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恋を識る。ということ4※
義兄が急に変わった。
「忘れさせてやるよ、樹。もうおまえの恋人は俺だけだ」
すごく掠れた声。義兄の声じゃないみたいで、樹はちょっとびっくりして、薫の顔を確かめようとした。でも薫は樹の顔を両手でがしっと包むと、まるで噛みつくような勢いで唇を奪った。
(……いつもと違う乱暴な感じが、ちょっと怖い。でもまた、気持ちいいキスをくれるんだ。……それがすごく嬉しい)
樹は侵入してきた薫の舌を、夢中でちうちうと吸った。
(……ああ……気持ちいい。義兄さんのキス、大好き。嬉しくて気持ちよくて、身体がどんどん熱くなってくよ)
樹がうっとりしていたら、薫の手がもぞもぞ動いて、樹のあそこに触れた。
(……あっ。だめっ。そこはダメだよ、義兄さんっ
僕のあそこがおおきくなるのは、おかしなことじゃないって義兄さんは言ってくれたけど、僕のそこはおっきくなるだけじゃないんだ。触られたりしたら、もっと変なことになっちゃうっ)
樹は焦りながら、薫にダメだと伝えようとしたが、薫はキスを止めてくれない。今まで感じたこともないくらい、強引な強い力で、樹は押さえつけられて動けなかった。
息が出来ないくらい、舌を絡めて吸われる。じたばたしようとした脚は、ソファーと床をむなしく蹴るだけだった。
(……!!!)
突然、薫の手が、下着の中に潜り込んできた。樹のふくらんだあそこに、薫の指が直に触れてくる。
(……嘘っうそうそっダメ!)
握られた瞬間、樹の頭は真っ白になった。身体が勝手にびくっと跳ねる。
(……ああっどうしよう。義兄さんの手が、僕のを直接触るなんて。シンジラレナイ……)
いつも、この手の感触を想像しながら、部屋で自分でこしこししていた。本当に触って貰えるなんて、夢を見ているみたいだ。
樹は、びっくりとドキドキと嬉しいのと怖いのと、いろんな感情が一気に押し寄せてきて、もうパニックだった。
薫の指があそこに絡みついて、優しく動き出す。自分でするのとも、叔父にされているのとも、全然違う。
(……ドキドキし過ぎて、心臓が口から飛び出しちゃいそうだよ。
じわっじわって、熱があがってく。気持ちいい。すっごく……。
あ。鼻から変な声が出ちゃった。恥ずかしい……。でも……もっともっと、して欲しい)
尻尾の玩具が、颯士の中を犯し続けている。巧は、颯士が腰をくねらせて、強い刺激から逃れようとする度に、尻尾の根本を手で動かして、一番感じる場所に当たるようにしてしまう。
長い年月をかけて徹底的に仕込まれた颯士の身体は、巧の的確な責めに、呆気なく堕ちていく。
(……ああ。そこばかり強く揺すられたら、俺はもう抗えない)
「……やぁっあ、あーーっあっは……ぁっぁあ……っ」
「こら、外すなよ。ここが好きなんだろ? 淫乱が」
「あうっんあーっやっやぁっ」
気持ちよすぎて気が狂いそうだった。イキたい。でも、イケない。荒れ狂うマグマが出口を求めて逆流する。獣みたいな声をあげ続ける颯士の閉じられない口から、唾液がシーツに滴り落ちた。
(……ああっだめだめっイくっ)
1度目の爆発は唐突に訪れた。
颯士は仰け反り、全身をガクガクと震わせながら、出口を失ったまま絶頂に達していた。
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