悠斗が緩々と手を動かす横で、今度は優斗が上半身へ手を伸ばしてくる。かさついた手の感触が肌の上を這う。下から上へ滑る指に少し擽ったい感覚を覚えながらも、その指がある一点を掠めると思わず身体が揺れた。 「…乳首弱えの？」 「……違う。擽ったいだけだ」 ストレートに訊かれ顔から火が出そうになる。首を振るがそんな抵抗は意味も無く、胸の突起は最も容易く摘まれてしまう。捏ねるように押し潰されたり、軽く爪を立てられたり。下半身への緩い感覚も相まって段々と変な気分になっていく。そんな様子を見計らってか、不意に湿った冷たい感覚が走った、 「ひろ…、っ」 頭を押し退け離そうとするがそう簡単にはいかない。優斗が胸の突起を舐め始めたのだ。舌で転がすように執拗に攻められる。その頃には撫でられていた箇所も熱を帯び、悠斗が軽く扱き始めていた。二箇所を同時に刺激され、嫌でも感じてしまう。 「…触、って…いいのか」 悠斗が口を開き口籠りつつ俺に尋ねる。既に芯を持っているそこは、僅かに下着を押し上げていた。答えないと思ったのか、悠斗は俺の返事を待たずに下着をずらし、その熱の根源へ直接手を触れた。 「ん…、はぁ…」 もどかしさが消え、直接扱かれる快感に思わず吐息が漏れ慌てて口を抑えた。それを見逃さなかった優斗が小さく笑い出す。 「ふ…、悦くなってきただろ」 「うる、…さ…ッ」 喋ろうとすると声が上擦りそうになり上手く話せない。…なんだ、なんだこれ。男に、しかも弟達に触られて興奮してしまっている自分が情けない。しかし二人はそんな事を考えさせる暇も与えないように、徐々に刺激を強めていく。優斗は手持ち無沙汰になっていた片手で再度突起を摘まむ。もう片方は変わらず舌を這わせ歯を立て、器用に刺激を与える。もはや擽ったいだとか痛いだとかいう感覚は全て快感へ置き換えられていた。 「は、ぁ…」 最初は撫でていただけだった悠斗も段々慣れてきたのか、扱く手を早めたり強く握ってみたりとあの手この手で俺の限界を煽る。不意に指先で裏筋を擦られ、肌が粟立った。 「ンぁ、あ…！」 自分のものとは思えない声に顔が熱くなるのを感じる。ふと下半身に目をやると、昂ぶったそれは先走りで濡れていた。二人が喋らなくなった為に部屋には自然と水音だけが鳴り響く。視覚と聴覚とあらゆる方向から興奮を煽られて、昂ぶったモノから何かがせり上がってくる感覚を感じた。 「や…待っ、ん、ぁ…もう…」 「もう？」 俺の声に優斗が顔を上げる。やたら整った顔が目の前に来て、こんな状況だと動揺してしまう。 「もう、なに？」 悪ノリか何か、悠斗まで俺の顔を見て問い質してきた。今俺はどんな顔をしているだろう。熱を昂ぶらせ先走りを溢すそれを扱かれながら胸の突起を弄られ、絶頂を迎えようとしている。もう屈辱も何もかもどうでも良くて、とにかく熱を吐き出したかった。 「も…、やだ、ぁ、出…る…ッ」 「いいよ、出して」 「あ…ぁん、イ…っ、…ぁあッ…！」 やけに優しい優斗の低い声が耳元に響く。それと同時に悠斗が裏筋を引っ掻いた。強い快感に耐え切れず身体を大きく仰け反らせて俺は吐精した。性器が痙攣し、白濁を溢れさせる。完全に脱力してしまい、何もする気が起きない。ぼやける視界の中で弟二人が何やら話しているのが見えたが、起き上がる事も出来ず、そのまま意識を手放した。