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第22章.堕ちていく月1※
「……ぃ……っ……もち……ぃ」
薫の問いかけに、樹は震えながら小さな声で答えた。後ろ手はそのままに、細い腰がくねくねと揺れる。
「そうか、気持ちいいか」
樹のせつなげな様子に、薫は満足していったん手を離すと、フリルのついたスリップの裾を捲りあげた。
「……っぁ。やぁ……っ」
樹が掠れた声をあげて腰を引く。薫はすかさず樹の腰をぐいっと引き寄せ
「ダメだよ。兄さんにちゃんと見せてみろ」
勃ってしまった自分のものを、薫の目から隠そうと身を捩る樹に、薫はそう命じると、お尻を押さえてむしろ前に突き出させた。
スリップを失って、剥き出しになった樹のペニスは、しっかりと勃ちあがっていて、ふるふると頼りなく揺れている。色の薄いほっそりとしたそれは、先っぽの鈴口から透明な涙を滴らせていた。
「……や……っだぁ……見ちゃぁ」
恥ずかしがってもがく樹の鼻の頭に、薫はちゅっとキスすると
「おまえのここ、綺麗だな。ピンク色じゃないか」
樹はますます恥じらって、後ろ手を解いて自分の前を庇おうとする。
「ダメだ。手は後ろだよ」
その言葉に、樹は潤んだ瞳で薫の顔を見つめて、おずおずと再び後ろに手を回した。
「いい子だな、樹。じゃあ、もっと気持ちよくしてやろうな」
素直な樹に薫は安心させるように微笑んで、そっと樹のものを柔らかく握った。
「っあ……っ」
樹は声にならない声をあげて、ぴくんっと身体を震わせた。布越しじゃない樹のペニスは、しっとりとしていて熱かった。薫は驚かさないように、軽く包みながらゆっくりとそれを扱き始めた。
「……っぅ……んふ……ぅぅっ」
樹はぎゅっと目を瞑り、堪えきれない可愛い声を漏らす。
「こうやって、自分でここ、しごいたこと、あるか? 樹」
樹は呻き声を堪えるので精一杯なのか、脚をもじもじさせ、腰を微かにくねらせているだけで、薫の質問には答えられないようだった。
「男の子ならな、年頃になればみんな、こうして自分でここを扱くんだ。全然、病気だったりはしないんだぞ。これをしないで我慢している方が、よっぽど身体に悪いんだ」
もっともらしいことを言いながら、薫は手の動きを少しずつ強く速くしていく。
たしかに自慰自体は健全な行為だ。でも、弟のものを扱いてやる行為は……健全とは言えない。特に、自分のようにその行為に邪な欲情が潜んでいる場合は……。
樹はふぅふぅ言いながら、涙目で薫を見つめて、こくこくと必死に頷いた。薫は後ろめたさを隠しながら、樹の反応が一番大きくなる部分を重点的に擦り続けた。やがて、樹の身体の震えが激しくなる。もう、絶頂が近いのだろう。
「樹……そろそろか? ここ、爆発しそうだろう? 先っぽから、何か出そうじゃないか?」
薫の問いかけに、樹はひゅうひゅう言いながら何度も何度も頷いた。その表情が幼いのに雄の色気も滲ませていて、薫はドキッとした。
薫はごくりと唾を飲み込んで、精一杯素知らぬ風で樹に微笑みかけると
「いいよ。イッてごらん。我慢しないで出していいんだぞ」
樹は一瞬すごくせつなげに眉を寄せ、唇を噛み締めた。薫がラストスパートをかけると、樹のペニスの先がぶわっと膨らんで、白濁した体液が勢いよく飛び散った。
「……っああ……っんぅ」
仰け反って後ろにひっくり返りそうな樹の身体を支えながら、薫はイく瞬間の彼の顔を、食い入るように見つめていた。樹は濡れた瞳を見開き、うっすらと唇を開いて、恍惚とした表情を浮かべていた。
(……ああ……綺麗だ……。それになんて色っぽいんだ……)
男がイく瞬間の顔なんて、自分のはもちろん、他の男のも見たことはない。そんなものを見たいと思ったこともないはずだったが、樹のイき顔は見とれるほど美しくて、愛らしかった。
さっきから、樹の声や反応に煽られて、既に痛いほど張り詰めていた自分のものが、余計に熱を持った気がする。
薫は、はぁっと熱い息を吐き出すと、自分の股間にそっと手をやった。スラックスの上からでも、自分のペニスがかつてないくらい膨張しているのが分かる。ボタンを外しチャックを開け、下着の中に手を入れた。
(……すごいな……。カチカチだ)
薫はちょっとせつなくなりながら、自分のものを握り締めると、そろそろと手を動かし始めた。
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