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新居、決めました篇 9 その声でイかせて
「要」
目隠しはまだしたまま。手で目元を覆い隠すネクタイを取ったりできないように、要の背後で細く白いその手首を両方とも束ねて自由を奪ってる。今、要が周囲を感知できるのは聴覚と嗅覚だけ。
俺の声で、背後にいるのが誰なのかを認識してる。
「あぁっ! 高雄っ」
「何?」
乳首の先端に触れないように気を付けながら、空いているほうの右手で、その周りだけをほんの少し撫でると、要が背中を反らして呼吸を乱す。
「はぁっ……ン」
もどかしい? 世界一やらしい溜め息だと思った。立ち上がるには不安定なスプリングが敏感な要をもっと煽るように揺れる。ベッドの上に膝立ちなってた要はバランスを崩しそうになって、背後から伸びてきた俺の右手に身体を預けて、肩に顔をすり寄せてる。甘えて、撫でてとねだる猫みたいに。目隠しをされたままで、今自分がどうなふうなのか見ることはできないから、揺れるマットの上でたった唯一しがみつける腕に掴まってる。
でも、背後から抱き締めて肩のところに顎を乗せるような格好をしている俺の視界には、要が自分のツンと尖ってエロいピンクに染まった乳首をいじって欲しくて俺の手を掴んで誘っているように見えて仕方がない。
「あ、高雄……もっ」
でも触らない。
「すげぇ、要、乳首、ツンって尖がってる」
「あ、や……」
「触って欲しい?」
必死に頷いてた。コクコクって急いで頷く度に、ネクタイで覆われた目元で綺麗な黒髪が揺れてる。でも、まだ、触らない。
「た、かお……」
触ってないのに、要の乳首も、そそり立つピンク色のペニスも気持ち良さそうにしてる。
「俺の声、豪とそっくりなんだ。マジで親だって聞き間違えるくらい」
もちろんそんなに似てたら、元カノたちになんてわかるわけがない。
「よく聞き分けられるな」
「だって、高雄の声」
やらしい乳首。ピンク色でただその周りを指先でほんの少し撫でただけで摘まれるのを待っているようにツンと尖る乳首に、今すぐ齧り付いて、歯で引っ掻いてみたい。でも、その衝動を堪えられるくらい、今の要はエロくて、見てるだけで気持ちイイ。
「俺の声、そんなにわかるの?」
「う、ん……わかる」
すげぇ、やらしい。
「そんなに俺の声、好き?」
「ん、好き」
本人には見えてない。まだ、「好き」っていうものすら慣れていない要はたぶんわかってないだろ? 身体の中で膨らむ快感にいっぱいいっぱいで、きっと気がついてないだろ?
「……要」
「ぁ、あっ……たか、お……ぁ、やぁ……耳」
俺が名前を呼ぶ度に、やらしい乳首よりももっと下、もっと濃いピンク色をしたペニスの先からトロッとした蜜が溢れてるなんて。声に反応して気持ち良さそうに、そこを硬くして反り返るほど興奮をパンパンに詰め込んでるなんて。
触られてないのに、声だけで、なぁ、要、今すぐにでもイきそうになってるって、自分でわかってる?
「要」
「あ、あ、高雄、の、声」
後ろ手に拘束されている要の手首がぎゅっと力を込めたのを掌で感じた。
「今の要、すげぇ、エロい」
「ンぁ、やぁっ息、吹きかけないで、くれ」
「乳首がさ、すげぇ、尖って、周りのとこしか撫でてないのに、ピンク色になってる。触ったら、きっとコリコリしてるだろうな」
「あっ、やっ」
言葉でだけ伝える。耳に唇を寄せて、声を直接中へと流し込んで、わざとすぐそこで溜め息とかついてみたりして。
「見えないから、余計に恥ずかしい? エロいよ」
「!」
目隠ししてるけど頬が真っ赤だった。耳なんて化粧でもしたみたいに赤くなっている。
「元から露だくだけど、すげぇトロットロ。先走りが滴り落ちて、シーツが濡れてる」
「っ、ぁ、高雄」
「要、すげぇやらしい」
「あ、あっ、だって、高雄の声が」
「俺の声?」
クスッと笑ったら、拘束している手首がビクンと飛び跳ねた。
「声、に、ゾクゾクする」
俺はそう囁くあんたの唇にゾクゾクする。そのやらしくて敏感な身体に、そして、好きって感情に振り回されて困って、それでも俺だけをすげぇ欲しがるあんた自身に、やばいくらいゾクゾクする。本当におかしくなりそうなくらい、発情する。
「要」
「あ、やだぁっ……高雄」
白く細い手首が俺の左手の中で暴れた。不安定なスプリングにもかまうことなくビクビクッと反応して、先走りをずっと垂らすやらしい身体はもうイってしまうって、その肌を蒸気させて教えてくれる。
「あ、やだ、声でイってしまう」
「いいよ、イって」
「や、だぁっ触って」
必死に懇願して、泣きじゃくったりして、まるで子どもがダダを捏ねてるみたいに。
「乳首、きゅって抓って欲しい、高雄、たかおっ、お願い、だ、高雄、乳首」
乳首を可愛がってと懇願されて、本当にブチ切れそうだよ。可愛すぎて、困る。
「ダメ、あとでな、要」
「あ、やだ、イくっ、その声、ぁ」
「要」
「あ、イくっ」
「好きだ、要」
「あ、あ、ああぁぁぁぁぁぁぁ!」
触られていないのに、ひとりで勃ち上がっていたペニスの先端からビュクリと放たれた白。
イく時、背中を反らせて身体をまるごと俺に預けてくれた。要の白い手首をずっと拘束していた掌から解放してやって、背中からぎゅっと抱き締めたら、すげぇ熱かった。声だけで悦がるほど感度が上がっていた肌はじんわりと汗ばむくらいに熱い。
「あ、今、ダメっ、あ、ああっおかしくなっちゃうっ、高雄っ」
「触って欲しかったんだろ?」
「あ、ちがっ、今じゃなっ、あぁぁっダメっ」
抱き締めて、そのままずっと触って欲しそうに尖っていた乳首を強くきゅっと摘んだら、今さっき弾くように白を放った鈴口から先走りなのかもわからない、蜜がまた溢れた。
「あぁぁっ……ン、らめっ」
きゅっと唇を噛んで、自由になった手で背後にいる俺の肩を爪を立ててカリカリ引っ掻いた。本物の猫みたいに、爪を俺の背中で研いで、本物の猫と同じように尻たぶを突き出して、ずっとさっきからガチガチに張り詰めてる俺の股間に擦り寄る。
「要っ」
奥歯が軋むくらい力んでないと、このまま強引にこの人のそこを割り開いて、馴染む間も与えずに根元まで刺し貫いてしまいそうになる。
ギリギリ、マジで理性が消し飛ぶ、ギリギリのところで、ずっととっておいた楽しみを紐解いた。
「高雄、お願いだ」
ネクタイで覆い隠されていた瞳はゾクゾクするほど濡れて、潤んで、綺麗で。
「もっと、ちゃんと」
呼吸するのを忘れるくらいに色っぽくて。
「して、くれ」
俺があんたの視線と声でイきそうになった。
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