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恋を識る。ということ5※
樹の全身から立ちのぼる、甘い香りが強くなった。薫の指の中で息づくペニスは、完全に張り詰めて、先っぽから透明な涙を零している。
他人のペニスをいじるなんて、違和感しかないと思っていたのに、樹のそれはなんだか愛しくて仕方がない。
「樹……気持ちいい、か?」
根本からゆっくりと扱きあげて、恐らくは敏感なカリの窪みの辺りを擦ると、樹は自分の口を両手で押さえて、ぷるぷる震えた。
「なあ、教えてくれよ? どんな感じだ?」
しつこく尋ねると、樹は潤んだ目で薫をじとっと見て
「……ぃ……い……っもち……いいっ……んう……っ」
「可愛い。可愛いな、おまえ」
声が出ないように、必死に堪えている樹の表情が可愛い。自分の愛撫にぴくぴく震えて、身をくねらす仕草も、可愛いくて仕方ない。
薫は左手で樹のペニスを扱きながら、右手を胸の方に伸ばした。
樹は黒地に小花柄のミニ丈のワンピースを着ている。カーディガンの前のボタンを外して、中のワンピースも肌蹴させようとして、薫はふと、手を止めた。
(……このままだと、皺になるし汚れてしまうな……)
せっかく女の子のお洒落をしてきてくれたのだ。手を繋いでデートする為に。くしゃくしゃになって、出掛けられなくなったら、樹はきっとすごくがっかりするだろう。
薫は少しだけ冷静になって(……いや、実際はちっとも冷静ではなかったのだが……)
「樹……服、ダメになるから、脱ごうな」
そう言って笑いかけると、樹はきょとんとしてから、こくこくっと頷いた。
樹の上からのけて、床に降りると、もじもじと脚を擦り合わせている樹を、抱き起こした。
「服、脱いで、ベッドにいこう」
ソファーに座った樹の前に、薫はしゃがみこんで、まずはカーディガンを脱がせた。ワンピースの前のボタンもひとつずつ丁寧に外してやると
「おいで」
薫が差し出した手を、樹はじっと見てから、そろそろと手を伸ばす。立ち上がった樹の身体から、ワンピースの袖を抜いてやる。薄手のてろんとした服が、樹の身体をするり……と滑り落ちた。
ワンピースの下から現れた樹の姿に、薫はドキッとした。
下は素肌かと思っていたが、樹は薄い女物のスリップを着けていた。薫はそういう方面には疎いからよくは知らないが、短いワンピースみたいなデザインで、裾にフリルとレースがあしらってある。
間違いなく少年の身体をした樹が、淡いピンクのスリップ1枚で佇んでいる姿は、なんというか倒錯的で、美しいのに恐ろしく妖しい雰囲気だった。
薫はごくりと唾を飲み込むと、手を伸ばし、薄い布から透けて見える樹の乳首に、そっと触れた。
かろうじてパンツを隠しているだけの短い丈が気になるのか、樹は両手でスリップの裾を握って、下に引っ張っていた。
薫の指の不意打ちに、びくっと飛び上がり、慌てて顔をあげる。
濡れた唇。濡れた瞳。その一瞬の表情が、はっとするほど大人びて艶かしい。
心臓が早鐘を打つ。喉がカラカラに乾いていた。もう、抗うのは無理だ。
薫はうっすらと透けて見えていた樹の小さな胸の尖りを、指先でくるくると撫でた。樹はきゅっと眉を寄せ、ぴくんぴくんと震えている。……可愛い。
薫は樹の手首を掴んでぐいっと引き寄せると、ベッドに向かった。
「もうイッたのか? 我慢足らずめ。尻尾の玩具はそんなに美味いか?」
我慢しきれずに達しても、前は縛められたままだ。出して終わりではないから、1度達するとなかなかおりてこられない。ローターは一番強い振動のまま、颯士の前立腺を容赦なく刺激し続けている。
「……あっは……ぁっくんぅっ」
巧は下卑た笑いを漏らしながら、颯士の乳首についたピアスを摘んで、何度も引っ張る。ピリッピリっと沸き起こる痛みすら、今の颯士の身体には強烈な快感だ。
「ちょっといじられただけで、グズグズに堕ちる。だらしない身体の癖に、無駄な抵抗してるんじゃないぞ? 颯士」
巧は言いながら、颯士の上半身を後ろから無理矢理引き起こした。
「ほら。尻おろして座れ。脚は閉じるなよ」
このまま座ればどうなるか気づいて、抵抗しようとしたが遅かった。巧の手が無情にも颯士の身体を離す。颯士は尻尾付きのローターを咥え込んだまま、シーツの上にドサッと尻もちをついた。
「ひっ……ぁああああ……っ」
弾みで奥まで突き刺さったローターが、別の角度で中を抉る。
颯士は唾液とともに悲鳴を吹き零しながら、再び激しくのぼりつめた。
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