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通販でも斜め上を貫く編 5 高低差がすごいんだって

「あ、はぁ……あ、ン」  外はシトシト雨の朝になった。おかげで動物園デートは延期。 「あ、そこぉ……ンっ」  代わりに、部屋の中に甘い声。 「高雄……あぁっ」  うつ伏せで身悶える要が奥までいっぱいに貫かれて、シーツをぎゅっと握り締めた。寝転がって、片足だけ大胆に自分から開いて、根本まで俺のを咥えやすいようにしながら。その大胆に開いた足の爪先がキュッと気持ち良さそうに力を込めて丸まってる。 「あ、ン」 「気持ちいい?」 「ぅ、ンっ」  コクンと頷く後頭部にキスをしてから、その深くまで貫いたまま、クンともっと奥をノックして喘がせると、今度はずるりと引き抜きながら、要の好きな場所をゆっくり擦り上げてやる。それがたまらなく気持ち良いって、中がきゅんってしゃぶりつきながら俺に教えてくれる。 「はぁっ」  白い肌には昨夜俺がつけた、いくつものキスマークが色鮮やかに残っていた。太ももの付け根にも胸にも首筋にも。明後日の月曜日、この印をつけたまんま、この人はスーツを着て、部下の前で朝礼の挨拶をして、顧客との打ち合わせに向かうんだ。 「高雄、キス、したい」  あの花織課長がキスをせがむ。それに応えて、舌を絡めると喉を鳴らしてしゃぶってくれる。  そのままキスを続けながら、身を捩って、切なげに俺を見つめた要の髪を手櫛ですいて、開いていた脚を抱えた。 「あっ」  体勢を入れ替えようと腰を揺らしたら、しなやかな身体をくねらせた。 「や、抜いちゃ」 「あぁ」  そんな可愛いことを囁いて、孔の口をキュッと窄める。だから抜かないと身体に教えると、快楽に身悶えながら、俺の方へと手を伸ばした。そして触れた俺の腹筋にカリカリと爪を立てた。 「あぁ、やぁ……グリグリ、するの」  あっまい声。 「ン……ン」  それを食らうように深く口付けながら、腰をゆっくり動かして。 「ンンンっ」  舌を絡めたまま、毛の生えてないツルツルな肌を撫でて、要の綺麗なピンク色を握ってやった。 「あっ……ン、それっ」  トロットロにカウパーで濡れたそれを何度か扱いてやるとたまらなく気持ち良さそうに中が俺にしゃぶりつく。極上な要の中でイカされそうになるをのどうにか堪えてから。要のカウパーを濡れた手でその白い肌に塗りながら、薄い腹を撫でてから、乳首をキュッと摘んだ。 「あンっ」 「痛い?」 「あっ……ン」  昨日散々、食った甘い赤色。 「少し、ヒリヒリする……でも、気持ちい……乳首、もっと高雄の指に、されたい」  あぁ、確かに。中が気持ちいいってしゃぶりつきながら教えてくれる。 「あぁっ!」  キュッと乳首を指で摘むと要が小さく甘い悲鳴を上げた。 「あっ……ン、あぁ」  痛みもわからないくらいトロトロな要より。 「あ、あ、高雄っ……ン、キスも、もっと……ン」  痛みにさえ気持ち良さそうに喘ぐシラフの要の方がずっと。 「ンンっ……ン、ン……ぁ」  ずっと興奮する。 「高雄……」  ずっと――。 「好き」 「高雄ー!」  すげぇな、真っ青な空だ。 「……あぁ」  要がぶんぶんと手を振って俺を呼んだ。  昨日は夕方まで雨だった。だから夕方までゆっくりしてた。そんで翌日の日曜日、嘘みたいな青空が広がっていた。 「ライオンのところに行こう!」 「あぁ」  懐かしいな。前に来た時と変わってない。あの時はまだ――。 「おー! やっぱり大きいなぁ」  なぁ、あんたって、手名付けられない動物いない気がする。 「久しぶりだなぁ。うふふ」  なんでライオンが当たり前みたいにしゃがみ込んだあんたの前にチョンと座って、じーっとしてんだよ。ついさっきまで退屈そうにあっちこっちって歩き回ってただろ? 「すげぇな」  そんで、なんで、俺の方は少し睨むんだよ。マジで。 「あぁ、すごいなあちゃんとお座りしてる」 「っぷ、それじゃねぇけど」 「?」  そうそう、あの時は、あんたとちゃんと付き合いたくて、始め方の順番間違えたから、やり直ししてる最中だったんだっけ。告白もデートもすっ飛ばして先に抱いちまったからさ。  わざわざ順番巻き戻したんだ。  この人をどうしても自分のものにしたくてさ。  俺らしくもなく、すげぇ真面目にやり直ししたんだ。慌てて、スタートラインに戻ってさ。笑うよな。同僚の話を聞きながら、付き合ってる相手に飽きたら別れればいーじゃんなんて、本当に思ってたような奴がさ、この人と付き合いたくて、一生懸命。 「ほら、足だって、やっぱりこん、……」  キスしたくてたまらないのも我慢したんだ。あの時――。 「……高雄、あ」  今はキス、余裕でしたい時にするけどな。もう順番は大丈夫。この人は俺ので、俺はこの人のだからさ。 「っぷ、すげぇ真っ赤」 「だだ、だ、だ、だ、だ、だ」  どーだ、そこのでっかいライオン。 「だ、ダメだろう! こんな人前で、いや、ライオン前でっ」 「っぷはっ」  この人は俺のだ。 「ほら、要、行こうぜ。次は要の苦手な昆虫館だ」 「あ、あ、あぁ! そうだった」  メリハリなら充分。最強に天然で可愛いところから、こっちがぶん投げられそうな勢いで最高にエロい人に変わる。  マンネリ? そんなのむしろ、なる方法知りたいくらい。飽きるどころか、全く……。 「じゃ、じゃあ、高雄」 「?」 「手」  ほら、な。  だって、常に俺の斜め上を行くからな。今だって、本当、なんなんだろうな。 「手を繋いでくれ……」  真っ赤になってそう呟いて真っ白な手を差し出すこの人と、一昨日の夜の媚薬に酔った、この人。どっちもエロくて、どっちも可愛くて。 「高雄……」  どこにもやんねぇって思いながらその手を離さないと、強く握った。

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