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アンソニーとマリー編 5 俺のエロ課長
エロい、って呟きたくなるくらいに今日の要はスイッチが入ってる。
「高雄、寝転がって」
なぁ、けっこうムカついた? 俺は帰り道にずっと思い返してた。あの水村へのあんたの対応を。優しく教えてた。ずっと、くっついて、失敗しようが、頼んだ仕事をすっぽかされようが、眉ひとつピクリともさせず、笑顔だった。それが、俺はすげぇ腹立ってたけど。
「何? 要」
「……する、から」
水村を俺の方へ行かせないためだった。怒らず、我慢で、お客様対応してたのは、そういうこと?
「何を?」
「し、しししし」
仕事を終えて、帰り、普段は一緒に買い物をしてそれから料理して、食って、風呂入って。やらしいことはその後っていうのが、普段。たまにイレギュラーもあるけど。基本形はそれ。けどさ、今日は外で飯を済ませた。それは、飯を作る時間がもどかしかった? 帰ってすぐに風呂入ったのは、早く、したかったから? そんで、俺好みの「彼シャツ」をわざとして。
「し?」
ベッドに恋人を転がして、跨ってくる。真っ白な太腿は――。
「要?」
美味そうでさ。つい手を伸ばして、太腿を撫でると、敏感な肌が細やかに反応してくれる。小さく声を零して、ピクンと揺れる身体がたまらなく、エロくて、そそるんだ。
「しっくす、てぃー……ないん、というのを、してやる、から」
「……」
「寝転がってろ」
真っ赤になって俯きながら、俺の側に膝立ちで、彼シャツから覗く白い太腿を好きに撫でさせ感じてる、やらしい、俺だけのエロ課長。もう落ちてるんだから、これ以上、俺のことハメ落とさないでくれよ。なのにあんたは、やらしいことをして俺にもっと夢中になれと仕掛けてくる。俺しか知らない、可愛い人。
「ン……」
逆向きになって俺に跨った。
恥ずかしくて仕方がないくせに、シックスティーナインがなんなのかわかってないくらい純粋なくせに、水村へのヤキモチが、俺への独占欲が、この人のスイッチを押したんだ。エロくて卑猥で、スケベなスイッチを。
「ン、ぁっ……んん」
四つん這いになって、俺のを口に含みながら、甘い声をあげて。
「ン、んんっ、ンくっ……ン」
「っ、要」
俺の眼前には、あんたの。
「ン、ん、見る、なっ」
「あんたのエロいパイパンも」
「や、あぁぁっ」
咥えてるだけで、敏感な要のペニスが気持ち良さそうに蜜を滲ませてる。やらしい蜂蜜を。それにキスをして、口に咥えてると、あんたも口をすぼめて俺にしゃぶりつく。舐めながら、腰を揺らして、甘い声で啼きながら、見ちゃダメだと恥ずかしがる。ちぐはぐすぎるのが、可愛くて、ズブズブ嵌ったんだ。
「やっ! 高雄っ! そんなとこっ! ぁ、あぁっン」
抜け出せないほど深く、奥まで。
「ぁっ、ダメだっそんな」
「やらしい孔」
「あっ、あ、あぁあ!」
目の前でヒクつく孔にキスをした。キスされたことに驚いた孔がきゅっと口を窄めたから、またキスをしてやると、フェラで、先走りで濡れたペニスがピクピク跳ねる。
何、これ。
「ン、んんっ……ン」
エロすぎて、ヤバいよ。
俺のシャツを着て萌え袖から覗く手はペニスを握ってる。ヒクつく孔にキスをされて、舌で濡らされて、たまに指で中を解され、前立腺を突かれながら、扱かれる快感にパイパンな下腹部にくっつきそうなほどペニスを反り返らせてる。
「あ、あっ……ンくっ、や、ああああっ」
片手を伸ばして、触ってとねだるように硬くなった乳首を摘めば、ペニスの先端から先走りが垂れて、俺の上半身を濡らした。
「ぁ、ン……く、ンっ」
そして、俺のを一生懸命、萌え袖で握って扱きながら、アイスみたいに舐めて、咥えて、うなじまで真っ赤にした要と、その舌の感触。
「ン、んっ……」
「要」
「ンっ……高雄……」
フェラを止めた要の唇がびしょ濡れだった。手をついて振り返るあんたの表情と、感じまくってるやらしい孔で。
「口に、出して、いいぞ」
頭が真っ白になりそうだ。
「高雄の、全部、っわ! っ、高雄っ」
「この、やらしい舌でイかせてもらうのも最高だけど」
「ン、んっ……ぁ、ふっ」
力任せに組み敷いて、びしょ濡れの口の中を指でまさぐった。指なのに必死にしゃぶられて、いやらしい舌を撫でてやると、要がもっとエロい顔をして、熱くなった舌を絡みつかせるから、頭の芯がその熱に痺れる。
「んっ」
「あんたの、中でイきたい」
「ぁっ!」
唾液に濡れた指で、一番敏感な場所をまさぐる。キスと舌で入口だけは解され焦らされまくった内側が指に絡みついてきた。きゅうって、しがみついて、ホント、こういうスケベな身体してるくせに。
「あっ……」
「イれていい?」
「っ」
挿入となった途端、小さく頷くだけで、真っ赤になるあんたに、俺は、どハマりだ。
「あぁっ!」
ずぶりと強く抉じ開けた要の身体。脚を大胆に開かされ、割り込んできたペニスに背中を反らして感じてる。
「あっ……ン」
「っ、要」
「ぁ、さっき……」
「?」
要の中はいつも熱くて狭くて、可愛がりたくて仕方がなくなるほど、切なげに俺にしゃぶりつく。
「高雄の、口に、しな、がら、そこ、あぁぁンっ」
言いながら、きゅっとシーツを握っていた手で俺の胸を撫でた。
「こ、んな、大きいのが俺の、中に、ぁ、とで、入るんだって、あっ、あ! まだっ、ン」
その白くて細い指が俺の肌をカリカリと引っ掻いた。切なげな顔をしながら、俺がいる下腹部をそっと撫でて。
「あ、ドキドキ、したっ、高雄っ、ぁっ、ン」
根元まで咥え込みながら、ピンク色のペニスは萎えることなくそそり立って、中からの刺激だけで先走りを垂らす。薄い腹、ヘソのくぼみにそれが垂れて、パイパンの下腹部が濡れて。
「あっ、ぁっ、ンっ……ン、んっ、高雄、ここっに、欲し」
「っ」
「さっき、シックス……ん、ナインで、した、苦い味のを、ここに、もっと濃いのを」
ヤバイレベルでエロいよ。なぁ、要。
「あ、ぁ、出して、奥に、苦いの、出しっ」
「要っ」
「た、かおっ」
我慢できそうにない。堪えられない、抗えない射精感に身体を前に倒すと、白い腕に捕まった。
「高雄っ」
ガツガツと腰を突き入れながら、ペニスでこの人の一番奥を掻き乱しながら、捕らえられた腕の中で蕩けそうだ。脚を限界まで開いてあられもない格好で、俺とセックスしてる、俺の。
「イく、時、キス欲し」
「あぁ」
「全部、高雄で埋め尽くして。中も、ここも。全部」
言いながら、孔を切なげに締め付けて、口を開いて舌を出す要は、シックスティナインを知らずに赤面した人物とは思えないほど、最高に卑猥だった。
「あ、あ、ぁ、イくっ……イっ、あ、ああああっ……っン!」
誰にも見せたくない。
「要」
独り占めしたい。
「……ん、高雄は、誰にも」
誰にもやらない。この人は、俺の、男だ。
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