144 / 448
恋の予感6※
「……ん……っんぅ……ぁ……」
白い滑らかな肌に散らばる桜色の刻印。薫は夢中で唇を這わせた。吸い付く度に、ぴくっぴくっと震えて喘ぐ、相手の可愛い反応に、どんどん興奮を煽られていた。
(……甘い香り……?むせかえるような。なんだ……これは……?)
頭の奥をかき回されてるような狂おしさ。しっとりとした肌に食らいつく度に、眩暈がしそうな欲情が沸き起こる。
薫は顔をあげて、自分が組み敷いている相手の顔を確認した。
間違いない。
これは俺の大切な、愛しい恋人だ。
「これ、気持ちいいか?」
ぷくっとふくらんだ桃色の果実を舌先でつついて、ちゅっと口に含んで転がしてから、薫は可愛い恋人に問いかけてみた。余裕があるフリはしていたが、自分の声が欲情に上擦って、掠れているのが分かる。
「……ん……ぃい……」
「もっと、舐めて欲しいか?」
「……ぁ……ほしぃ……」
(……ああ……可愛いな……)
薫はおねだりされるままに、また小さな突起を口に含んで、舌で転がし始めた。下から掘り起こしたり、歯を軽くあてて甘噛みすると、可愛い恋人はくぅくぅ甘えながら身をよじる。
ちゃんと感じさせてやれている。そう思うことで、自分の気持ちも更に煽られていった。
出逢ったばかりの頃は、まだ少女めいた幼い顔つきだったが、最近はだいぶ大人びてきて、ますます美しくなった。こういう行為をしている時は余計に、普段とはまったく違う妖しい色香を纏っていて、ちょっと怖いくらいに綺麗なのだ。
薫は口で乳首を可愛がりながら、そろそろと下の方に手を伸ばした。相手は擽ったそうに身を捩りながら、手を止めようともがく。こいつは敏感だから、乳首への愛撫だけで、もう下も反応しているはずだ。
「こら。抵抗するなよ。こっちもちゃんと触らせろ」
「……や……だめ……」
「ダメじゃないだろう? ここ、もうこんなになってる」
薫は恋人の手を掴んでぐいっと下に持っていくと、下着の上から自分のものを握らせた。
「……っあ……やぁ……っ」
自分のものに触れたその手を上からぎゅっと握り締めると、恋人は切なげに喘いで、身体をびくつかせる。薫は伸び上がって顔を覗き込んだ。
「いやらしいな。まだキスして胸を弄っただけだぞ?」
恋人は身体も顔もほんのりピンク色に染めて、ぷいっとそっぽを向いた。
「……ぃじ……わる……」
「意地悪なんかしてないだろう。可愛がってるだけだ」
薫は笑いながらそう言うと、つんと突き出た胸の先端に、ちゅっとキスをしてから、手を動かしてみた。下着の上からでも完全に勃ちあがっているのが分かるものを、無理矢理自分の手で擦らせてみる。
「……っんぁ……っや」
恋人は猫が鳴くような声をあげて、身をくねらせた。
「このまま、自分でしてみるか?」
薫はいったん手を離して、相手の下着をずり下ろす。ぷるんという感じで、完勃ちしたものがむき出しになった。息を飲み、恥ずかしがって慌てて隠そうとする彼の手を、ぐいっと掴んでシーツに縫い付ける。
「なあ、樹。俺に見られながら自分でするのと、舐められるの、どっちがいい?」
薫の意地の悪い問いかけに、樹はおずおずと赤い顔をこちらに向けて、恨めしそうな目で睨みつけた。
「……」
「そんな顔するなよ。美人が台無しだろ。ほら、正直に言ってごらん。どっちがいい?」
樹はますます眉を寄せて、口を尖らせて無言で見ていたが、薫が促すようにちょっとだけ樹のものに触れると、きゅっと目を閉じて
「……っ。な……舐め……て」
消え入りそうな声でそう言って、またぷいっとそっぽを向いた。
「そうか。舐めて欲しいか」
樹はこくっと頷いて、もじもじと脚を擦り合わせる。昂ったまま放置されて、焦れているのだろう。これ以上いじめると、おそらく本格的に拗ねる。
薫はふっと笑って、樹のものをやんわりと握り、顔を近づけた。
ともだちにシェアしよう!