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初旅行篇 5 隣、いいですか?
あぁ、夕食は外でするんだった。フロントで訊かれたけど、頭の中は要のことばかりで、適当に返事をしたっけ。
この後、荷物を置いたら出かけるのかって訊かれて、俺は頷いたんだ。その間に布団を敷いておいてくれると言われた。
「た、たかっ」
――かもしれない。あまり覚えてない。
「しー……要、静かに」
「っ」
顔を真っ赤にして、半裸の要が肩を竦めてる。必死に身体を丸めてかくれんぼをしている子どもみたいに。でも、半裸で乳首もペニスもやらしく勃たせた姿の要とするかくれんぼにこっちは煽られっぱなしだ。
壁一枚隔てた向こうに人がいようが関係ない。それだって興奮を昂ぶらせるためのひとつでしかない。
背後からうなじに歯を立てると、丸めた身体を反らせて、小さな悲鳴を堪えようとしながらもどうしようもなく零してしまう要。そんな可愛い顔を見ながら、喉奥が熱くておかしくなりそうだ。
「! っ! 高雄っ」
「要、静かに……見つかる」
それなら、そんなところにキスするなって洗面所の鏡越しに抗議の視線を向けられた。
無理だ。キスも、この手も止めてやれない。
「たかっ」
ついさっきまで指を咥え込んでいたそこをまた指で撫でると、きゅんと孔の口が反応する。欲しそうに、ヒクついてる。
扉の向こうに人の気配。布団を敷いてる最中、だろうな。俺がそう頼んだんだから。
ノックをしたけれど返事がないのなら、お客はフロントで話していたとおり、外へ出かけている。そう思ったスタッフが合鍵で部屋を開けている隙に慌てて、この洗面所に逃げ込んだ。
(高雄っ!)
囁き声で、でも、俺の不埒な指先を制止しようと声をできるだけ強く発する要。撫でて、口のところを少し押して、また撫でて。ヒクンと反応しても、その口元を滑るだけの、じれったい指先。
「っ!」
焦れて、もっと、って、やらしい要の身体が腰をくねらせる。それでも指は侵入することなく、白く小ぶりな尻たぶを撫で、さっきまで指を咥えていた孔をさらす。
(高雄……)
振り向いた要の瞳が欲情に潤んでた。濡れて、艶めいて、俺を誘惑する。
そんな顔されたら、止められないし。
「たっ……んんんっ」
要も止まらないだろ?
「ダッ……ぁっ、んっ」
唇をキスで塞いで、口の中を舌で蹂躙しながら、痛いくらいに張り詰めた発情の塊になったペニスを要の中に埋め込んだ。
(あ、ダメっ……)
でも、要の中が俺に絡み付いて、ちょっとでも油断したらそのままイかされそうなくらい、きつくしゃぶりついてくる。
(要、鏡ン中、見て)
耳元で小さく囁くと、潤んだ瞳がゆっくりと自分と俺が繋がっている姿を見てた。壁にしがみつくように爪を立てながら、背中を反らせて、白く綺麗な尻に突き立てられたペニスが中を抉じ開けていくところを。
(すげぇ、気持ちイイ)
耳朶に唇で直接触れながらそう流し込むように囁くと、ペニスに絡みつく内壁がざわついた。
隙間なく、柔らかい内側が俺にしゃぶりついてる。
「っン」
その粘膜のやらしい感触に逆らうように、腰を引けば、鏡の向こうにある白く小ぶりな尻たぶから、濡れたペニスが抜けていくのが見えた。
「ぁっ……」
抜いて欲しくない? そう尋ねなくても、要の内側が戻ってきて欲しいとうねってる。
(要、布団、まだ敷いてると思うか?)
忘れてた? 頭の中が俺のことでいっぱいだった? 壁の向こうに人がいると耳元で改めて囁くと、目を見開いて、身体がきゅんと反応した。
「っ! ン、ん……んんんっ」
その中を掻き分けて抉じ開けるように、最奥めがけて貫きながら、声を食らうみたいに深く口付ける。
スタッフは、ふたり、みたいだ。静かだけれど、かすかに声がする。何か会話をしてるのが聞こえる。きっとそうはかからないだろ。布団と、お茶類の補充があるかどうか確認するくらいだろうから。
「っ、ン……んっ、ぁ」
ペニスをキュンキュンと締め付けながら、要のうなじが息を飲むほどの色気を漂わせてる。声を我慢できそうにないからと、目の前にある壁にしがみつくような体勢で、壁にキスでもしそうに顔を近づけて、奥まで捻じ込まれた熱の塊に喘ぐのを堪えてる。
(高、お……)
要の唇が俺の名前の形に動くだけでも、その瞳が俺とのキスに潤んだだけでも、こんなに胸が躍るくらい、好きだ。
バカみたいだろ? あんたのことが好きすぎて、そのしがみついてる壁にすらヤキモチをやくんだ。
「っや」
「……しー……まだ、向こうに人がいる」
壁にしがみついてキスでもしそうな要を独り占めしたくて、充分独占してるはずなのに、もっとしたくて、抱き締めて繋がったまま、要を鏡の前に立たせた。
「!」
目の前の鏡に映る自分自身に要の瞳が潤んで濡れて、身体の奥が俺を大胆に締め付ける。
「要……」
じゅぷ、じゅく、やらしい蜜音を立てて、ペニスを突き立てられた要。気持ち良さそうに反らされる首筋、胸、腹の辺りにも今さっき俺がつけたキスマークがある。うなじには少し伸びた髪が張り付いて、なんともいえない色気を漂わせて。乳首は見ただけで男を興奮させるくらい、卑猥にぷっくりと膨れて勃ってる。ペニスは――。
(やらしい……)
そっと後ろから耳朶を噛みながら囁いて、やらしい液を洗面所の縁に垂らすペニスを握り締めた。
「っ!」
声もでないほどの刺激。奥まで突き刺さった発熱の塊に、ペニスを握り締めて扱く手の熱さに。
「っ、っ、っ!」
蜜音がどうしても鳴るほど、繋がった場所をトロトロにして鏡の中を覗き見る要が艶かしくて、どうしようもなく興奮する。
(ダメ、ダメだ。声がっ)
そう懇願するように首を振られても、あんたがエロすぎて止められない。乳首を綺麗なサーモンピンクに色づかせて、パイパンのペニスを限界までそそり立たせて、その尻の奥に俺をこんなに貪欲に咥え込んで。
「要」
「っあっ」
バカになれるほどあんたのことが好きだから、止まらない。
「あ、あぁぁぁぁぁぁ!」
「っ」
甘い悲鳴、鏡に飛び散った白。それに、要の中に熱を注ぎながら、ドクドクと脈打つ興奮。
「あ、高雄っ」
「すげ……」
止められなくて、止まらなくて、心臓がバカになったみたいに暴れてる。
「高雄……」
人がいるのになんてことをって怒ると思ったのに。
「高雄、の隣」
「……え?」
「ずっと、俺でもいいか?」
「……要?」
猫みたいにしなかやか身体を俺に預けて、額をすり寄せて。
「高雄の隣、ずっと」
そんなことを言ったりして。ホント、あんたは――。
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