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月無夜4※

もう一度ベッドに連れて行ってもらって、樹は横になって目を閉じた。睡魔はすぐに訪れて、穏やかな夢の世界に堕ちていった。 布団を捲り、ほっそりとした身体を見下ろす巧の口元が、妖しく歪む。 (……それにしても綺麗な子だ) 兄に樹の写真を見せられた時から気に入ってはいたが、実際に会ってみて、ぞくぞくするほど興奮した。 (……この子を自分のものにしたいな) 出来ればそのまま、自分のマンションに、連れて帰りたいぐらいだった。 沸き起こる強烈な欲求を押し殺し、巧は樹を自分のものにする為の計画を密かに練った。 まずは、不自然にならない程度に兄の家に通って、樹本人とある程度、親しくなる。更にじっくりと時間をかけて、兄や樹の母親の信頼を得て、樹本人も懐かせる。 兄や樹の母親を手なずけるのは、それほど難しいことではなかった。 大学の助教授などというお堅い肩書きのお陰で、兄は自分の弟のろくでもない本性になど、まったく気付いていないらしい。樹の母親も同様だ。2人ともすっかり安心しきって、1番任せてはいけない相手に、息子を好きにさせている。まあ、当の本人の自分が言うことではないが。 樹が事故のことで家族に心を閉ざしている状態も、自分には好都合だった。一見、事故とはまったく関係のなさそうな、簡単な心理テストを繰り返しやらせているが、あれは樹の自責の念をわざと刺激する内容になっている。カウンセリングや家庭教師と称して、自分が樹に本当は何を教えているのか、もし彼らが真実を知ったら……。 巧はくくっと喉を鳴らして笑うと、手を伸ばして樹の頬に触れた。 さっき飲ませた睡眠薬は、しっかり効いているようだ。頬を撫でた指を下に滑らせ、首や鎖骨周辺を撫で回しても、樹はピクリともせず熟睡している。 昨夜、睡眠薬を飲み物に仕込んで、ぐっすり眠る樹の身体に触れた。 本人はどうやら何も覚えていないようだが、意識朦朧としながら、自分の悪戯に反応する樹は、恐ろしく愛らしかった。 熱を出したのは、初めて使ってみた催淫剤の影響だろう。次は少し量を加減してやった方がいいだろう。 通いの家政婦は昼食の用意をさせて帰した。 兄は仕事だし、病院に行った母親は夕方まで戻らない。 この愛らしく無防備な生贄に、これから数時間、どんなことを教え込んでやろうかと想像しただけで、ぞくぞくしてくる。 巧は、樹の白いシャツのボタンを、ゆっくりと外していった。 まだ大人になりきれていない、少年と青年の狭間のアンバランスな身体。 色の白い薄い胸板に、ほんのりと桜色の小さな乳首。滑らかな肌はまだ全体的に体毛が薄く、指先で触れると、しっとりと吸い付き触り心地も極上だ。 シャツのボタンを全て外し、上半身を肌蹴させると、巧は屈み込んで、小さな乳首に舌を這わせた。舌で掘り起こすように舐めると、樹の身体はぴくんぴくんと震える。だが目を覚ます気配はなかった。少し突き出てきた尖りを舌で弄り吸い上げる。しばらく弄り続けると、乳首は赤くなり完全に勃ちあがった。 眠りこけて無反応なのはちょっと面白くないが、身体の感度は昨夜よりあがっている。こうしてじっくりと調教を施しておけば、いずれ意識のある状態で悪戯を仕掛けても、樹は己の身体の反応の良さに、戸惑い混乱して、こちらから差し伸べた手に縋り付いてくるだろう。 この可愛い甥っ子は、これから先ずっと自分のものだ。 自分の性癖が歪んでいるという自覚はあるが、心も身体も自分の色に染めて支配するのが、究極の愛情表現なのだから仕方ない。

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