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朧月2※

身体が熱くて堪らない。頭の中まで沸騰しそうだ。 ベッドがぎしぎし揺れている。 薫はいつの間にか真っ裸で、同じく裸の相手を抱き締めていた。 むせ返るような甘い匂い。 滑らかで熱い肌の感触。 柔らかい唇を貪るように吸うと、下腹が痛いほど張り詰めた。目を開けると、極彩色の強烈な光が襲いかかってきて眩暈がする。薫は目をぎゅっと瞑ったまま、触れる肌に舌を這わせ、夢中で唇で吸いあげた。 ふいに下腹で脈打つ自分のペニスが、熱いものに包み込まれた。脳天まで突き抜けるような強烈な快感。 薫は呻いて、下腹にある頭に手を伸ばした。自分のペニスをねっとりと包んでいるのはこいつの口だ。ざらっとした舌でぺろぺろと舐められて、気持ちよくて内股がびくびく痙攣した。 薫の頭の奥で、さっきから警鐘が鳴っている。 だめだ。これはいけないことだ。すぐに止めないと。 だが、強烈な快感の波が次から次へと押し寄せてきて、何も考えられなくなっていく。 (……ああ……気持ちいい。なんだこれ……すごい……っ) 今まで感じたことのない激しい悦楽に、理性も考えようとする気持ちもぐずぐずに溶けていく。 薫は相手の頭を両手で押さえ、自らも腰を振っていた。喉の奥まで突かれて、苦しかったのだろう。ぐぅっと嘔吐いて、相手は口を離した。顔をあげた相手を見ようと、薫は薄目を開けたが、眩しい光が押し寄せてきてよく見えない。 声を掛けようと口を開けたが、出るのは熱い吐息だけだった。 ※※※※※※※ 義父たちが旅行から帰ってくるまで丸2日間、樹は叔父とずっと一緒だった。叔父は樹の身体を離してくれなくて、服を着ることも許してくれなかった。ご飯を食べる時だけ服を着て、1階のダイニングに連れて行かれた。 通いの家政婦さんが帰った後、叔父にまた、服を全部脱がされた。樹はずっと頭の中にもやがかかったままで、叔父にベッドに押し倒されて、裸で抱き締められていた。叔父は樹の身体をあちこち触ったり舐めたりした。樹は気持ち悪いとか嫌だとか、感じたり考えたりする機能が麻痺してしまったみたいで、じっとされるがままになっていた。 知らない間に、樹はうとうとしていた。 次に目が覚めると、樹は手首と足首をそれぞれ赤いバンドと鎖で繋がれてて、両脚を開いた状態で、ベッドに仰向けに転がっていた。 樹が目を開けると、叔父は笑いながら顔を覗き込んできた。 「樹。おまえの可愛い姿をな、ちゃんと動画に残せるように、助手を呼んでやったぞ」 叔父の言葉の意味がよく分からなくて、樹は黙ってぼーっと叔父を見上げていた。叔父はにやっと嫌な笑い方をすると 「月城。こっちに来い」 その言葉に樹ははっとして、叔父の見ている方に顔を向けた。 (……月城さん。え……なんで……?どうして) 叔父に呼ばれてベッドに近づいてきたのは、叔父の研究室の助手をしている人だった。樹が大学に行くと、いつも優しくしてくれた人。樹が退屈そうにしてると、ジュースやお菓子を出してくれたり、宿題を手伝ってくれたりした。 頭の中のもやが一気に吹き飛んだ。 自分は今、裸で、すごくみっともない格好をしているのだ。いろいろなことを感じる機能が急に復活して、樹は開いている脚を閉じようと身を捩った。 「や……っやだ……っこれ、外して……っ」

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