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月の想い・星の願い8※

トイレの洗面台の前で、樹は滲んできた涙を指で拭った。 (……兄さんの馬鹿。鈍感。もうヤダ。帰りたい……) 八つ当たりだと分かっていたって、辛いものは辛い。義兄には悪気はないのだ。でもだから余計に残酷なんだと思う。 食事中、薫と冴香は、夏休みに山形の冴香の実家に旅行に行く計画について話していた。 カノジョの親に、義兄が会いに行く。それはつまり、親公認のお付き合い、ってヤツだろう。だからきっと、薫が大学を卒業して仕事を始めたら、いつか2人は結婚……するということなのだ。 さっき薫は、樹にカノジョが出来たら紹介しろ、なんて言った。そんなこと……出来るはずがない。 (……僕にカノジョなんて、出来るわけないんだ。叔父さんが言ってた。僕はもう、叔父さんのオンナになったんだって。叔父さんにエロいことされて、僕の身体はいつも悦んでる。叔父さんのグロテスクな大きいのをお尻に入れられると、僕は気持ちよくてたまらなくなる。 そういう女の子みたいな身体になっちゃってるから、今さら僕にカノジョなんか出来ないって。そんな女みたいなヤツが、本当の女の子に好きになってもらえるはずないって) 自分はどうしてこんな身体になってしまったのだろう。叔父は、樹の身体は元々インランで、素質があったのだと嘲笑う。どうせオンナになるのなら、樹は薫のオンナになりたかった。叔父にされること全部、薫にしてもらえたら……。 そしたらどんなに幸せだろう。 (……あ……) お腹の下がムズムズしてきた。熱くなってきて、多分、大きくなっている。義兄にエロいことをされるのを想像してしまったからだ。 (……サイテーだ……) 樹はぐすっと鼻をすすると、急いで奥の個室に飛び込んだ。ジーンズのホックを外してチャックを降ろす。トランクスもおろすと、おっきくなったものが、ふるんと飛び出した。樹は思わずぶるっとして、右手でそれをぎゅっと握った。 「……ぅ……く……ぅん……っ」 目を瞑って、義兄の手の感触を想像してみる。 (……今、僕のものを握ってるのは、義兄さんの優しい手。あったかくて気持ちいい……) 樹は根元の方を握り締めて、ゆっくりと上下に扱き始めた。 薬で朦朧としていた薫に、樹は何度もキスをした。薫のものが、だんだん熱く大きくなっていって、樹はそれを手でこしこししたり、舌で舐めたり咥えたりした。 薫は男らしい眉をきゅっと寄せて、熱っぽい吐息を漏らした。 (……僕が義兄さんを気持ちよくしてあげられてるんだ……) そう思うだけで、樹もすごく興奮して、幸せだった。 「……んぅ……」 (……義兄さんの大きな手が、僕のものを包む込んで、ゆっくりゆっくり動く。……あぁ……気持ちいいよ……) 樹は左手で、Tシャツの上から自分の乳首を触ってみた。少し固くなってぷつっとしてる粒を、指で撫でてみると、甘い痺れが湧いてきて、身体がぴくぴく震える。

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