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ケモ耳イチャイチャ篇 2 いやらしく、癒してよ

 この人の可愛いさはハンパじゃないって、覚悟はできてる。信じられるか? 仕事では鬼課長なんて言われる人が白猫ビキニ姿って。 「ほっ、本当は、違うんだ! あの! 普通の猫の格好がしたかったんだ」  あ? なんでだよ。そもそもなんで猫の格好なんてしたかったんだよ。 「でも通販で見つからなくて、買おうと思ってもどこに売っているのかわからずじまいで、その、荒井達にも訊けなくて」  だろうな。いきなり「白猫コスしたいんだが、どこでグッズが売っている?」とはさすがに訊けないだろ。 「仕事中に私語は厳禁だからな」  そこかよ。 「ようやく見つけた通販のが、こ、こんなのだったんだ」  ウソみたいだけど、この人なら本当に見つけられなさそうだ。マジで天然だからさ。きっと俺が検索したら一発で普通の白いケモ耳セットをヒットできるだろうけど、この人はたぶん、真っ先にバイブもくっ付いた尻尾とか見つけてそうだ。その中で一番健全そうなのがたぶんこのビキニに尻尾が付いたやつだったんだろう。 「だから、どうしょうかと迷ったんだが」  こんなんいくら覚悟できてたって、無理だろ。心臓貫かれるだろ。白い猫耳に。 「さすがに上のなんだかわからんが白いレースのはやめたんだ。ブッ、ブラッ、ブラジャーは男だからいらないだろ」  なんだよ。それ着ててもいいのに。なくてもいいけど。ぶっちゃけどっちでもいいけど。白い猫耳に、白い尻尾。そのくせビキニは黒っていうのが、製作者の欲望丸出しだな。ホント無理だ。どんなに覚悟してたって、やられる。 「要?」 「っ……白猫に。へ、変か? 日本人だから髪が黒いのに白猫なんて」  いや、白で正解だよ。だって、その反対色の黒ビキニで隠れた場所は白い肌に薄っすらと産毛があるだけなんだから。 「ただ、猫になって、高雄に可愛がられたかったんだ」 「……」 「この前、デートで行った猫カフェ、あの時、猫を抱っこしてる高雄がすごくカッコよくて、高雄の大きな手で撫でられたり抱っこされたり、気持ち良さそうで、ちょっとうらやましくて」  行った。猫カフェ。行った。  デートで要が行ってみたいと言っていたから、駅前にできた猫カフェへ。そうだ、そのくらいから要の様子がおかしかったかもしれない。 「そ、それに、言ってただろ? 癒されるって」 「……」  ――猫、好きなのか?  そう訊かれた。動物は元々好きだった。ただ一人身で世話し切れるとは思えないから、ペットとかそういうのは考えたりしなかったけど。  だって柔らかくて温かくて、撫でてると気持ち良いだろ? 猫でもなんでも、動物は。  ――好きだよ。撫でてると癒される。要は? あはは。あんた、めっちゃ好かれてるじゃん。  ――え? うわっ、わっど、どうしたらっ。  気が付けば、猫だと思われてるのか、好かれてるのか、要の周りが猫だらけになっていた。白い頬をピンク色に染めて、あたふたする姿は可愛くて、擦り寄ってくる猫一匹一匹に対して丁寧に撫でてやる生真面目さすら愛しくて、ずっと見てたいと思った。眺めながら、膝の上に陣取っていた白猫を撫でてたっけ。柔らかな毛並みで、鼻先がピンク色の猫はおとなしくて、要に群がるほかの猫達を青い冴えた瞳で見つめるばかりだった。 「高雄が癒されるかなと……思ったんだ」  理性なんて一瞬で粉々にぶっ壊れる。 「っ、疲れてるとこ、悪かったっ! その、寝てくれっ、寝るのが一番だ! うん! すっ、すまな」  ホント、あんたは俺を壊すのが、上手だよ。 「ン、んんっ……」 「何して欲しかったんだっけ?」 「あっ、ん、高雄っ」  白いふわふわの耳くっつけて、頬真っ赤に染めて、恥ずかしさに瞳潤ませて。長い尻尾の生えた黒いビキニの中はツルツルな。 「あっ、あンっ……高雄、のっ、大きな掌で撫でてっ」  ぱいぱん。 「それと?」 「抱っこ、ぁっあっ……ン、ダメ、高雄ッ疲れてるから」  ビキニを少し引っ張れば小さな布からはみ出したペニスの先端がやらしい汁に濡れていた。ぱいぱんな下腹部を指先でくすぐりながら、触って欲しそうに揺れる先端を撫でてやると先走りでぬるりと滑った。 「あぁ疲れてる。だから」 「ぁ、ん」 「癒してよ。可愛い、俺の、白猫さん?」  そう呼ばれただけで、俺の大きな掌で撫でられていた綺麗なピンク色のペニスが気持ち良さそうにビクビクと跳ねる。 「あ、呆れてないのか?」 「は? なんで?」 「だって」  盛りのついた恋人の上に跨って、もじもじするなよ。沸点ギリのところで踏ん張ってるんだぞ。 「だって、ようやく話して、くれただろ? さっきからずっと、無言だった」 「あぁ……それは」  踏ん張ってらんねぇ。もう無理だ。 「あまりにも可愛いから、野獣みたいに襲いかかりそうなのを堪えるので精一杯だったんだ」  でも、もう無理だから、諦めて襲いかかることにしたんだ。  快感が駆け巡ってるのがわかる。ゾクゾクして、鳥肌が立つほど興奮してる。  ビキニ、っていうか、後ろを向かせてみたら、Tバックだった。 「あ、やぁっ……ン、高雄っ」  さっき二人してベッドから転がり落ちてそのまま、寝床に戻るのすら惜しんで、要の肌に溺れて夢中になってる。肌が白いから面白いようにキスの痕が色濃く残っていく。  四つん這いで、背中に歯を当てて舌で舐めてやると、二本の指を咥え込んだ孔がきゅんとしゃぶりついた。それに逆らうように、指の腹で押し返して口を拡げると、背中を反らせて、甘い声で鳴く。 「にゃあぁぁっン」  尻尾はまだくっついたまま、黒Tバックの紐を指でどかしてほぐされ続けてる。くちゅぬちゅやらしい音に、いつもよりも甘い気がする猫撫で声。 「ぁ、高雄っ」 「っ」  振り向きざま、そんな甘えた声で俺の名前を呼んで、指を孔の奥で締め付けて。 「何? 白猫さん?」 「ぁ、ン」  唇を噛み締めて、目尻に甘そうな涙溜めて、おねだりをする物欲しそうな美麗猫。 「あぁ……ン、高雄っ」 「どこ?」  いくらでも可愛がってやる。 「前? 後ろ? 乳首? 舐められたいとこ、自分でこっちに向けて」 「っ」 「ほら……」 「あぁぁっ」  要が今欲しくて仕方のない唇で背中にキスをした。 「あ、高雄……ここ、舐めて」  これじゃ、いっこうにベッドには戻れそうもない。だって、ラグの上に寝転がった要が脚を開いて、毛のないピンク色をした下腹部を撫でたから。 「ここ、して?」  すぐそこがベッドなのにな。そこに戻るのすらもどかしい。  口付ければきっと甘い鳴き声。そんな期待と興奮突き動かされて、ベッドのすぐ脇で、愛しい白猫を組み敷いていた。

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