら、こちらの指を既に3本飲み込んでいた。ぐちゅぐちゅといやらしい水音が、波音も届かない静かなこの空間に響く。
「どう、だ?樹、気持ち、いいか?」
「ぁ、ぁあっ、んぅ…っあ」
星空の広がる方に顔を向けて、浴槽の縁を両手で掴んだ樹の後ろから、覆いかぶさって耳元に囁く。樹は絶え入るような鳴き声をあげて、身を捩った。
指をバラバラに動かしながら内壁を擦り上げ、もう一方の手で樹のペニスの根元をきゅっと握る。
「ああん、あー…っ、や、や、あぁ…っ」
樹の声にせつなさが増していく。
ともだちにシェアしよう!