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月の想い・星の願い14※

樹の身体は驚くほど変わった。もともとほっそりとした綺麗な身体だったが、巧に開発されて、ものすごくエロティックになった。 白い滑らかな肌は、感じれば感じるほど桜色に染まって、妖しい色香を撒き散らす。まだ幼かった薄い色の乳首も、色づいてぷっくり膨らんで存在を主張してる。表情も腰つきも、もはや少年のそれではなく、一目見ただけで男の劣情を煽る、艶っぽさを纏い始めていた。 さっきドライでイった後、樹は堰を切ったように鳴き喘ぎ始めた。閉じられない口から唾液を零しながら、腰を妖しくくねらせ、切なげに身悶え続けている。最初のうちは頻繁に使っていた媚薬も、最近はほとんど必要なくなった。そんなもの使わなくても、ちょっと嬲ってあげるだけで、簡単にスイッチがオンになる。 巧は、もともとおまえにはこういう素質があるんだと、樹に何回も呪文のように言い聞かせているが、思春期の初めにこれだけ念入りに調教されたら、よほどの不感症でもない限り、こうなってしまっても仕方ないのだ。 (……かつての自分がそうだったように……) 月城は感情のこもらない目で、樹を見下ろした。 2つの相反する想いが、心の中でせめぎ合う。 汚い大人の欲望に穢されていく美しいこの少年を、救い出したいという想いと、もっともっと汚れて、自分と同じ所まで堕ちて来て欲しいという想いと。 月城は顔を歪めて手で覆った。 (……僕は最低の卑怯者だ。自分の想いが伝わらないのは、この子のせいじゃない。この子が悪いわけじゃない。だけど……) 月城はのろのろと顔をあげ、鳴き呻く樹の身体の中で暴れているローターのスイッチを切る。 「……っぁ……ん……ぅ」 樹の身体の痙攣が止まった。唐突に刺激を失い、もどかしそうにシーツの上で身をくねらせている。 月城は樹の上に覆いかぶさり、泣き濡れて虚ろに見開いた大きな瞳をじっと見つめた。 「樹くん……気持ちいい?」 「……っ……んは……ぁ」 はぁはぁと忙しなく息をする樹の唇を、そっと舌でつつくと、樹は条件反射のように舌をちろっと出してきた。 「……君って悪い子だね」 樹の小さな舌をちゅっと吸い、そのまま深く口付けた。

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