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恋の予感7※
狭いベッドで薫とくっついて寝たおかげで、樹は変な夢を見ていた。
これは夢だと分かっているのに、薫の声が指が優しくて、樹はとても幸せな気持ちだった。
薫とのキス。……気持ちいい。樹はもっともっとして欲しくて、必死にしがみつきながら、薫の熱い舌をちゅうちゅう吸った。
薫は口だけじゃなく、顔中にいっぱいキスしてくれた。おでこや、まぶた、鼻やほっぺ。それから耳たぶや首筋、そして肩や胸。薫の唇が触れると、そこが火がついたみたいにぽっと熱くなって、樹はぞくぞくするような気持ちよさに、変な声が止められない。
(……ダメだよ。だめ……っ。そんなことされたら、僕のあそこ、またむずむずしてきて……)
夢の中で、樹は最初すごく焦っていたが、薫は全然気にしていないみたいで、樹の大きくなってしまったあそこを優しく撫でてくれた。
(……そっか……。これは夢だから、僕が変になってても、義兄さんに軽蔑されたりしないんだ)
樹はほっとして、身体の力を抜いた。夢の中なら薫と何をしても大丈夫だ。
薫の大きな指が、自分のものに絡みつく。叔父にされている時と違って、すごく気持ちいい。触り方も優しくて、ちょっともどかしいぐらいだ。
(……あ……もっと……こしこしして欲しい)
樹はちょっと大胆になって、薫の手を掴んで、腰をくねらせた。
「……なんだ? 樹。おねだりか?」
薫はふっと笑って、顔を覗き込むと、ぎゅっと握って、ゆっくり擦りあげてくれた。
「……んぁっ……ぁあん」
「可愛いな、樹。おまえのここ、もうこんなに硬くなってる。こうされるともっと気持ちいいんだろう?」
薫は囁きながら手の動きを強くした。
「あっぁんっや、も、出ちゃ」
「ダメだよ。まだだ。我慢してろよ」
薫はそう言って、硬くなったものの根本をぎゅっと握ると、胸に顔を埋めて突起をぺろぺろ舐め始めた。
(……あぁ……っきもち、いぃっ。やっだめっ)
もう出したくて仕方ないのに、薫は許してくれない。身体の奥からむずむずがどんどん沸き起こってきて、頭の中が、真っ白になってしまう。
「ああんっんぁ……っあ」
「樹の身体はいやらしいな。何されても気持ちよくて堪らないんだろう?」
薫は乳首をちゅうっと強く吸うと、歯で挟んできゅっと引っ張った。痛いような痒いような感じと、ぞくぞくするような気持ちよさに、樹は鳴きながら首を振った。
「樹。次は何して欲しい? ちゃんと言えたらしてやるぞ」
優しいけどちょっと意地悪な薫の声。同じことを叔父に言われると、すごく哀しくなるけど、薫に言われると、恥ずかしいけどどんどん興奮してしまう。
「……んふぅ……ぁ……な……舐めて?」
「ふうん。舐めるってどこをだ?」
樹が腰を揺らしながら必死でおねだりすると、薫は分かっているくせにわざと聞いてきた。
「や……だ……ぁ」
「ちゃんと言えよ、樹。言わないと、いつまでもお預けだぞ」
(……義兄さんのいじわる……)
樹は半分拗ねながら、でもして欲しくて堪らなくて、とうとう観念した。
「ここぉ……舐めて。ちゅうちゅう、吸って」
半分やけくそで、薫に握られているあそこを指差すと、薫はくすくす笑いながら
「いい子だな、樹。ちゃんと言えたからご褒美だ」
そう言ってにっこり微笑むと、あそこに顔を近づけていく。
樹はどきどきしながら、薫のすることを見つめた。
熱い息が、あそこにかかる。
(……あぁ……くる……っ)
唐突に夢から覚めた。
頭の中に鉛でも詰まっているように重苦しい。
薫はどきどきしながら、目だけ動かして隣の様子を探った。
樹はこちらを向いて、罪悪感を掻き立てるには充分過ぎるほどの無邪気な顔で寝ている。唇をうっすらと開けて、気持ち良さげにくぅくぅと寝息をたてていた。
薫はごくっと唾を飲み込むと、樹から目を逸らし、まだ薄暗い室内をぼんやりと見つめた。
(……夢……だよな……?)
まだ頭の中がぼわーっとしているが、直前まで見ていた夢の内容ははっきり覚えている。
いや。忘れたくても忘れられない。あまりにも強烈過ぎて。
(……夢でよかった….って、問題じゃないよな。いや。ダメだ。だめ過ぎる)
よりにもよって、隣で健やかな寝息をたてている可愛い義弟と、セックスしている夢だ。
夢の中の樹は、中学生ではなくて、もう少し大人だったが。
(……願望……なのか……?俺は……樹を……)
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