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恋を識る。ということ7※

(……もう、いやだっ。巧さん、やめてっ。俺は、あなたのが) 「もっと狂えよ、颯士。ほら、気持ちいいって言えっ。おまえは俺の、俺だけのオモチャだろ? 俺の言うことだけ、聞いてればいいんだ。逆らうな。俺を裏切ったりするな」 「あうっんーっんあっあっ」 振動を少し弱めたローターが、巧の手で颯士の奥を嬲る。颯士のどこが弱点なのか、知り尽くしている巧の攻めは、どんなに抗おうとしても、颯士の快感を無理矢理引き出して狂わせていく。颯士はシーツを掻き毟りながら、終わりのない快楽の階段を駆け上がっていった。 樹の危うげな魅力に、薫は完全に囚われていた。 このアンバランスで蠱惑的な身体を、月城が知っている。自分よりも先に。あいつはどんな風に抱いたのだろう。 (……俺の樹を) 「……にい……さん…‍…?」 樹はもじもじしながら、薫の顔を上目遣いに見た。その瞳が不安と期待に揺れている。 「樹。兄さんに、任せてくれるか? 怖くないようにするから」 樹は不思議そうに首を傾げ、薫の目をじっと見つめた。その透き通るような綺麗な目が、少し哀しくなった。 「うん、大丈夫。僕、兄さん、好きだから。怖くないよ」 薫は樹の頬を両手で包んだ。その無邪気な信頼が、今は苦しい。薫は樹の澄んだ瞳から逃げるように、ぎゅっと目を瞑って、その唇を奪った。 シーツの上に向かい合って膝立ちのまま、樹の唇を貪る。樹は鼻でふぅふぅ息をしながら、薫の舌を夢中で吸っている。スリップ越しに小さな尖りを探る。ぷつんと飛び出た乳首を、下から掘り起こすように撫でると、震えながら身を捩った。その反応がひどく可愛くて、薫はしつこく両方の乳首を指先で弄り続けた。 「気持ちいい、か‍?」 唇を離して問いかけると、樹はとろんとした目で薫を見つめた。 「……ん……きもち、いぃ……」 (……そうか。ならもっと気持ちよくしてやろうな) 薫は樹の首筋に吸い付きながら、右手を下におろした。さっき目にした衝撃的な光景が頭をよぎる。女物の薄い下着を押し上げる樹のペニス。そこにそぉっと触れてみる。 「……っあ」 樹が小さく声をあげ、びくっと腰を引く。薫は逃がすまいと樹の腰を咄嗟に左手で押さえ、右手で布ごとそのふくらみを掴んだ。 「っや……っ」 樹は焦ったように、両手で薫の腕を掴んで邪魔をした。薫は樹の顔を見上げて 「その手はダメだよ、樹。気持ちよくしてやれないだろ?」 「っだって……ぁ……だめぇ」 「いいから、言う事きいて。おまえのこれ、可愛がれないだろう。ほら。後ろで手、組んで」 口調はきつくないが、随分なことを言っているな、という自覚はある。 樹はちょっと泣きそうな顔をしてから、薫の腕を離して、そろそろと手を後ろに回した。素直な樹。無垢で従順だ。 薫は妙な満足感を味わいながら、後ろ手になり身体を前に突き出した樹の股間に、再び手を伸ばした。 ボクサーパンツを脱がされて、むき出しになった樹のペニスが、薄いレースの布の下で頼りなげに揺れている。薫はそれをぐっと握り締めた。 「……っんあ……っ」 薫の手の中で、ペニスがまるで別の生き物のように、びくびくっと震えた。自分のものとは違う質感と熱。 (……不思議だ。他の男のものを触ることなんか、想像もしていなかったのに、今、この手の中のものを、愛おしいと感じてしまっている) 「動かすぞ、樹。手、外すなよ」 上目遣いに樹の顔を見上げる。せつなそうに見下ろす樹の瞳は、うっとりと蕩けて、濡れて輝いていた。 ゆっくりと根本から先端に向けて、擦りあげる。小さく喘いで、樹の身体がぷるぷる震える。今、樹の雄としての快感の全てを支配しているのは自分なのだ。 (……ああ……なんて可愛いんだろう。樹は……俺のものだ) 薫の大きな手が、樹のものを握っている。自分でやる時みたいに、こしこししてくれている。 (……あったかい……ううん、あっついよ。それに、すっごく……気持ちいい……っ 信じらんない。すごい。義兄さんが、僕の、触ってくれてる。可愛がって、くれるって……言ったよね? すごい……っああっ気持ちい……っ身体が、溶けちゃいそうだよっ)

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