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朧月5※
再び眠ってしまった義兄の横で、樹は床に座り込んで、しばらくぼんやりしていた。
(……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい)
風邪だなんて大嘘だった。自分が義兄に口移しで舐めさせたキャンディ。あれのせいで義兄は、熱出したんだ……と思う。
月城からもらったキャンディ。樹が叔父にどんなことされても、あれを舐めてれば辛くないのだと教えてくれた。訳がわからなくなって気持ち良くなれる、魔法の薬だと。
樹はもう何回も舐めているから、もう熱を出したりはしなくなったが、義兄は初めてだったから、きっと身体がびっくりしてしまったのだ。
自分は悪い子だ。あれがどんな飴なのか知っていて、義兄に舐めさせた。訳がわからなくなって気持ち良くなるなら、義兄は自分が何をしてもきっと分からないと、樹は思ったのだ。
樹は義兄とキスがしたかった。ぎゅっと強く、抱き締めて欲しかった。
(……こんなこと、いけないことだって分かってる。義兄さんにはちゃんと好きな人が……恋人がいて、僕のこんな汚い想いなんか、絶対に叶わない。分かってるけど……僕は今、心と身体がばらばらで、どうにもならなくなっちゃってるんだ。叔父さんにいろんなことされて、僕の心はそれをすごく嫌がってるはずなのに、僕の身体は心を裏切って悦んでばかりいて。叔父さんにしてもらえないと苦しくて仕方ない。身体が熱くてむずむずして、僕は毎日、叔父さんが家に来てくれるのをいらいらしながら待ってる。
先週末、叔父さんと月城さんにいろいろされてから、僕の身体は前よりおかしくなった。きっと……壊れてしまったんだと思う。学校にいても、家に帰っても、お腹の下がじんじん疼いて、こしこしして欲しくて堪らないんだ)
叔父が来ない夜は、部屋に閉じこもって、自分のベッドで独りでしている。でも、自分でこしこしして、ふくらんだ先っぽから白いものが出ても、樹の身体の熱は全然治まらなかった。もっと…誰…かにして欲しくて、お尻も弄って欲しくて、気が狂いそうになるのだ。
樹は一昨日、とうとう我慢出来なくなって、叔父のいる大学に1人で行ってみた。叔父の研究室がある棟でうろうろしていたら、叔父のゼミの学生が樹を見つけて、研究室に連れて行ってくれた。
1人で大学に来た樹を見て、叔父は面白そうな顔をしたが、学生がいる間は、ずっと放っておかれた。部屋の隅でぼんやりしている樹に、月城はオレンジジュースを出してくれて、あの飴を舐めて待っていてと言ったのだ。
学生たちがみんな帰って行くと、叔父は樹を自分のデスクに連れていって
「可愛がって欲しくて、自分から来たのか?淫乱め。ほら、自分で服を脱いで俺を誘ってみろ」
叔父の言い方が酷くて、樹は泣きそうになったが、さっき舐めた飴のせいで、余計に身体中が熱くてむずむずしてどうしようもなくなっていた。樹はもどかしい気持ちで服を全部脱ぐと、どうしていいのか分からずに、机の横に立って震えていた。
「机に両手をついて尻を突き出せ」
樹はのろのろと言われた通りの格好をした。
「はしたない身体だな。もうここが大きくなっているじゃないか」
叔父は、お尻を突き出した樹の前に手を伸ばし、樹のものを指先でつついてゆらゆらさせた。
「……っあぅっ……ぁあん」
(……酷い……。こんなことされて、すっごく悔しい。でも)
樹の身体は悦んでいた。もっとちゃんと触って欲しくて、樹は必死にお尻を揺らした。
「気持ちいいか?樹。もっとして欲しいのか?」
意地悪く笑いながら、叔父に顔を覗き込まれて、樹の目に涙が滲んだ。
「……っさ……触ってよ……もっとぉ……っ」
「どうしようかなぁ。おまえ、抜いてやってもキリがないからな」
叔父はそう言うと、樹のふくらんだものの根元に、赤いバンドを巻きつけた。
「やっやだっそれ……っ」
これをされると、樹はすごく苦しくなる。出したくても出せなくなって、気持ちいいのに苦しくて、気が狂いそうになる。
「可愛がって欲しいなら、俺の言うことをちゃんときけ。颯士。あれを持ってこい」
次に何をされるのかと不安で、樹が身を捩りながら振り返ると、月城の手には、変な形の棒みたいなものが握られていた。
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