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ホワイトバレンタイン編 6 最高のご褒美
――ホワイトチョコはエネルギー補給にぴったりなんだそうだ。それにリラックス効果もあって、疲労回復にもいいって、だから……。
コンペで頑張った高雄にはこれがいいと思ったんだと、そう少し震えた声で説明して、要が甘い唇から色気のある吐息をこぼした。それからスウェットの裾をキュッと握りながら、ホワイトチョコレートをまた一つ、口に咥え、キスをくれた。
最高のご褒美だ。
そのチョコを唇で受け取ってから。
「あっ……」
深いキスで溶かしてく。
甘い舌を絡ませ合いながら、服の中に忍び込ませた手で、火照る要の柔らかい肌を撫でて、敏感な乳首を摘むと。
「ひゃぁっ……ン」
甘く、要が啼いた。そのまま、服を捲り上げると。
「あっ……ぁ、ン」
その指先に摘まれて感じる敏感な乳首に舌同士で溶かし合ったホワイトチョコを塗りつけていく。
こういう性癖とかないはずなのに、真っ白な肌にぶっかけられたような白はひどく艶かしくて、その白の中で色濃くピンクに染まった乳首がエロくて。
やばい趣向にハマりそうになる。
白まみれに興奮するとかさ。
「あ、ン」
その卑猥にしか見えなくなる白に濡れた乳首を指で押し潰しながら、反対側にも舌先で塗って、その粒を食べるように歯で噛みつつ、要を見上げる。目が合うと、今してるプレイに見惚れていた瞳が潤んで、物欲しそうに唇をキュッと噛み締めてる。
「あ、ン、高雄、これ……」
「甘えて癒してくれんだろ?」
「ん、ぁ、そう……あ、あ」
「もう一個」
「あ、食べ過ぎ……ン」
俺の足に跨りながら真っ赤になった要を抱き締めたまま、ベッド脇のテーブルに手を伸ばした。もう一粒摘み、それを口に含んで。
「あ、あ、あ、あぁっ……ン」
今度は要の白い肌と俺の唇と舌でチョコをその肌に塗って、またそれを舌先で舐めて。
「やぁ……ン」
「要の体温ですぐに溶けてくな」
「っン」
「トロトロ」
肌も、それから。
「あっ、っ」
先端を撫でてやると、要が細い腰をもどかしそうにくねらせ、俺の掌に夢中になる。気持ち良さそうに喘ぎながら、掌の中で何度も扱いてやると、濡れやすい要の先端から気持ち良さそうにカウパーが溢れて、手の中からクチュクチュと濡れた音がした。
興奮して一層体温が高くなったのか、舌先で塗られたホワイトチョコの甘い良い香りが肌から立ち込めた。
「エッロ……やばいな」
「っ」
肌がケーキみたいに甘くて、唇にしっとりと触れる感触の心地よさと、味と、香りと、キスの度に溢れる要の声の破壊力に目眩がする。ホワイトチョコレートに混ぜ込まれたリキュールくらいで酔っ払うわけないのに。喉奥がまるで強い酒でも飲み干したみたいに熱くなっていく。熱くて、汗ばんできたからと、何かにせかされるように雑に服を脱ぐところを要がじっと見つめてた。肩、腹、それから――。
「高雄の、すごいことになってる」
「あぁ」
痛いくらい、やばいんだ。
「口で、する」
「っ」
「あっ……」
先端を撫でられただけで暴れたそうに、それが跳ねて。
「む……」
咥えられたら、理性が飛ぶかと思った。
「ん……ん」
「要」
口の中で溶かされそうにしゃぶられて、上擦った声で要の名前を呼ぶと、だぼっだぼのスウエットにホワイトチョコがつかないように自分で裾を持って裸を晒しながら、俺のをしゃぶってくれた赤くて甘い唇をうっすらと開いた。
「ん、おいひぃ」
そんなことを呟く。
誰も想像しない、要のどこかあどけないのに、たまらなく艶っぽくて、やらしい姿。
深くキスを交わしながら押し倒すと抗うことなくそのまま寝転んで、白い肌で溶けたホワイトチョコレートをその肌に撫で付けていく。
「これ……も、食べ……」
やばいスイッチが入る。
「あぁっ……あ、ン」
部下、なのに。
「あ、なん、笑って」
「いや」
覆い被さるようになって、仕事ではいつだって凛々しくあるこの人が今、快感に震わせた肩に口付けた。
「抱き潰しそうって思っただけ」
「……」
それから、大事な人なのに、部下のくせに、明日のこの人の予定も考えずに溺れる俺を甘やかすなよって、思っただけ。週末まで我慢しろよって自分に呆れただけ。
「い、い」
要がそっと腕を伸ばして、首にしがみつく。引き寄せられた俺に耳元で、小さな声が教えてくれる。
「明日は外出ある」
「要?」
「二件、打ち合わせが入ってるんだ」
「じゃあ」
「でも、いい」
しがみついた腕を解いて、その腕を今度はベッドサイドのテーブルに伸ばす。
「仕事を頑張ってる高雄がとてもカッコよかったんだ」
「……」
「ドキドキしてた、から」
「……」
真っ赤になって、真っ白な肌を火照らせて。
「高雄……早く」
白濁まみれにも見える肌から、ひと掬い、白を一番際どい、孔の縁に指先で塗っていく。まるでローションみたいに、ここにそれを注いで欲しいみたいに。
「本物、中に欲しい」
「……」
「高雄のを、中に」
その唇に甘い白を咥えたまま、足を広げて。
「だひて……」
先端を押し付けると震えながら背中を仰け反らせた。待ちきれないように孔をヒクつかせて。
「あっ……ん、ん、ンンンンっ」
挿入しながら、口に咥えたそれを食べる。
「ん、んっ、あ、高雄っっ」
舌先で溶かし合いながら、奥まで一気に貫くと、ホワイトチョコの甘い香りが立ちこめる白い肌に、要の白が飛び散った。
「あ、気持ち、ぃい」
「要」
「あ、あ、あ、待って、今、イッた、ああぁっ、ん」
ギュッときつく締め付けてくる中を掻き分けて、奥を貫くと震えながらしがみついてくれる。
「高雄」
「?」
夢中になって要を抱いていると、まだ腕を伸ばしてしがみついてくれた。
「美味しい、か?」
真っ赤になって照れながら、何言ってんだろうな。この人は。
「そんなの」
甘い香りをさせながら、真っ白な肌をほんのり赤く染めながら。しっとりとした声に、やらしい身体をして。あっという間にチョコレートを溶かすくらい熱く火照る濡れた肌で。
「美味いに決まってる」
そう答えると嬉しそうに微笑むんだ。
「よかった」
微笑んで、腕で俺にギュッと掴まって。
「じゃあ、たくさん食べてくれ」
俺を一番困らせるんだ。
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