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第48話 愛がそこには詰まってる

「あっ……高雄っ、ぁ……ンんっ」  要の中はきつく狭くて、熱くて、柔らかい。 「あぁぁっ……ン、高雄、の、あつ……イ」  繋がった場所だけじゃなくて、この瞬間、全身を要に抱き締められているって感じられて、なんか、たまんなかった。 「要っ」  笑えるだろ? 愛してる人とセックスして、繋がって、愛し合ってるって心底実感したら泣きそうなくらい気持ち良くて、幸福感で満たされるんだって、知ったんだ。 「あぁぁぁン、ぁ……ンっ、高雄、ぁ、奥っ」  この人に教えてもらった。 「も、高雄、俺、もぉ、イってしまう」 「要、気持ちイイ?」  大きく脚を開いて、ピンク色のペニスを気持ち良さそうに勃たせて、トロトロって、先端から竿、根元、それに普段はほとんど見えない産毛まで濡らした、エロい人。真っ白な肌は快感に色づいて、点々とキスの痕で飾り付けられてる。この人が気持ちイイと喘ぐ場所にばかり口付けたつもりだったけど、キスマークは全身に散りばめられている。丸ごと、この人の身体は性感帯、でも、その中でも乳首と、脚の付け根、下腹部は数えてみたくなるくらいたくさん。 「気持ち、イイっ! ぁ、ン、すごく、気持ちイイ」  そして、ペニスからずっと溢れる先走りが伝って濡れた孔の口は俺が動く度にやらしい濡れた音を立てて、奥まで来てって、中をうねらせて、口をきゅっと締め付けて俺を誘う。だから、敏感な内側にある肉粒をペニスで擦りながら、誘われるままに奥へと熱の塊を押し付けた。 「か、なめっ」 「あ、あ、イ、イっちゃう、あ……っあぁぁぁぁぁ!」  びゅくりと弾けた白が要の火照った肌の上に飛び散った。 「すげ、要、敏感すぎ。ほぼトコロテンだけど」 「ん、ふぁ、だって……高雄が」  高貴な人、って思ったんだ。初詣で手を合わせる要を見て、触れてはならないくらい白くて綺麗な人だった。でも、その人が全身を色づかせて、身体の中心を蜜まみれにして、身体を俺にだけ広げてる。乳首もペニスも綺麗なピンク色で、突く度に甘い声をあげる唇もピンクで、まるで花みたいだ。 「だって、高雄がすごくカッコいい顔で笑うから」  俺だけの花。 「ドキドキしたんだ。ドキドキしたら、お前のことを、その、すごく締め付けてしまって、中で硬くて太くて長い高雄のが気持ち良くて、ぁ、ちょっ、あぁぁぁっン、待っ、ぁ、今、まだイったばか、り、あぁぁン、ぁンっ」  無理だろ。すげぇ開いた脚の間、この人の一番奥のところに深く突き刺さった俺を、話しながらキュンキュン締め付けて、やらしく絡みつく粘膜で俺のペニスに隙間なくしゃぶりつきながら、気持ちイイって顔して、自分の中の実況なんかして。 「あ、あぁぁっ、高雄っ、たかっ、ぁ、そこ、またっ、イってしまう」 「要、声、抑えるなよ」 「や、ぁ……だって、止まらな」  ピンク色をした唇を手の甲で隠そうとするから、その手を捕まえて、指を絡ませ、離れないように、離さないように繋がった。 「ひゃぁぁ、ぁ、ぁン」  手を繋ぎながら、奥深くを抉るように突いたら、要がぎゅっと目を閉じて背中を折れそうなほどしならせる。ツンと尖った乳首を俺に見せびらかすように、反らせたから、その先端に口付けた。 「やンっ……ン、んんっ、乳首、ダメ、だ……おかしくなっちゃうっ」  イった? もう、ずっとさっきから、イってるみたいに、要の中が悦がって抱きついてくる。 「要、すげぇ、中がきゅうってしゃぶりついてる」 「も、らめ……気持ち良すぎて、もぉ、わからない」  ほら、もっとちょうだいって、もっと奥まで来てって離してくれない。動かなくても要の中が絡みついて扱くようにくねってる。しゃぶりつかれてたまらない。だから腰を引いて、いかないでって引き止めるようにしゃぶられる感触を堪能してから、奥めがけて深く強く刺し貫いた。 「あぁっ! ン…………もぉ、ぁ、ダメ、高雄」  コプリとペニスの先端から溢れる白がやらしくて、目が離せない。 「あぁっ! あン、ぁ……高雄、ぁ、あ」 「要」 「高雄、も、ダメ」  困ったように眉をさげて、潤んだ瞳で俺だけを見つめたりして。 「あぁぁっ」  繋いだままの手を引っ張って、要を抱き起こすと、体位が変わったことで、中を舐めるように抉られて、要がまた甘い甘い悲鳴を溢した。 「あ、も……ホント、に、おかしくなる、何、なんだ、これ」 「要」  繋いでいた手を離すと、要の手が俺の頭を自然と抱えて、俺の手はこの人の華奢で繊細な背中を普通に何気なしに抱きしめる。この人のことが愛しくてたまらない。 「要っ」 「あ、あぁっ、激し、イっ」  抱き締めて、抱きつかれながら、ふたりで繋がった場所をもっと深くしたくて、貪欲に求め合った。濡れた音を立てて、やらしい蜜をそこに滴らせながら、何度も、何度も、深く濃く。 「か、なめっ」 「あ、あぁぁっン、イくっ、ぁ、高雄っ」  熱くて、何も考えられない。この腕の中にいるこの人のことしか、もう考えられない。 「あぁ、ン、ぁ……イ、イく、お願い、だ、高雄」 「っ」  きゅん、って甘くきつく締め付けられて、肩に爪を突き立てられた瞬間。 ――俺の中でイって。  って、唇に噛みつかれながら囁かれて、達した。 「あっ……ン、あぁ……すごい、いっぱい」 「っ」  ドクドクと中に放ってる最中も、要の中に吸いつかれて、もっと興奮と熱が高まって止められなくなる。抑えられないくらい、この人のことが欲しくてたまらなくなる。 「あ……はぁっ高雄、気持ち、よかった?」  問いながら、ちゅ、っと唇にキスされた。ただ触れただけのキスなのに気持ちが良くて、繋がった場所さえキュンと反応する、幸せの塊みたいなキス。 「すげぇ、気持ちイイよ」 「よかった」  やらしくて、エロくて、最高に幸福で満たされるセックスが気持ちよくないわけねぇじゃん。 「そしたら、他所になんていきたくなくなるか?」 「は?」  また、この人は何を言い出すんだよ。 「大好きだ、高雄」 「……」 「だから、ずっと、俺だけでいて」  甘えるように小さなキスを唇に落とし続けながら、俺を一生懸命捕まえて離したくないって、要の中が抱きついてる。俺の髪を優しく撫でる指先が少しだけ震えてる。 「大好き、高雄」 「ホント」  あんたって、なんなんだよ。 「あ、ちょ、高雄? ぁ、あぁぁっん、や、だ、高雄の溢れて、しま、ぁっ」 「またたっぷり飲めよ」 「やぁぁぁン」  こんなエロくて、全身が甘くて、たまらなく可愛いくせに、なんで、そこでそんな心配すんだよ。 「もっと、して、くれるのか?」 「あぁ」 「ホント?」  俺の唇を赤みの増した指先で感触をたしかめるようになぞって、あんた、何を訊いてんの? 俺のをまだ咥えたままの、びしょ濡れになったそこでわかるだろ? 「あの、朝」 「は?」  話す度にきゅんと締め付けられて、頭の芯が痺れてくる。 「会社のトイレで、した、だろ?」 「……」 「あの朝」  その日は課長職が全員集まって会議を開いてた。その場で、元営業課長に嫌味をありったけ言われたらしい。もちろん、元営業課長と懇意にしていたおっさんどもの冷ややかな視線も一緒に浴びせかけられながら。  きっと、あの写真、俺と要が抱き合ってる写真、あれを撮ったのは元営業課長なんだろう。自分を追いやったことへの報復をかねて、写真に撮って売りつけたか、もしくはもう最初からあの大手商社のペットになっていたか。 「ちょっと、辛かったんだ。でも、高雄に抱き締められてすごく慰められた。あれがなかったら、俺はあの日一日ずっとしんどかっただろうと思う。だから、その、身体のこと、気にしないでくれ」 「……」 「その、た、高雄と、する、の、抱いてもらうの、気持ちイイし」  顔真っ赤にして、照れながら、何言ってんだ、この人は。  なぁ、すげぇ照れてるけど、あんた、今、自分がどんな格好してるのかとか、俺たちが何してるのかってわかってる? 大きく脚開いて、俺のペニスに貫かれながら、孔の口ヒクつかせて、それに乳首だって―― 「あの、高雄と抱き合うと、すごく幸せになれるんだ、だから、うわぁぁぁぁ!」  ホント、あんたって。 「知らないからな」 「……」 「マジで、抱き潰しそうになるっつうの」  あっつい。のぼせそう。抱き締めたまま、また要を押し倒して、きゅんとしゃぶりつかれたペニスが一回射精したくせに、萎えることもなく硬いまま、ぬかるんだ粘膜を味わいたいって暴れ出そうとする。 「あ、今の、カッコいい」 「!」  熱くてたまらなくて、汗で濡れた髪が邪魔くさいから無造作にかき上げたんだ。そうだった、この人、この仕草好きなんだっけ。  俺の頬に触れて、ふわりと蒸気した頬を緩めて微笑んだりするから。 「ホントあんたって」 「?」 「すげぇ可愛い」  言われて、本気で驚くなよ。意外なことを言われたって顔をして、見開いた、真っ黒な瞳の中に、愛しい人を真っ直ぐ見つめる俺が映ってた。ものすごく幸せそうに怒って笑ってる、俺が、要の中にいた。

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